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野球 コラム 2024年3月19日

【広島好き】アドゥワ誠、中村健人、秋山翔吾。復活を目指すカープの選手たち

野球好きコラム by 大久保泰伸
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広島東洋カープ

オープン戦もたけなわとなり、3月14日の北海道日本ハムとのオープン戦で2打席連続本塁打を放った田村俊介や、ようやく当たりが出始めたレイノルズ、シャイナーの両外国人選手など、新戦力の話題が尽きない毎日ですが、その一方で『復活』を期する選手もいます。

その筆頭格と言えるのが、今季で高卒8年目となるアドゥワ誠で、ここまでオープン戦3試合に登板して防御率2.38と好投を続けています。オープン戦初登板となった3月1日の東北楽天戦では、6回から4番手として登板して3イニングで2失点も勝ち投手になり、練習試合も含めた先発した3試合では、計11回1/3を投げて2失点。

17日の横浜DeNA戦では、初回に2安打と死球で迎えた満塁のピンチを無失点に切り抜けると、5回には味方の失策絡みで1失点しましたが、5回1失点の投球に新井貴浩監督も「ナイスピッチングだった」と評価しました。

アドゥワは高卒2年目の2018年にリリーフとして53試合に登板して6勝2敗5ホールド、防御率3.74をマークしてチームのリーグ3連覇に貢献。球団最年少記録となる19歳6ヶ月でプロ初ホールドを記録し、登板時の登場曲である『広島天国』も話題になりました。

翌2019年は先発に転向して19試合登板(先発14試合)で3勝5敗、防御率4.32を記録しました。しかし、2020年は不振で一軍登板がなく、オフに右肘を手術。復帰後も故障続きで2021年は実戦登板がなく、ようやく一軍復帰を果たした昨季は14試合に登板し、8月の巨人戦で自身4年ぶりとなる一軍での勝利を挙げています。

オープン戦での起用から、今季は先発6番手として完全復帰を目指すことになりそうですが、ロングリリーフもこなせる技巧派右腕が、デビュー当時に見せたゴロアウトを量産する投球を見せることができるか、注目です。

野手で復活を目指すのが、今季プロ3年目となる中村健人です。中村健はここまでのオープン戦でチーム2位タイの12試合に出場。中村貴浩、中村奨成と同じ中村性の外野手が一軍枠争いから脱落する中、一軍での起用が続いています。

オープン戦開幕戦となった2月23日の中日戦で本塁打を放つなど好スタートを切りましたが、ここまで打率.185と低打率で、直近の3試合は試合終盤の守備、代走での出場が続いており、開幕一軍へ正念場となっています。

中村健は中京大中京高校で甲子園に出場し、慶應義塾大学、トヨタ自動車とアマチュア球界のエリートコースを経て、2021年ドラフト3位で入団。ルーキーイヤーから開幕一軍を果たし、スタメン27試合を含む63試合に出場して打率.240、3本塁打、10打点をマークしました。

一発長打を秘めた打撃に、守備ではレーザービーム送球で失点を阻止するなど、攻守に渡ってのプレーだけでなく、明るい性格でベンチでは誰よりも声を出すムードメーカーとしても存在感を発揮しました。

しかし、昨季は打撃不振に陥り、1年間一軍出場がないままシーズンを終えました。昨秋の日南キャンプでは「スーパー早出」練習で猛アピールし、プロ3年目で早くも「ラストチャンス」の意気込みで挑む今季は、熾烈な外野争いで生き残りをかけるシーズンとなります。

最後に、実績組で右膝手術から復活を目指すのが秋山翔吾です。2022年のシーズン途中にMLBからの電撃復帰で、『まさか』のカープ入団が決まった秋山ですが、同年は44試合の出場にとどまり、打率.265と不本意な成績。

キャンプからの本格的な日本球界復帰となった昨季は、開幕から10試合連続安打を記録するなど、3・4月は月間打率.404とロケットスタートを切りましたが、6月以降は失速して夏場には登録抹消もあり、最終的には打率.274に終わっています。

失速の遠因となった右膝の状態が万全になった今季こそは、2015年にNPB史上最多となるシーズン216安打をマークしたヒットメーカーの本領発揮で、西川龍馬が抜けた打線の中核としてフル回転を期待したいところです。

文:大久保泰伸

大久保泰伸

フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。

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