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野球 コラム 2024年2月14日

山本由伸、松井裕樹、今永昇太、MLB1年目の活躍は?「斎藤隆×AKI猪瀬」が語るMLB新シーズンの見どころ

MLBコラム by J SPORTS 編集部
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斎藤隆さん(左)とAKI猪瀬さん

2024年シーズン・MLBの見どころについて、2006年~2008年までロサンゼルス・ドジャースに在籍し、今シーズンより横浜DeNAベイスターズのアドバイザーに就任した斎藤隆さんと、J SPORTSのMLB解説でおなじみのMLBアナリスト・AKI猪瀬さんが対談。今回はその第2弾です。

※対談は1月25日に行われました。
★第1弾はこちらから

◆大補強をしたドジャースの投手陣は盤石か?

AKI猪瀬:ドジャースは大谷翔平選手を獲ったと思ったら、山本由伸選手も獲得しました。これは隆さん的にもやっぱりという感じでしたか。

斎藤隆:いや、ドジャースではないと思っていましたが、先に大谷を獲得した。MLBあるあるで、大谷が山本のリクルーティングに回った。

AKI猪瀬:それが大成功でした。

斎藤隆:MLBの一番いい例というか、同じ国の選手がリクルーティングするという。

AKI猪瀬:ドジャー・スタジアムで話をしていると、コンコンって大谷翔平が入ってきて、「一緒にやろう」と言われる。断れる日本人選手がいるのかというぐらい強烈なリクルーティングですね(笑)。

AKI猪瀬:大谷翔平が決まる前のドジャース先発陣は、2年目のボビー・ミラー(昨季11勝4敗 防御率3.76)と、病み上がりの生え抜きエース、ウォーカー・ビューラー(昨季登板なし)ぐらいで、スカスカだったんですよ。

それが、気がついたらミラーとビューラーに由伸がいて、タイラー・グラスノー(昨季タンパベイ・レイズ/10勝7敗 防御率3.53)、ジェームズ・パクストン(ボストン・レッドソックス/7勝5敗 防御率4.50)と、弱点と言われた先発が一気に膨れ上がって、人数を揃えましたがどうですか?

※日本時間2月7日にクレイトン・カーショー(昨季13勝5敗 防御率2.46/左肩の手術のため今季夏以降に復帰予定)と再契約。

斎藤隆:本来であれば、盤石と言ってもいいのかもしれないけれど、心配なのは監督のデーブ・ロバーツ(笑)。打線がいいのは分かるけれど、いつも投手交代が早い。今年会うことがないから適当なことを言うわけではないけど、「ちょっと我慢できないか」とデーブに言ってあげたい(笑)。

時々手紙をくれたりして、そういうところは大好きなんですよ。大好きなんですけど、ピッチャー交代だけがずっと気になっています。

斎藤隆さん。後ろはドジャース時代のユニフォーム

◆山本由伸の能力は心配なしだが不安は中4日

AKI猪瀬:その先発でイニングを消化するだろうと言われている山本。MLB1年目になりますが、アメリカ国内では「200奪三振は確実に取る」とか、ポジティブなニュースがボンボン出ています。何の心配もないですか?

斎藤隆:スキルとしての彼の能力に心配は一切ないですね。あのカーブが有効だし、同じフォームから違う球種を投げられるので心配はないです。ただ、彼に限らず日本人先発投手がMLBに行った場合、中4日のフィジカル的な不安だけです。

ましてやドジャースは、絶対にワールドシリーズまで行こうとしているわけで、中4日をずっとシーズン中キープした上で、最後にエクストライニング、いつもだったら6回で終わるところを7回投げることもあれば、打たれれば2回で終わる時もある。

こういう最後をどう彼が締めくくるか。そういったところは、1年目なのでどこまで求めるかはありますが、金額的には「それをやってくれ」というような金額の契約ですね。

AKI猪瀬:投手史上、最高額の契約になっていますし。その中4日でどのぐらい持つのか、そこが唯一の心配なところですか。

斎藤隆:勇気を持って4~5回先発したら、1回休ませてあげるぐらいのことを、9~10月のためにやってみるとか、そういうことを考えているのかどうか、ちょっと聞きたいですね。

AKI猪瀬:恐らく、病み上がりのビューラーも大切に使ってあげたい。あとはトニー・ゴンソリン(昨季8勝5敗/8月にトミー・ジョン手術で今季は全休予定)と、ダスティン・メイ(4勝1敗/7月に右ひじ屈筋腱とじん帯の手術により今季後半に復帰予定)が多分戻ってくるので、そうすると5人ではなく、再来年の大谷の二刀流を見据えて、6人とか7人ぐらいで回すというアイデアもなくはないと思うんですよね。

MLBキャンプinアリゾナ

松井裕樹投手×AKI猪瀬氏インタビュー|キャンプ初日を終えて

斎藤隆:それが理想的ですよね。今年じゃないかもしれないけど、山本を中5日で回せたら、そうすると大谷という二刀流の投手が今度生きてくるし、ここまでは理想でしかありませんけど、ドジャースはいい絵の描き方、いい形でやっているなという気がします。

AKI猪瀬:隆さんはウエストコーストでも、イーストコーストでも両方でプレーしています。1年目はその時差を越えたり、長距離移動を経験しましたが、どうでしたか?

斎藤隆:これは体感しないと。時差が1時間だから大丈夫ではないです。1時間でもジャブのように意外に効くんです。西から東に、例えばニューヨークに飛びました。フライト時間そのものも6時間前後かかります。プラス時差が3時間。この辺はなかなか大変です。

AKI猪瀬:山本だけでなく、今年たくさんの日本人選手が行きますからね。その辺、皆共通だと思います。

MLBアナリストのAKI猪瀬さん

◆松井裕樹、課題はMLB公式球とピッチクロック

AKI猪瀬:ドジャースがすごい!と大騒ぎの中、東北楽天ゴールデンイーグルスで隆さんが一緒に選手としてやっていた松井裕樹投手が、結構早く落ち着きましたね。

斎藤隆:サンディエゴ・パドレスのスタッフが本当に頑張ったと思っているのと、相思相愛だったんじゃないですか。地域的や気候的なこと、生活面様々においてパドレスはいいチームだと思うので、いい選択をしたと思います。

AKI猪瀬:ここにも強烈な、ダルビッシュ有というリクルーターがいましたね。

斎藤隆:これもさっきの大谷と一緒で、こういうリクルーターがいるのは強みですね。

AKI猪瀬:パドレスはジョシュ・ヘイダー(昨季2勝3敗33セーブ 防御率1.28)がヒューストン・アストロズへ流出したので、松井は最初からクローザーを目指すのか。それともブルペンの勝ちパターンの7・8回にしっかり入るのか。どう考えているんでしょうか。

斎藤隆:本人はもちろん、勝ちパターンに入りたいと必死に頑張ると思うんですけど、必ずしも9回なのかと言われると、ちょっとそこはまだわからない。

ストーリー的には7、8、9回と少しずつ上がっていくイメージの方が、全体を見渡せる。移動や生活環境などもあるので、来シーズンがっちりクローザーをつかむぐらいのイメージでやってくれたら、最初からドンと行くとその後の沈みが怖いと思います。

AKI猪瀬:あと、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)でMLBの公式球にアジャストできなかったのかなとか、ピッチクロック(無走者は15秒、走者がいる場合は18秒以内)も気になります。松井は30秒ぐらいかかりますので。

斎藤隆:そこはオープン戦前から、コーチや日本人スタッフと付きっきりで、ブルペンから常にそれをやりながら、しっかりクリアしていかないといけない。ただ、そういう課題を持っている方が良くないですか。課題を1つずつ消していく作業がある方が、充実したキャンプになって、いいシーズンインになるんじゃないかと思います。

◆今永昇太はインコースの出し入れ

AKI猪瀬:隆さんとゆかりのある、コーチと選手の立場だった今永昇太選手はシカゴ・カブスに入りましたね。

斎藤隆:ちょっと時間が迫ってドキドキしていたんですが、まずは良かったです。カブスというのがちょっと意外でしたね。僕は東海岸かなと思っていました。

移動で言うとシカゴは真ん中なので、実は彼が1番いい。ただ、ちょっと寒いし、気候的にはそんなに恵まれてないけれど、色々なことを考えると実はいいチョイスをしたと思います。

AKI猪瀬:カブスはデーゲームが多くなります。鈴木誠也選手も「デーゲームは早起きが…」と言っていました(笑)。でも、今永は大丈夫ですよね?

斎藤隆:そんなに悪いイメージはないです。それより、彼のピッチングで考えられるのは、右バッターでも左バッターでも、どれだけインコースをつけるかだと思います。

昇太はバッターの目線がキュッと一瞬上がる、緩いボールを持っていないので、目線がぐっと絞られる。絞られやすくなるのを避けるために何するかというと、やっぱりインコース。右も左もインコースの出し入れ。もう、どんどんついてインコース3球で終わるぐらいの勇気を持たないと。

AKI猪瀬:最後に何か言い足りないことや伝えたいことはありますか。

斎藤隆:あえてメジャーの先輩として言わせてもらうなら、「みんな、とにかくけがなく1年間頑張って」と、もうこれだけです。

斎藤隆さん

【斎藤隆プロフィール】

1970年生まれ。宮城県出身。東北高校から東北福祉大学へ進み、1991年のドラフト1位で横浜大洋ホエールズ(現・横浜DeNAベイスターズ)に入団。2005年まで在籍し、2006年からロサンゼルス・ドジャースに移籍。

その後、ボストン・レッドソックス、アトランタ・ブレーブス、ミルウォーキー・ブルワーズ、アリゾナ・ダイヤモンドバックスを経て、2013年から日本球界に復帰。地元仙台の東北楽天ゴールデンイーグルスで、2015年まで現役を続けた。

引退後は野球解説者のほか、サンディエゴ・パドレスのインターンとして留学。2020年に東京ヤクルトスワローズ、2022・23年位には横浜DeNAベイスターズの投手コーチを務めた。

J SPORTS編集部

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