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度会隆輝(横浜DeNAベイスターズ)
ドラフト1位ルーキー・度会隆輝の勢いが止まりません。17日にマツダスタジアムで行われた広島とのオープン戦では、2戦連続マルチ安打を記録してオープン戦11試合連続安打、練習試合を含む対外試合14試合連続安打をマーク。
2度の出塁時にはいずれも盗塁を決め、外野守備でも5回に會澤翼の右前に落ちそうな当たりでダイビングキャッチを見せるなど、走攻守の活躍に三浦大輔監督も「打ってよし、守ってよし、走ってよし」と称賛しました。
開幕カードとなる広島相手の活躍に、開幕スタメンはもちろん、新人王の期待も高まりますが、これまでチームで新人王に輝いた選手はどれだけいるのか。調べてみました。
チームの前身である大洋ホエールズ時代に新人王のタイトルを獲得したのは5人。球団初の新人王となった1953年の権藤正利(15勝12敗、防御率2.77、170奪三振)から、1956年の秋山登(25勝25敗、防御率2.39、266奪三振)。
1959年の桑田武(打率.269、31本塁打、84打点)、1964年の高橋重行(17勝11敗、防御率2.76、154奪三振)、1977年の齋藤明雄(8勝9敗、防御率4.39、87奪三振)で、当時の新人最多記録となる31本塁打を放ってルーキーイヤーから本塁打王にも輝いた桑田以外は全て投手でした。
横浜ベイスターズとなって初の新人王に輝いたのが、2000年の金城龍彦です。この年、プロ2年目を迎えた金城は、代打で起用されたプロ初打席で本塁打を放つと、5月まで打率4割台をキープする怒涛の活躍で、夏場までは、あのランディ・バース(元阪神)の持つ日本記録であるシーズン.389の更新も期待された程でした。
最終的には打率.348まで落としましたが、2位以下のR.ローズ(横浜)、松井秀喜(巨人)、R.ペタジーニ(ヤクルト)など、錚々たるメンバーを抑えて首位打者のタイトルを獲得。新人王と首位打者の同時受賞はNPB初の快挙となりました。
横浜DeNAベイスターズで最初の新人王は、2015年の山崎康晃。当時の中畑清監督から、開幕直前のファンミーティングでクローザーに任命されると、開幕2戦目の巨人でプロ初登板、2カード目の広島戦でプロ初セーブをマーク。4月下旬から5月にかけて16試合連続無失点を記録して9試合連続セーブ、5月には月間10セーブのNPB新人記録を樹立し、「小さな大魔神」と呼ばれました。
オールスターゲームには球団の新人では1971年の山下大輔以来となるファン投票で選出され、9月頭まではセーブ機会で失敗なしという快投で、最終的には58試合に登板して防御率1.92、新人記録となる37セーブをマークして新人王に選出されています。
そして、直近の新人王となったのが2018年の東克樹です。今永昇太や濱口遥大など、ドラ1サウスポーが活躍する流れの中、ルーキーイヤーから開幕ローテーション入りを果たした東は、プロ初登板となった阪神戦こそ7回1失点と好投しながら味方の援護がなく敗戦投手となってしまいましたが、次回登板の巨人戦で6回途中3失点の内容でプロ初勝利をマーク。
その後は5月の阪神戦でプロ初完封勝利を挙げるなど、シーズン終了までローテの座を守り、最終的に24試合登板で11勝5敗、防御率はリーグ2位の2.45という好成績で、記者投票では99%とほぼ満票の得票率で新人王となりました。
1年目から対巨人戦では、史上初となるデビューから4戦4勝を達成するなど、6試合の登板で5勝負けなし、対戦防御率1.33とキラーぶりを発揮した東は、2020年のトミー・ジョン手術で約2年間のブランクがありましたが、昨季は最多勝、最高勝率の投手二冠と華麗なる復活を遂げています。
球団の歴代新人王8人のうち、野手の2人は新人王と打撃タイトルの同時受賞という快挙を成し遂げていますが、度会はこの偉大な2人に続くことができるのか。楽しみは尽きないところです。
文:大久保泰伸
大久保泰伸
フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。
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