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野球 コラム 2024年6月6日

全日本大学野球選手権の注目野手。ドラフト上位指名が予想される『侍ジャパン』に選ばれたスラッガー

野球好きコラム by 大島 和人
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侍ジャパンの欧州代表戦に出場した西川史礁(青山学院大学)

第73回全日本大学野球選手権大会が、6月10日(月)に開幕する。16日(日)に予定されている決勝まで、『明治神宮野球場』と『東京ドーム』で合計26試合が行われる。

★大学選手権のみどころ(https://news.jsports.co.jp/baseball/article/20190310227131/

大学選手権は全国の連盟から春季リーグ戦を制したチームが集まり「チャンピオンの中のチャンピオン」を決める大会だ。当然ながら人材の水準も高く、今年秋のプロ野球ドラフト会議で指名される可能性が高い選手もいる。今回はまず注目の野手を5名紹介する。

青山学院大学(東都)は昨年度の第72回大会の優勝チームで、今年も人材の宝庫だ。優勝の立役者だった常廣羽也斗(広島)、下村海翔(阪神)の両投手は既にプロへ進んだが、野手は主力が残っている。

西川史礁(みしょう/青山学院大学4年)はアマ球界を代表する強打者で、2024年3月の侍ジャパン欧州選抜戦で、「日の丸」をつけた注目株。この試合には、西川以外にも金丸夢斗(関西大学/関西学生)、中村優斗(愛知工業大学/愛知学生)、宗山塁(明治大学/東京六大学)と、計4名の大学生が選出されたが、今大会に登場するのは西川だけだ。

西川は182センチ・88キロで、右投右打の外野手。実は2年秋まで、ほとんどリーグ戦に出場していない。しかし、3年春のリーグ戦で打率.364、3本塁打、10打点とブレイクし、その後も評価を維持している。

龍谷大平安高校時代はショートでも試合に出場していて、むしろ守備や走塁で目立つタイプだった。しかし、身長が伸びパワーアップにも成功。強烈なフルスイングで「飛ばせる」打者へと脱皮した。三拍子揃った外野手として、ドラフトでも上位指名が予想されている。

佐々木泰(青山学院大学4年)は西川と逆に、入学直後から華々しい活躍を見せていた内野手だ。178センチ・82キロとスラッガーとして大型ではないが、スイングスピードやバットに「乗せる」感覚には特別なものがある。

強肩を生かした三塁守備も魅力の1つで、青山学院大学のホットコーナーを守り続けてきた。また野球へ打ち込む姿勢についても評価が高く、チームのキャプテンを任されている。

1年春のリーグ戦で打率.371、4本塁打と衝撃的なデビューを飾り、先輩の井口資仁が記録した東都の通算本塁打記録(24本)の更新も期待されるほどだった。ただし、打撃は1年秋からは打率2割台、1割台のシーズンが続き、1年春がキャリアハイのまま「脱皮」を果たせていない。

再ブレイクの兆しを感じたのは、春季リーグ戦の大一番だった5月29日の中央大学戦。佐々木は「勝ったほうが優勝」という大一番で、4回に試合を決める通算12号の3ランを放った。昨年の選手権でも本塁打を放っている彼だが、今大会の快音に期待したい。

青山学院大学には2年生にも「プロ注」がいる。渡部海は180センチ・88キロの大型捕手で、智辯和歌山高校では2年に選抜大会優勝を経験。大学入学後も1年春から正捕手となり、4年生エース2人をリードして、チームを大学選手権優勝に導いた。強肩、卓越したリードに加えて「冷静さ」「コミュニケーション力」も彼の魅力だ。春のリーグ戦は打率こそ昨年の春・秋シーズンに比べて落ちたが、守備の要として欠かせない存在だ。

ドラフト戦線で西川、宗山に続くビッグネームが、渡部聖弥(大阪商業大学/関西六大学)。広陵高校では宗山と同期で、揃ってドラフト上位候補に名が挙がっている。

渡部は177センチ・87キロの右打者で、広角に打ち分ける中距離打者。送球、走力もプロで見劣りしない水準だ。1回生から大阪商業大学の中軸を任され、昨夏の日米大学野球も西川、佐々木とともに代表入りした。過去に5度経験した全国大会(大学選手権、明治神宮大会)では通算打率.476を記録している。

九州からドラフト戦線に名乗りを挙げるのが、浦田俊輔(九州産業大学/福岡六大学)だ。172センチ・67キロの左打者で3年秋、4年春のリーグ戦は打率4割超えを記録しているリードオフマン。最大の強みはスピードで、3年秋のリーグ戦は9試合で15盗塁を記録した。フットワークを生かした守備も強みで、大会後に平塚で開催される侍ジャパン大学代表選考合宿に佐々木、渡部らとともに選出されている。

文:大島和人

大島 和人

大島 和人

1976年神奈川県で出生。育ちは埼玉で現在は東京都町田市に居住。早稲田大学在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れた。卒業後は損害保険会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。現在はサッカーやバスケ、アマチュア野球など多彩なボールゲームの現場に足を運んでいる。Twitter(@augustoparty

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