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野球 コラム 2024年2月28日

鈴木誠也がスロー再生をみないワケとは…。

野球好きコラム by 山田 結軌
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メジャー3年目の臨むカブスの鈴木誠也

「スロー再生、みないんです。スローだと気づけないことがあるので」

 とある日の自主トレ中のことだった。カブスでメジャー3年目を迎える鈴木誠也外野手(29)が、自身の打撃動画をチェックしながら、興味深いことを言った。

 普通、スローモーションの方がチェックポイントを明確にしやすいのでは、と考える。しかし、鈴木は違う。なぜか。

 「例えば、軸足の右足がこうブレたとしたら」と右足を左右にグラグラさるジェスチャーをした。

 「スローにしちゃうとこれを見落としちゃうんです」

 通常速度の再生で動画はチェックして、大まかにいい感じでスイングしているか、なんかしっくりきていないのか。技術的な細かいメカニクスよりもそうしたフィーリングの方を重要視しているようだ。

 「まあ、適当っすよ」

 そういって笑うが、決してテキトーではない。バットのヘッドが利く感覚、走る感覚を大切にスイングを繰り返す。自主トレでは約1000gのバットを2種類、振り分ける日もあった。バットの先端に重心があるタイプ、そしてグリップエンドに重心があるタイプ。ヘッドの“走り感”を得られやすい練習用バットを手にボールを打ち返した。

 3年目を迎える春季キャンプでは、快調に調整を進めている。フリー打撃では、パワーに頼らずにリラックスしながらタイミングを取り、柵越えを連発。アリゾナの乾燥気候で打球が飛びやすい環境ということを差し引いでも“激飛び”する打球は、3年目の進化を感じさせる。

 バット形状は、昨季の前半戦の終わりごろから、広島カープ時代と同じタイプを使用している。長さは86.5cm、重さは890~900gだという。素材は打感の柔らかいアッシュ材を選んだ。

 2月26日のロイヤルズ戦でオープン戦初出場。2打数1安打だった。

 「タイミングがやっぱり、少し差し込まれた部分もあった。そういったときの反応、バットの出方は、まだまだやらなきゃいけないなって思うところもたくさんある。でも、手出ししていかないと分からないところでもあるので、本当に今日は課題も見つかって良かったと思います」

 昨季は日本人野手の右打者として初めてシーズン20本塁打をクリア。今季は打率3割&30本への期待感を抱かせる。オフには、スピード系のウエートトレーニングにも励んだ。盗塁増も狙っている。

 進化を成し遂げ、バージョンアップした誠也が、カブスで打線のキーマンになることは、間違いない。

文・山田結軌=サンケイスポーツMLB担当

山田結軌(やまだ・ゆうき)

山田 結軌

1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツには2007年4月入社。阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。

Twitter
@YamadaSANSPO

Instagram
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