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野球 コラム 2023年7月10日

都市対抗野球大会、連覇を目指すENEOSに日本通運、トヨタ自動車、NTT西日本が優勝候補

野球好きコラム by 大島 和人
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前回優勝のENEOS

社会人野球の最高峰「第94回都市対抗野球大会」は32チームが参加して、7月14日(金)に開幕する。決勝戦は25日(火)の予定だ。

昨年の第93回大会はENEOS(横浜市)が9年ぶり12度目の優勝を飾った。直近10年の優勝チームを見ると東京2度、南関東2チーム、西関東2度、東海2度、近畿2度と各地区に「分散」している。ENEOS(当時はJX-ENEOS)は第83回大会、84回大会と連覇を果たしているものの、社会人野球はチームごとの実力の接近したカテゴリー。率直に言って優勝予想は難しい。

ただ、「優勝のポイント」は明快に指摘できる。単純に優勝を勝ち取るためには1回戦から5勝する必要がある。1回戦が大会6日目に組まれているチームならば、7日間で5勝しないと黒獅子旗にたどり着けない。となれば「エース級」の好投手が最低でも2人いることは必須条件だろう。2イニング、3イニングをきっちり抑えられるリリーフがいればなお良い。

そんな条件を満たすチームをひとつ挙げるならば、日本通運(さいたま市)だ。南関東2次予選は3試合3失点で第1代表の座をつかんだが、先発は3試合とも違う投手だった。1回戦に先発した古田島成龍、決勝に先発した川船龍星はいずれも大卒2年目の若手で、最速150キロ台の速球を持つ本格派右腕。秋のドラフト候補としても注目される存在だ。

他にもベテラン左腕・相馬和磨、2年目の左腕・平元銀次郎など投手陣の厚みは出場チームの中でも随一だろう。打線も捕手の木南了、外野手の北川利生、ショート添田真海など、実力者が揃っている。さらに今大会は強豪・JFE東日本から内野手2人(小松勇輝、平山快)を補強している。勝負は水ものとはいえ、26年ぶりの優勝に向けて陣容は揃った。

優勝のポイントをもう1つ挙げると、それは「補強選手」だ。例えば、日本製鉄かずさマジックの右サイドハンド橘朋晃は第90回大会にJFE東日本、第91回大会はHondaの補強選手として『個人連覇』を達成している。中継ぎ投手、内野という具合にそれぞれのチームが「アップグレード」したいポジションに人材を呼び込めるのだから、活用のしがいが大きい。そして東京、東海、近畿など競争が厳しい地区ほど補強の選択肢は多く、本大会で有利になる。

第94回 都市対抗野球大会

【俺たちの都市対抗】オリックス・阿部翔太選手インタビュー

NTT西日本

近畿第1代表のNTT西日本(大阪市)は大阪ガスから2名(峰下智弘、三井健右)、日本新薬から1名(若林将平)、計3名の野手を補強した。泉口友汰、徳丸天晴、藤井健平と元々人材抱負なところに、よりすぐりの3名が加わるのだから、これは強烈だ。2次予選はベテラン右腕・濱崎浩太、新人左腕・伊原陵人が好投していて、田村孝之介、大江克哉とリリーフ陣も揃っている。投手陣には不安がないからこその補強戦略だろう。

昨年11月の日本選手権を制した、東海第1代表のトヨタ自動車(豊田市)も間違いなく優勝候補の一角だ。東海2次予選も先発陣は2年目の右腕・松本健吾、新人左腕・増居翔太、嘉陽宗一郎がいずれも好投した。松本は昨年の日本選手権で152キロを計測し、パナソニックから1安打完封勝利を挙げている。また、リリーフ陣も渕上佳輝、大ベテラン佐竹功年と強力だ。トヨタの投手陣も「厚み」については文句のつけようがない。

トヨタ自動車

また、正捕手の福井章吾は大阪桐蔭高校、慶應義塾大学でいずれも最終学年にキャプテンとして日本一を経験している24歳。彼の存在も力になるだろう。さらに東海第1代表としてよりすぐりの補強選手を3人(森田駿哉、中川拓紀、橋本恭太朗)揃えているのだから、間違いなく手強い。

昨年のチャンピオンENEOS(横浜市)は予選免除だったため、補強選手を使えないハンデがある。とはいえ名将・大久保秀昭の手腕、社会人ナンバーワン野手・度会隆輝の存在など、強みは明らかだ。投手陣も関根智輝、加藤三範と左右の2枚看板がいて、リリーフに柏原史陽らが控える陣容。2012年、13年と大久保監督のもとで都市対抗を連覇したチームが、10年後に栄光を再現する可能性は十分にある。

文:大島和人

大島 和人

大島 和人

1976年神奈川県で出生。育ちは埼玉で現在は東京都町田市に居住。早稲田大学在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れた。卒業後は損害保険会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。現在はサッカーやバスケ、アマチュア野球など多彩なボールゲームの現場に足を運んでいる。Twitter(@augustoparty

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