【オリックス好き】 大好きな「ほっともっとフィールド神戸」のブルペンシートでようやく気がついた、 自責点の本当の意味

オリックスファンの皆さま、アツイヒガ続いてますが、いかがお過ごしでしょうか。今シーズンも早いもので後半戦に突入。最初のカードは北海道日本ハムファイターズ戦。暑かった、ぃゃ熱かった「ほっともっとフィールド神戸」での2試合には、いろんな出来事が詰まっていて、野球のことにもまた少し詳しくなれた気がする私にとっても貴重な2日間でした。

後半戦初戦はブルペンデーになるのではという予想が出る中、ブルペンシートに席を取っていた私はいつも以上にワクワクした気持ちで球場へ。

先発はプロ初先発、今をときめく小木田世代代表の小木田敦也投手です。まだ他の投手が誰もいないブルペンで黙々と準備をし、ブルペン捕手の稲富宏樹さんと西陽を浴びながらキャッチボールする姿は、いつも以上にかっこよく見えました。

西陽を浴びながらキャッチボールする小木田投手

ブルペン周辺に座っていたファンは「期待してるで！がんばってやー！」と言う気持ちをありったけの拍手に込めて送り出そうとしているような、いつもとは少し趣の違う、すごく優しい空気だったように思います。

試合前のブルペンでの小木田投手。まるで試合に向かうボクサーのよう

"結果だけ見ると"2回4失点で降板。ほろ苦い結果となりましたが、でももう一度、また先発投手としてマウンドに上がる小木田投手の姿が見てみたい、リベンジしてほしい、と期待が膨らむ好投でした。

「あの2回の最初のエラーがなければ抑えられてたんやけどなー。でもエラーしてしまった宜保翔選手も悔しいやろな。責任感じ過ぎていないかな、大丈夫かな。」と、思いをはせながら応援していましたが、その時の私は知らなかったのです。小木田投手の自責点が0だということを。え、なんで？どういうこと？調べてみると【エラーで最初の打者が出塁、その後2アウトを取ったので、最初のエラーがなければ、3アウトチェンジの状況だったはず。だからその後から入った得点は、失点はつくけど、自責点はつかない】

へーそうなんや～！エラーが自責点にならないと分かっていたつもりでしたが、でも全然分かっていなかった私、恥ずかしっ。

自責点とは、読んで字のごとく、投手自らの責任で入ってしまった点数のことです。なので、自責点がゼロということは、記録上、小木田投手はこの回に4点を失ったけれど、それは彼の責任ではないよ、ということ。野球はチームプレーなのでチームの勝利が第一ですが、やはり個人の記録も大切です。なので少し救われた気がしてなんだかほっとしました。

と同時にこういう時いつも思うのです。
試合経過を見ていないのに、選手のことをあーだこーだ言うのは絶対にやめておこうと。
「どうしたん？○○えらい打たれてたやん。どっか調子悪いん？」と言われて「あ、結果しか見てないな」と思いながらグッと悔しさを堪えて苦笑いした経験があるのは、きっと私だけではないはず。
もちろん選手は言い訳なんてしませんし、結果が全てと言えばそれまでですが、ファンとしては過程も大事にして誰も責めたくないなぁと思うのです。

野球を見始めて中継ぎピッチャーというポジションに興味を持った時に、自動的に気になったのが、防御率や自責点といった様々な個人記録です。特に自責点は、ややこしくて分かりくくて『これいる？失点だけでええんちゃうん』と最初は思っていました。そして、私はこの自責点を悪者のように位置づけて「つくな！つけるな！」と毛嫌いしてしまっていたけれど、実は私、本当の意味も仕組みも今まで全然理解できていなかったかもしれない・・・。

マウンド上の投手についたりつかなかったりするのは、責任をなすりつけるためでは決してなく、投手同士も、野手と投手も、持ちつ持たれつお互い様だから気にしすぎないように、誰かにミスがあってもなるべく後に引きずらず、ギクシャクせずに気持ち良くチームプレーできるような、そういう仕組みになっているのかも。ただの記録のように見えて、選手だけではなくファンの気持ちの潤滑油にもなっているのかも。現に今回私の気持ちを少し和ませてくれたし。ちょっと待って、そこまで想定してつくられた仕組みだとしたら考えた人、天才やん！知らんけど(笑)

もし自責点のこの仕組みがなくて失点だけが個人記録に残るとしたら、必然的にマウンド上の投手一人にかかる責任が今よりもっと重くなってしまいます。
その状況で私が投手だったら、エラーされた時に腹を立てずにいられる自信は全くないし、逆に野手だったら、投手への申し訳なさで気持ちが押し潰されて、そこからのプレーに支障をきたしてしまいそうです。

あ、これは凡人の私の狭い心で想像しているので、全くの見当違いだったらすみません。プロの選手が心身ともに凄いことは百も承知です。

とにかく、今まで「悪」だとしか思っていなかった"自責点"という記録が、少しだけ優しさをまとったやわらかな印象に変わりました。
もちろん、付かないでとほしいと願う気持ちに変わりはないですが・・・。

さて、話は試合に戻ります。
ってまだ2回表までしか進んでない(汗)ここから一気にいきます！

その後すぐさま2回裏にレアンドロ・セデーニョ選手と野口智哉選手のホームランで3点を返し接戦に。そして3回から継投に入り、本田仁海投手→山岡泰輔投手→比嘉幹貴投手→宇田川優希投手→平野佳寿投手と繋いで9回までを見事無失点に抑えます。
打っては7回裏、攻守そしてヒーローインタビューでのトークも絶好調の紅林弘太郎選手のタイムリーで同点に追い付き、延長も覚悟した9回裏1アウトから若月健矢選手のサヨナラホームランで劇的な勝利ー！！

延長に備えて集中して肩をつくっていた阿部翔太投手が、突然のすごい盛り上がりに思わず客席に向かって「え、入った？ホームラン！？よっしゃー！」と、チャームポイントのエクボが離れた席からでもはっきりと見えるほどの満面の笑み！待って、眩しすぎるわ！アベチャン！

ブルペンシート席、ホームベース付近は少し見えにくいですが、サヨナラゲームの時のブルペンとの一体感はまじでエグい。興奮しすぎてちょっと記憶とんでるもん(笑)
ていうか今年は僅差&サヨナラゲーム多すぎません！？心臓が持たんわ、でも最高かよ！！

まだまだたくさんの気づきと学びがあった2日間でしたが、
長くなりそうなので続きはまた今度。

あ、最後にもうひとつだけ。。。

私も一度だけ舞台衣装を忘れてしまったことがあって、気づいたのが出番30分前。 (さぁ着替えようと思ったら、ない！うそやーん！)と、ほぼ同じ経験をしたことがあったので、山岡投手が焦ったことは今思い出しても汗が吹き出るぐらい分かります。
翌日はサイズぴったりのご自身のユニフォームで今季待望の2勝目！
いつも本当に頼りにしています。

清田さんのユニフォームで肩をつくる山岡投手

ほっともっとフィールド神戸、一軍の次の試合は9月ですが、ウエスタンリーグの試合が8月4日(金)・5日(土)・6日(日)の三日間開催されます。花火もあるそうなので、皆さんぜひです。ファームもめちゃくちゃ熱いこと間違いなしです！

文：石原 祐美子（チキチキジョニー）