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野球 コラム 2024年2月28日

20年後を見据える大谷翔平のトレーニング論

野球好きコラム by 山田 結軌
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会見にノースリーブのトレーニングウエアで登場した大谷翔平

オープン戦初出場でドジャース移籍後、第1号。2月27日、アリゾナ州グレンデールでのホワイトソックス戦、五回2死二塁の第3打席で大谷翔平投手(29)は、レフトフェンスを越える本塁打を放った。右肘の手術を受けリハビリ過程のため、DH一本で臨む。継続的なフィジカルの強化が、周囲を驚かせるパフォーマンスの発揮を可能にしている。

「トレーニングは一貫している。別に年単位で(取り組む内容を)変えるとかということではない。10年、20年のスパンで考えてやるものなので。今年は手術があったので、それに適したトレーニングはもちろんしますけど、全体的なフィジカルの強化は例年通りだと思います」

オープン戦後に行われた日米のメディアへの会見。大谷は、ノースリーブタイプのトレーニングウエア、そしてウエートトレーニング用のシューズを履いて現れた。

ウエートトレーニング用のシューズを履いて大谷は会見に登場

つまり、オープン戦で出場し、3打席を消化した後、筋力トレーニングに取り組むスケジュールをあらかじめ予定している、ということだ。栄養と睡眠時間の確保を含む休養、そして現役を通してプランニングされたフィジカルの強化。実直に取り組むことで投手と打者として、周囲を圧倒する成績を残すことができる。いうまでもないが、決して才能だけじゃない。

2月12日にはキャンプ2度目のフリー打撃。ここでもフィジカルの充実を口にしていた。

「最後の2、3スイングは(強度が)90(%)ちょっとぐらいの力加減で打っている。(打球速度などのデータの)数字もそのぐらいの数値ですし、むしろ(想定より)高いかな? ぐらいの感じなのでいい傾向。トレーニングの成果も出ているんじゃないかなとは思います」

1シーズンずつのテーマアップを決めて、トレーニングに取り組む選手もいれば、大谷の場合は「10年、20年のスパン」で考えていることを明かした。どちらかといえば、これだけ長期のプランニングは珍しいのではないだろうか。つまり日本ヘムのプロ入り当時、あるいは高校時代から、プロキャリア、そしてメジャーでのキャリアを通じてのトレーニング計画があるのだろう。世界一の野球選手になるために、大谷は華やかな活躍の裏で地道な努力を重ねている。

文・山田結軌=サンケイスポーツMLB担当

山田結軌(やまだ・ゆうき)

山田 結軌

1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツには2007年4月入社。阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。

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