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野球 コラム 2023年12月18日

世界一を目指すチームで世界一の野球選手へ、大谷翔平のメジャー第2章

野球好きコラム by 山田 結軌
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ブルーのネクタイでドジャース入団会見に臨んだ大谷翔平

大谷翔平投手(29)の移籍先は、大本命といわれていたドジャース入団で決着した。10年契約で世界のスポーツ史上最高額となる7億ドル(約1015億円=契約当日の為替レート)という破格だった。

ドジャースを選んだことで大谷が何を重要視したかが、明確だった。もちろん、プロの世界で金額の大きさ=評価の高さなので、ある程度譲れないラインはあったはずだ。今後、二刀流を目指す選手のために自身が目標になる責任もあったかもしれない。しかし、契約総額の97%を後払いされることを申し出たことに象徴されるように目先の金銭は少なくとも最重要、というわけではなかった。

勝利。それこそが、大谷が最も求めたものだった。少なくとも自身が契約を結んだ10年間で常にワールドシリーズ制覇を狙える。それが重要だった。

「(勝利を求める)僕自身の優先順位はもちろん契約形態から分かるように、一番上のところではある。野球選手として、あと(現役生活を)どれくらいできるは、正直誰にも分からないですし、勝つことが僕の中で一番大事なことかなと思います」

フリーエージェント(FA)の期間では、移籍先を巡るさまざまな憶測に考えを巡らせた。6年間のキャリアを積み、調整方法など自身が快適に過ごせるエンゼルスに残留するのではないか。資金力があり、チームの顏になるスターを欲しているジャイアンツではないのか。今季のワールドシリーズ制覇を達成し、今後も優勝候補として争い続けられそうなレンジャーズもあるのではないか。

「お誘いをいただいてもYESと答えられる球団は一つしかないのでそこに対して、自分が最終的に、ここでプレーしたいなという気持ちに素直に従った」

シンプルに強く、ワールドシリーズ制覇を毎年、目指すことに現実味のある強豪を選択した。
6年前のエンゼルス入団会見では背番号を選んだ質問に「本当は27番にしようかなっていうか、したいなって気持ちがあったんですけども、埋まっていたので17番にしました」とジョークも飛び出した。しかし、今回は約30分の質疑応答で聞かれた質問に丁寧に言葉を選びながら、あまり表情を崩すことなく答えた姿が印象的だった。

ドジャースはナ・リーグ西地区では、いわば“勝って当たり前”という空気さえある常勝軍団だ。勝負はポストシーズンに入ってから、いかに世界一まで地区シリーズ3勝、リーグ優勝決定シリーズ4勝、ワールドシリーズ4勝の合計11勝するか。ということが地元ファンの関心だ。二刀流は世界一の野球選手になる目標を、常に世界一を目指す強いチームに身を置きながら目指す。

(文・山田結軌=サンケイスポーツMLB担当)

山田結軌(やまだ・ゆうき)

山田 結軌

1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツには2007年4月入社。阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。

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@YamadaSANSPO

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