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野球 コラム 2023年6月30日

異次元の活躍で唯一無二となりつつある二刀流

野球好きコラム by 山田 結軌
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二刀流として日々進化するエンゼルスの大谷翔平投手

投げるたびに、そして打つたびに記録を作っている。エンゼルスの大谷翔平投手(28)は6月27日にホワイトソックス戦に「2番・投手兼DH」で出場し、まさに記録づくめの活躍だった。

投手として6回1/3を投げ、4安打1失点、10三振の好投で7勝目を挙げた。打っては27&28号ソロを含む3打数3安打2打点、さらに1四球を選び、4|2の勝利に貢献した。

「ピッチングもそこそこ良かったので、今年は打席もいい内容が多いですし、(登板日は)いい打席を多く送れているなと思ってます」

チームの2連勝に第貢献した試合後、場内のヒーローインタビューにはそう喜びを語った。
 記録について米メディアからの情報をまとめると…。
 1、10三振&3安打を同一シーズン2度のマークは1900年の近代野球史上で初
 2、10三振2本塁打は史上6人目でア・リーグに限れば、60年ぶり
 3、4度以上の出塁、2本塁打以上、10三振以上は133年ぶり(1890年6月10日、ジャック・スティベッツ=セントルイス・ブラウンズ=以来)
 4、シーズン6度目の10三振以上は、メジャー最多タイ(ガウスマン=ブルージェイズ=に並ぶ)

日々、異次元の活躍をみせる二刀流。6月28日時点でシーズンは82試合を消化し、162試合を折り返した。この間、大谷が欠場したのは2試合のみ。休養日の打診を断り、フィールドに立ち続けている。メジャー6年目で初めてのポストシーズン進出へ大いなる期待感を持って、前半戦を終えようとしている。

昨季は5月後半から、球団ワースト記録の14連敗を喫し、早々にポストシーズン争いから脱落した。ベストを尽くす日々は当然だが、目の前の1勝が順位の変動にあまり意味をなさない状況でモチベーションを高く維持し続ける難しさも思い知った。

一方で自身の投打でのレベルアップは、着々と進めてきた。昨季の最終戦では2022年での打撃のテーマを「打率の部分で3割近く打てるようなイメージでシーズン前は行こうと思っていた。その中でホームランがどれだけ出るのか」と明かしていた。今季はまさに打率3割をクリアし、本塁打王を狙える好成績を挙げている。

投手としては、スイーパーを多投しながら、登板によってはカットボールを軸にするなどゲームメークのパターンを複数持ち合わせている。二刀流として肉体的にも技術的にも進化を遂げ、全盛期を過ごしている。世界一の野球選手への道を歩みながら唯一無二の存在になろうとしている。

(文・山田結軌=サンケイスポーツMLB担当)

山田結軌(やまだ・ゆうき)

山田 結軌

1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツには2007年4月入社。阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。

Twitter
@YamadaSANSPO

Instagram
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