8月のマエケンはツインズの選手か、それとも……

数日後には新天地も？マエケンはトレード需要アリ

トレードのオファーはあるが、球団は悩ましいのではないだろうか。MLBでは、8月1日（日本時間2日午前7時）に今夏のトレード締め切りが迫っている。エンゼルスの大谷翔平投手（29）は球団幹部が、トレード放出をしないことを明言した。一方で日本選手として、ここ数日で名前が挙がっているのがツインズの前田健太投手（35）だ。

「キャッチボールから、こういう感じで投げれば良い感覚が出るかな？っていうのは手術後いろんなものを探している。それが少しずつ良くなってきている、見つかり始めているという感じ」
7月19日のマリナーズ戦（シアトル）では、右肘のトミー・ジョン手術後の投球で最も手応えを得たものだった。右肘の状態も徐々に上向いている実感がある。

「肘の不安がなくなってきたのが一番大きい。試合で球数を投げたり、力を入れたりすると肘が張るんじゃないかという怖さがあった。でも、試合後の張りも、ほとんど出なくなっている。そういう怖さがなくなってきたのが大きい」

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シーズン成績は2勝6敗、防御率4・53ながら、ここ5先発では、防御率1・63、27回1／3で39三振を奪うなど好調だ。手術前の自分を追い求めるのではなく、人工靭帯と自身の右手首から採取した靭帯を組み合わせた日本人初のハイブリッド手術、“新しい肘”になって、術前とは違うまた新たな感覚を探している。

前田は2016年にドジャースと結んだ8年契約の最終年。2020年にツインズにトレード移籍しているが、基本的には契約内容は移籍先が引き継ぐ。契約最終年の選手は、トレード候補になりやすく、しかも前田の基本年俸は312万5000ドル（約4億4300万円）とメジャーの中では格安だ。そのため、右投げの先発投手の補強を考えているチームから、トレードへの問い合わせが届いている……らしい。

前田本人は今季が終わって、メジャーでプレーを続行するのか、日本球界復帰を望むのか、現状では態度を明確にしていない。ただ、代理人にスコット・ボラス氏（70）を選定しているあたり、少なくともメジャーからのオファーは聞くのではないか？と筆者は予想している。仮にメジャーでプレー続行を求めた場合、トレードされても、されなくても8月以降の成績は年俸や契約年数に影響することは間違いない。

7月30日のロイヤルズ戦（カンザスシティー）では、6敗目を喫するも5イニングを投げ、4安打2失点、7三振、94球を投げた。球速は、術後最速の93・7マイル（150・8キロ）を計測した。トレード期限まであとわずか。マエケンは8月の先発をツインズで務めるのか、それとも……。

（文・山田結軌＝サンケイスポーツMLB担当）