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野球 コラム 2024年6月5日

首都圏勢の優勝争い、そして「地方の逸材」を探す楽しみ。全日本大学野球選手権のみどころ

野球好きコラム by 大島 和人
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明治神宮野球場

第73回全日本大学野球選手権大会が、6月10日(月)に明治神宮野球場(神宮球場)と東京ドームで開幕する。代表27チームが出場するトーナメント戦で、雨天順延などの影響がなければ、決勝は16日(日)の開催。なお、準々決勝以降の全カードは神宮球場で開催される。

過去の優勝回数を見ると東京六大学野球連盟が27回、東都大学野球連盟が26回となっていて、両連盟が完全に「2強」だ。また、前回大会は青山学院大学、前々回大会は亜細亜大学と東都勢が大会を連覇中だ。

今大会も青山学院大学(東都)、早稲田大学(東京六大学)は大会の主役と言って間違いないだろう。特に青山学院は3月の侍ジャパン欧州代表戦に出場した西川史礁(みしょう)を筆頭に、注目選手が揃っていて、間違いなく優勝候補の最右翼だ。早稲田は選手だけでなく、小宮山悟監督、金森栄治コーチとプロの指導経験が豊富な首脳陣にも注目だ。

一方で日本の大学野球は驚くほど裾野が広い。全国には大学野球の1部リーグが「26」あり、その大半にはいわゆる「プロ注」と言われるドラフト候補選手が潜んでいる。大学選手権にはそんな26連盟の春季リーグ優勝校(九州地区のみ北部/南部に分けて開催されていて、2校出場する)が勢揃いする。

関東ならば東京六大学、東都、首都、関甲新学生、東京新学生、神奈川、千葉と7つの連盟がある。このうち4連盟は選手権の優勝校を出していて、残る3連盟も「ファイナリスト」になった実績がある。

2023年春のワールド・ベースボール・クラシックは、日本代表に大学野球出身の選手が12名選出されているが、出身連盟は7つ(北海道学生、北東北、仙台六大学、東都、首都、愛知学生、阪神学生)に分かれている。このようなデータを提示すれば、大学球界の奥深さははっきり伝わるはずだ。

★全日本大学野球選手権 過去の成績と該当年のドラフト選手
https://www.jsports.co.jp/baseball/daigaku/sensyuken/stats/

【2023年WBCメンバーで大学野球出身者】

◆投手
・大勢(関西国際/阪神大学)
・今永昇太(駒沢/東都)
・伊藤大海(北海道駒沢大/北海道学生)
・栗林良吏(名城大/愛知学生)
・宇田川優希(仙台大/仙台六大学)

◆捕手
・大城卓三(東海大/首都)

◆内野手
・源田壮亮(愛知学院/愛知学生)
・牧 秀悟(中央/東都)
・中野拓夢(東北福祉大/仙台六大学)
・山川穂高(富士大/北東北)

◆外野手
・吉田正尚(青山学院/東都)
・周東佑京(東農大オホーツク/北海道学生)

今の時代はインターネットを通してメディアはもちろん、ファンにも地方連盟の強豪校、有力選手の情報が届く。とはいえそのチーム、選手が全国の中でどれくらいの立ち位置にあるかは簡単に分からない。大学選手権は「地方の逸材」が全国レベルでどれだけやれるかを示す、チャレンジの場ともなってきた。

好守の内野手として評判が伝わっていた吉川尚輝(巨人)は2016年の大会で3番ショートとして大活躍を見せ、中京学院大学(東海地区)の初優勝に貢献。評価を不動にして、同年秋のドラフトは1位指名を受けてプロ入りを果たした。

2018年大会の伊藤大海(北海道日本ハム)も印象深い。苫小牧駒澤大学(北海道学生/現・北洋大)2年生だった彼は、1回戦で日本文理大学(九州地区)を相手に好投を見せて評価を上げ、侍ジャパン大学選抜入りを果たした。2回戦は慶應義塾大学相手にコールドで敗れ、全国再登場も果たせなかったが、大学選手権が東京五輪金メダル、WBC世界一に続く階段の大切なステップだったことは間違いない。

近年ならば隅田知一郎(埼玉西武)の登場は衝撃的だった。2021年大会に西日本工業大学(九州地区北部)のエースとして登場した彼は、1回戦の上武大学戦(関甲新学生)に先発。。ブライト健太(中日)のソロ本塁打で0-1と惜敗したが、全国上位レベルの強豪に14奪三振、1四死球、被安打1の快投を見せた。球速以上に変化球の質、制球が印象的で、やはりドラフト1位でプロ入り。1年目から埼玉西武の先発ローテーション入りを果たした。

中部大学(愛知学生)2年次の石川歩(2009年大会/千葉ロッテ)のように、負けゲームの3番手として登板した投手が、後にプロのエース格までなった例もある。大学選手権は1回戦で敗れるチーム、3番手・4番手として登板する投手の中にも「本物」が潜んでいる大会だ。

文:大島和人

大島 和人

大島 和人

1976年神奈川県で出生。育ちは埼玉で現在は東京都町田市に居住。早稲田大学在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れた。卒業後は損害保険会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。現在はサッカーやバスケ、アマチュア野球など多彩なボールゲームの現場に足を運んでいる。Twitter(@augustoparty

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