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鈴木誠也は内川聖一氏との再会(米国時間8月8日)
あの日をきっかけに本来の姿がよみがえったようだ。カブスの鈴木誠也外野手(28)は、8月8日にニューヨークでのメッツ戦前に内川聖一氏(元ソフトバンク、現大分B-リングス)と再会。広島在籍時の2016、17、19年の3度、1月の合同自主トレに参加し、打撃を教わった。レギュラーに定着し、その後は日本を代表するスラッガーへと駆け上がるきっかけをつかむなど“打撃の師匠”ともいえる先輩だ。
「久しぶりに自分のバッティングを見てもらって感想だったりを聞けたので、そういった意味ではすごく感覚的に戻ってきたな。そういうのはありますね」
フリー打撃前に鈴木は一塁ダッグアウトでメッツの千賀滉大投手(30)と3人で談笑。その際に自身の悩みや現状を打ち明け、それに寄り添うように内川氏は考えを伝えたようだ。フリー打撃の最中、鈴木は順番待ちの合間に一塁ベンチからみつめる内川氏にアイコンタクト。内川氏は肩や腕を揺らすジェスチャーで力を抜くように、とメッセージを送った。
誠也は会話の内容について「リラックスしていくっていう、ざっくりいうと。ちょっと力みが強くて、強く振ろう、強く振ろうっていうことしか思っていなかった。少し考え方が変わったかな」と振り返った。そして、その効果は、まさにてきめんだった。
9日に5試合ぶりにスタメン復帰すると10号ソロを放つなど4打数3安打と固め打ち。直近の14日間では、打率・385、さらに直近7日間では打率・400だ(8月23日試合前時点)。
昨季、メジャー1年目で感じた米球界の強打者たちのパワー。それに対抗するように筋力アップに励み、力感あるスイングを求めた。しかし、それが知らず知らずのうちに力みにつながり、本来のスイングやタイミングを見失ってしまったのかもしれない。
内川氏との再会は、技術面のアドバイスのみならず、精神的にも貴重な時間になったことは間違いない。特にその後の結果をみれば“内川効果”は明らかだ。
「日本のときからそうですけど、あんまり良くなかった理由が分からなくなったときとかは、けっこう内川さんに相談する、というのはずっとやっていた」
カブスはワイルドカード圏内をキープし、さらに地区優勝も狙える位置につける。誠也が調子を上げれば、カブスのポストシーズン進出に近づくことはできるはずだ。
(文・山田結軌=サンケイスポーツMLB担当)
山田 結軌
1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツに2007年4月入社、阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。2025年2月に18年間務めたサンケイスポーツを退社しフリーに転身。
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