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右肘手術明けのシーズンを過ごすツインズ前田健太
右肘の手術明けのシーズンはおおむね順調に過ごしている。ツインズの前田健太投手(35)だ。開幕後、右肘の筋肉に張りが出て、4月の後半から6月下旬まで負傷者リスト(IL)に入った。4勝7敗(9月13日時点)で勝ち星こそ伸び悩んでいるが、先発ローテの一角を守っている。
チームはア・リーグ中地区で首位を走り、2020年以来の地区優勝が近づいている。
「今は、もちろん(チームの)調子がいいですけど、もともと雰囲気はいいです。粘り強く投げれば(先制を許しても)逆転してくる雰囲気があるので1点でも少なく、取られても(次の失点を)防げるようにしています」
2016年のメジャー移籍から8シーズン目。すっかりベテランの域に入った。昨季はトミー・ジョン手術からのリハビリで公式戦での登板はなかった。そのため、実質7年の稼働だ。そして、今季もポストシーズンに進むことが叶えば、実に6度目。ドジャース移籍4シーズンではワールドシリーズ進出2度を含む、4度すべてでポストシーズンを経験。ツインズは4年目で、今のポストシーズンでプレーすれば2度目だ。メジャー移籍後2021-22を除き、その他のシーズンでプレーオフに進出する“勝ち運”を持っている。
ただ、ツインズはここまでポストシーズンで18連敗。北米プロスポーツ全体でのワースト記録、という不名誉がある。球団も地元ファンも2004年10月5日、ヤンキースとの地区シリーズで勝利して以来のポストシーズン勝利を求めている。
マエケンはIL期間とオールスター休暇を除けば、登板間隔は中4~6日でコンスタントに投げてきた。その中で今季はナイトゲーム7試合(防御率3・53)に対し、デーゲームは11試合(防御率5・40)と多い。「あんまり好きじゃないんだよなあ」というデーゲームへの感想は、多くの選手たちも同様だろう。
今後の先発スケジュールを予想すると、次回は中4日で9月14日(日本時間15日)のホワイトソックス戦(シカゴ)。もしかするとその次に先発が見込まれる19日か20日(同20、21日)のレッズ戦(シンシナティ)が地区優勝の“Xデー”になるかもしれない。マエケンが優勝のかかるマウンドで先発。それが叶えば、右肘手術から復活を象徴するシーンになる。ひそかにそんなシナリオを期待している。
(文・山田結軌=サンケイスポーツMLB担当)
山田 結軌
1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツに2007年4月入社、阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。2025年2月に18年間務めたサンケイスポーツを退社しフリーに転身。
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