人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

野球 コラム 2024年6月7日

全日本大学野球選手権の注目投手。全国大会でアピールし評価を上げるか?

野球好きコラム by 大島 和人
  • Line

大学選手権の舞台となる明治神宮野球場

第73回全日本大学野球選手権大会は6月10日(月)の開幕。16日(日)に予定される決勝まで、明治神宮野球場(神宮球場)と東京ドームで合計26試合が組まれている。

前回大会は青山学院大学の優勝で幕を閉じ、決勝戦は常廣羽也斗が明治大学を完封している。常廣はドラフト1位で広島に入団し、準決勝に先発した下村海翔もドラフト1位で阪神に進んだ。

同大会は他にも古謝樹(東北楽天1位/桐蔭横浜大学)、上田大河(埼玉西武2位/大阪商業大学)、高太一(広島2位/大阪商業大学)、滝田一希(広島3位/星槎道都大学)と好投手が目白押しだった。

★ドラフトで指名された大学選手権出場選手の一覧(https://www.jsports.co.jp/baseball/daigaku/sensyuken/stats/)

今大会について言うと、現時点で「ドラフト1位濃厚」と断言できる人材は思い当たらない。3月の侍ジャパン欧州選抜戦に招集された金丸夢斗(関西大学)、中村優斗(愛知工業大学)は所属校がリーグ戦の優勝を逃したため、大学選手権出場は叶わなかった。

とはいえ全国大会でアピールに成功し、評価を上げる選手はきっと出る。今回は注目投手を4名紹介したい。

渡邉一生は仙台大学(仙台六大学)を選手権に導いた3年生左腕だ。宿敵・東北福祉大学との最終節は、まず1回戦で7回を零封し勝利投手になると、2回戦も延長10回裏のタイブレークに登場して「胴上げ投手」となった。172センチ・72キロと決して大柄ではないが、最速は152キロの本格派だ。

仙台大学は第72回大会もベスト8に入っているが、渡邉はマウンドに立っていない。いずれも開幕直前のケガの影響で2023年の春季リーグ、秋季リーグは登板を回避している。そんな状況でも地道にフォームを改良し、決め球チェンジアップの切れを高めて、この春にブレイクした。

渡邉は神奈川県内の強豪私学を退学した後、通信制に転向してクラブチームで野球を続けた経歴の持ち主。転校、負傷といった「挫折」を乗り越えて強くなった彼は、2025年秋の有力なドラフト候補だ。

東北の大学野球は優れた人材を次々にプロへ送り込んでいるが、加藤響(八戸学院大学/北東北)も気になる存在だ。金足農業高校では吉田輝星(現オリックス)の2学年下にあたり、現在4年生。最速151キロを誇る本格派右腕だ。

加藤は高校、大学とケガに悩まされていて、リーグ戦初登場は3年の春季リーグ戦。いわゆる「全国区」の知名度はまだない。この春も4試合に登板しているが、先発は1試合のみだ。しかし、11回3分の1の登板で防御率0.77と好投している。

八戸学院大学は旧・八戸大学時代から、正村公弘 前監督の手腕もあって好投手を多く輩出してきた。加藤の2年先輩にあたる松山晋也(中日)も、4年の春は登板がわずか「4回1/3」ながら、秋にブレイクして注目度を上げ、プロでも1年目から大活躍を見せている。加藤は身長179センチとそこまで大型ではないが、「伸びしろを残した本格派」という部分で、松山に重なる。

伊藤樹は早稲田大学(東京六大学)のエースで、176センチ・78キロの3年生右腕。名門・早大を2020年秋以来の天皇賜杯獲得に導いた。伊藤は仙台育英学園秀光中学時代から全国区だったが、高校3年の春の選抜はベスト8止まりで、最後の夏は宮城県大会4回戦で敗れている。

ただ、早大入学後は1年春からコンスタントに起用され、2年秋から先発に昇格。3年春の今シーズンは8試合に登板し、リーグ最多の54回1/3を投げ切っている。防御率1.49と内容も良かった。

最速151キロのスピードも魅力だが、制球力、多彩な変化球、出力の加減といった総合力で勝負できる実戦派。小宮山悟監督の現役時代を彷彿とさせるような「投球術」を大学選手権でも見せてくれるだろう。2015年以来の選手権制覇は、彼の奮闘なくしてない。

なお、伊藤と渡邉は大会終了後に平塚で開催される侍ジャパン大学代表の選考合宿にも招集されることが決まっている。

高木快大(中京大学)は強豪校が揃う愛知学生野球連盟で5季ぶり優勝の立役者になった右腕。春季リーグ戦は4勝1敗、防御率0.53と好投し。MVPに輝いた。名城大学を相手に同リーグで59年ぶりとなる「完全試合」も達成している。

高木は179センチ・77キロで、肩幅が広い投手体型。豪快に投げ下ろすフォームを持ち、球威で勝負できる本格派だ。一方で春のリーグ戦は、9イニングあたりの四死球が「1.18」と制球力も兼備している。初の全国舞台でどのような投球を見せるのか楽しみだ。

文:大島和人

大島 和人

大島 和人

1976年神奈川県で出生。育ちは埼玉で現在は東京都町田市に居住。早稲田大学在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れた。卒業後は損害保険会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。現在はサッカーやバスケ、アマチュア野球など多彩なボールゲームの現場に足を運んでいる。Twitter(@augustoparty

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
野球を応援しよう!

野球の放送・配信ページへ