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右肘の手術を受け、ファンの前に登場が待望される大谷翔平
何を語るのか、あるいは語らないのか。エンゼルスの大谷翔平投手(29)が最後にメディア対応して“生声”を発したのは、8月9日(現地時間、以下同)。9月19日に右肘の手術を受けたことが発表されたが、その術式は明らかにされていない。8月23日に右肘の靱帯損傷が発覚してからも打者としてプレーを続行した大谷本人の思いなどは、想像するしかない状況だった。そして、それは今も続いている。
術後しばらくは安静のため、自宅で療養をしているという。9月30日がチームの表彰式でエンゼルスタジアムを訪れ、チームメートやファンの前に姿を現す予定だという。だが、決定事項ではない。このときに「8・9」以来、52日ぶりにメディア対応するのではないか…という期待がある。
2月のキャンプイン時点で「このチームで優勝したいなという気持ちが一番」と臨んだメジャー6年目。オフにフリーエージェント(FA)を迎えるいわゆるコントラクト・イヤー(契約を結ぶ年)だ。アリゾナ州テンピのキャンプ施設内で行われた会見では米メディアから「史上初の5億ドル(約745億円)選手になるという報道もあるが?と聞かれれば『僕はその道(契約交渉)のプロではないので、どの相場が合っているのかな?とか正直、分からない』と返答。念願のポストシーズンでの戦いだけを目指して過ごしたシーズンだった。
優勝したWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)での活躍は、ファンのみなさまなら周知のとおり。そこでみせた充実した表情、集中力が高まった目つき、エキサイティングなリアクション。何より一戦必勝で緊張感高まる激戦の日々を楽しんでいるようにみえた。勝つこと、優勝することを心の底から渇望していることを実感した。
2年前、2021年9月26日。ホーム、アナハイムでのマリナーズ戦後に発した切実な“叫び”がある。地元メディアから6年連続でシーズン負け越し(当時)が決まり、フラストレーションは感じていますか?と聞かれた際のコメントだ。
「ありますね、やっぱり。もっともっと楽しい、ヒリヒリするような9月を過ごしたいですし、クラブハウスの中もそういう会話であふれるような9月になることを願っていますし、来年以降、そうなるように頑張りたいなと思っています」
その発言をしてから過ごした2022~23年の2シーズン。望んだポストシーズン進出をかけた「ヒリヒリする9月」への思いは叶わなかった。今季の最終局面。大谷は、いま何を語るのだろうか。
(文・山田結軌=サンケイスポーツMLB担当)
山田 結軌
1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツに2007年4月入社、阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。2025年2月に18年間務めたサンケイスポーツを退社しフリーに転身。
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