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野球 コラム 2023年7月13日

中野拓夢、杉本裕太郎、福永裕基、宮崎敏郎。ドラフト下位指名からプロ野球で活躍した都市対抗野球出身の選手たち

野球好きコラム by 大島 和人
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昨年優勝のENEOS

社会人野球は「人材の宝庫」だ。第94回都市対抗野球大会の出場選手には2023年10月26日のプロ野球ドラフト会議で、上位指名を受ける選手もいるだろう。ただし、今まで社会人からプロに進んだ選手たちを見ると、高い評価を受けていなかったにも関わらず、プロで大成功した選手が目につく。

社会人野球はプロ野球のスカウトにとって、オトクなカテゴリーと言っていい。今回は都市対抗の「卒業生」から「下位指名で成功した野手」を紹介したい。なお、社会人野球の選手は育成ドラフトの指名対象から外れるため、全員が支配下登録枠の指名だ。

中野拓夢(三菱自動車岡崎→阪神タイガース)は社会人2年目、2020年のドラフト会議で6位指名を受けた。守備、走塁のレベルは間違いなく高かったし、171センチと小柄な割には強く振れる打者でもあった。ただ、決して社会人球界でも目玉的な存在ではなく、プロ入りの当落線上に相当する選手だった。

そんな彼がプロ1年目からショートのレギュラーとなり、新人王を獲得。期待された守備、30盗塁(失敗わずか2個)で盗塁王に輝いた走塁に加えて、打撃も打率.273と十分な数字を残した。今春のWBCは7試合中5試合に出場し、世界一も経験している。今季は二塁へ転向し、やはり社会人球界出身の木浪聖也と二遊間を組み、先日は3年連続のファン投票によるオールスターファン選出も決まった。

杉本裕太郎(JR西日本→オリックス・バファローズ)は2016年のドラフト10位だった。何と「88人中87人目」の指名からプロ入りしている。青山学院大学時代から体格に恵まれ、アスリート性の高かった「ラオウ」だが、NPBでのブレイクは30歳で迎えた2021年シーズン。それまでほとんど実績のなかった彼は32本塁打を放ち本塁打王、ベストナインとなり、オリックスのパ・リーグ制覇に貢献した。プロ入り後の鍛練、技術的な成長が生んだ成功ではあるが、社会人野球には強烈な人材が埋もれているという実例でもある。

第94回 都市対抗野球大会

【俺たちの都市対抗】オリックス・阿部翔太選手インタビュー

福永裕基(日本新薬→中日ドラゴンズ)は2022年のドラフトで7位指名を受け、プロ入りした選手。7位とはいえ各球団が育成枠の指名を増やしている昨今なので、支配下選手としては12球団の「最下位指名」だった。しかし、1年目の今季は開幕スタメン出場を果たし、二塁のレギュラーを掴んでいる。

右の巧打者で、内野の守備も悪くなかったが、突出した存在だったと言われれば違う。指名当時26歳、入社4年目だった彼の指名は、日本新薬の臨時コーチを務めた宮本慎也氏の推薦があったと聞いている。

宮崎敏郎(セガサミー→横浜DeNAベイスターズ)は2023年夏のプロ野球で、首位打者争いを独走中だ。社会人時代から圧倒的な打撃技術を見せていたが、2012年の指名順位は6位だった。守備、走塁も悪くはなかったが「売りになる」ほどではなく、身長も172センチとプロから見れば小柄。そんな部分が指名順位を下げたのだろう。ただ、その彼が5年目には首位打者に輝き、ベイスターズにとって欠かせない存在になっている。

ギリギリの順位でプロ入りした彼らがプロで躍動する姿は、社会人野球、都市対抗野球の「奥の深さ」を強く感じさせるものだ。今大会の出場選手にもそうやって下位指名からブレイクを見せる選手がいるのかもしれない。

文:大島和人

大島 和人

大島 和人

1976年神奈川県で出生。育ちは埼玉で現在は東京都町田市に居住。早稲田大学在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れた。卒業後は損害保険会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。現在はサッカーやバスケ、アマチュア野球など多彩なボールゲームの現場に足を運んでいる。Twitter(@augustoparty

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