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野球 コラム 2023年11月17日

大谷翔平の移籍先はなぜ「ドジャース最有力」といわれるのか

野球好きコラム by 山田 結軌
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FAになった大谷翔平はエンゼルスと再契約か、移籍か。決断は近い

MLB今オフの移籍市場で最大の注目を集める大谷翔平投手(29)の行方。エンゼルスからフリーエージェント(FA)になり、移籍先の予想は日々、ヒートアップしている。そして米メディアでは「ドジャースが最有力」との情報が多い。そして、その論調はそもそもなぜなのか。

1. 資金力
全米第2の都市、ロサンゼルスのビッグマーケットに本拠地を置き、今季のチーム総年俸は全体6位の2億4000万ドル(約361億円)だが、昨季は1位の2億7000万ドル(約407億円)だった。

2. DHのスポット
今季、ドジャースのDHはJ・D・マルティネス選手(36)と1年契約(年俸1000万ドル=約15億円)。単年契約でDHを補強したことで、大谷獲得を見据えた動きだ、といわれた。

3. 予算編成
来季、2024年のチーム総年俸の確定分はメジャー40人枠のうち、ドジャースは11月15日時点で38人が確定(米サイト・スポトラック参照)。MLBの全体平均である1億1440万ドル(約172億円)を下回る1億900万ドル(約164億円)だ。大谷に仮に約5000万ドル(約75億円)の年俸を支払うとしても、補強費用は24年シーズンのぜいたく税対象となる2億3700万ドル(約356億円)まで余白はある。

4. 過去
ドジャースは大谷が花巻東高時代にスカウティングしていた歴史がある。そこに縁や“つながり”を指摘する米メディアがある。ただ、当時のフロントやスカウトら球団幹部の人員は入れ替わっている。

5. 気候
南カリフォルニアに位置するロサンゼルスは、1年を通じて温暖な気候。シーズン162試合中、半分の81試合はホームで開催される。長く二刀流として現役を続けるのは、調整や日々の体調管理を含め、快適な環境であることは間違いない。

6. 勝利の文化
ナ・リーグ西地区では過去11年で10度の地区優勝を誇る。戦力、戦術は充実。ポストシーズン進出は“当たり前”でワールドシリーズ制覇を至上命題としている価値観がある。大谷が求めるポストシーズンでの戦いがかなう可能性が高い。

他にも米メディアではジャイアンツ、レンジャーズ、ブレーブス、レッドソックス、メッツなど強豪かつ一定の資金力ある球団が挙がる。本命のドジャースか、それとも。エンゼルスの再契約、もしくは新天地が決まるまで喧騒は続きそうだ。

(文・山田結軌=サンケイスポーツMLB担当)

山田結軌(やまだ・ゆうき)

山田 結軌

1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツには2007年4月入社。阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。

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