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今永は着実にメジャー1年目の春を過ごしている
自己採点はやや厳しめだが、着実にステップアップしている。米大リーグ、カブスの今永昇太投手(30)は新たな環境でメジャー1年目への調整を続けている。3月2日にはオープン戦初先発でドジャースと対戦。大谷翔平投手(29)は欠場したが、ナ・リーグ西地区の優勝候補大本命に対して、2回1/3を投げ、1本塁打を含む3安打3失点、無四球5三振で57球を投げた。
「スプリング・トレーニングとはいえ、良い結果が出なかったことに対しては、ものすごく悔しい気持ちですし、この悔しい気持ちを持って次の登板に臨みたい」
プレシーズンとあって、スタメンはフルメンバーではなかった。それでも昨季打率・331、29本塁打、102打点のフリーマン、19本塁打の正捕手スミス、36本塁打&105打点のマンシー、26本塁打のT・ヘルナンデスらが並ぶ打線だった。
「ストレートは自分の中では走っていたつもりではいたんですけどね」
直球の手応えはあった。だが、2回にはメジャー未経験の23歳、パヘスに対し厳しく攻めた内角の直球を左翼へ運ばれた。
「これ駄目だな、と。駄目というしっかり変えなければいけないと思って、バランス良く投げていった。そういう反省点は良かった」
落差のあるスチェンジアップを低めに集め、スライダーをみせ、本塁打のあとは4者連続三振。決め球にはスライダー1球、チェンジアップが3球だった。キャンプ中のライブBP(実戦練習)から中5日の登板間隔。3月8日にはマリナーズ戦でオープン戦2度目の先発に臨んだ。結果は3回4安打2失点、2四球5三振、57球。最速は93マイル(約149・7キロ)だった。3度目の先発はまたも中5日で3月14日のアスレチックス戦。4回1/3で70球を投げ、3安打無失点、無四球、9三振と好投した。最速95マイル(約153キロ)はオープン戦での最高球速だった。ナイスピッチングとは裏腹に心の中で逆の考えだった。
「不安を感じながら投げていた。張り切って、自信を持ってマウンドに行ったときの方が、結果はあまりよくない傾向がある」
メンタルと体力、技術のバランスを調整しながら新たな環境で順応と適応、対応を考える日々を送っている。
カブスとの契約期間は4年。米メディアによると総額5300万ドル(約77億4000万円)で25年か26年のシーズン後に球団が契約延長の選択権を行使すれば、5年総額8000万ドル(約116億円)にアップする。チームは先発ローテーション投手の3番手として期待している。昨季、チームの先発投手防御率4・26はリーグ6位。昨季はあと2勝でポストシーズン進出を逃した。今永の上積み分が10月の短期決戦に近づく。
文・山田結軌=サンケイスポーツMLB担当
山田 結軌
1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツに2007年4月入社、阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。2025年2月に18年間務めたサンケイスポーツを退社しフリーに転身。
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