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野球 コラム 2023年6月27日

あきらめない男、筒香嘉智は新天地を求めて

野球好きコラム by 山田 結軌
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筒香は新天地を求めてレンジャーズを退団した

気温40度に迫る猛暑の中で連日、汗を流していた。そこにいる多くが20代の選手たちとともに、早出で守備練習をこなしている。筒香嘉智内野手(31)だ。メジャー昇格を目指し、状態を上げている最中、ある決断を下した。

筒香は、レンジャーズより、他の29球団の方がメジャー昇格する可能性が高い、と踏んで権利の行使に踏み切ったとみられる。ア・リーグ西地区で首位を快走し、打線・攻撃力も充実。野手のテコ入れの必要性は低い。さらに、マイナーでも来季以降を見据え、若手選手や経験の浅い選手に出場機会を多く与える方針にシフトしていく。これらの状況を代理人らと分析し、このタイミングで新天地を探すことを決めた。

所属していたレンジャーズ傘下3A、ラウンドロックを退団。オプトアウトという契約破棄条項を行使した。一般的にメジャー経験があり、マイナー契約で春季キャンプに「メジャー招待選手」として参加する選手には、メジャー登録されなかった場合、開幕前とシーズン中のどこかでオプトアウトできる権利が契約に付帯する。

マイナーではここまで一塁、三塁、DHで出場しながら打率・249、6本塁打、33打点、OPS・812の成績を残している。6月は、月間打率・300と状態を上げ、14日のエルパソ(パドレス3A)戦からは、3試合連続で本塁打を放つなど上り調子だった。日本球界からも去就について調査を受ける中、これまでの筒香の言動、行動から米球界でのプレー続行を第一希望として新たな契約先を求めるのではないだろうか。

「ここ最近では(打撃の感覚が)一番いいですね。(以前には)いろんな力みがあって、体が止まっている感じがあった。野手の入れ替えがないのは分かっている。そこを僕がコントロールできないので、やれることをやっていく、というだけですね」

6月のある日、試合後に現状をたずねると落ち着いた表情でそのように答えた。今後、米球界でマイナー契約を含むオファーがあるとすれば、一塁とDH、左翼が手薄でさらにマイナーからの即時の昇格が見込めない戦力編成の球団から。あるいは、来季以降の戦力として筒香の潜在能力を評価しながら“テスト”の意味合いを与えることを考える球団だ。

ある球団の編成担当者は次のようにマイナー選手を視察する際のチェックポイントを挙げる。
「目先のヒットを打った、打たないだけではなく、自分の弱点を理解し、相手バッテリーの攻め方を理解していること。その上でその配球にどういうアプローチをしているか。編成の人間は、結果だけではなく、それらの要素を見ています」

そう遠くない未来に新たな移籍先がみつかる…はず。ここからは、代理人に任せるしかなく、筒香としては待つのみ。そして、納得してプレーできる環境が1日も早く整うことを願いたい。

(文・山田結軌=サンケイスポーツMLB担当)

山田結軌(やまだ・ゆうき)

山田 結軌

1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツには2007年4月入社。阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。

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@YamadaSANSPO

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