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野球 コラム 2023年5月26日

ダルビッシュの心づかいとおもてなし

野球好きコラム by 山田 結軌
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ダルビッシュは吉田正尚と18分間も談笑した

1カ月ぶりにパドレスのダルビッシュ有投手(36)の取材に訪れたときのことだ。今季初めてサンディエゴに出張し、クラブハウスがメディアに開放される時間とともに入室すると、すでに試合用のユニホームを着用した背番号11の姿が。登板間でブルペン投球の日に“正装”して臨むのがルーティーンだ。

久しぶりに顏を合わせ、あいさつをすると「これ、使いますか?」と一緒に居合わせた他社の記者も含めて、アイマスクをプレゼントしてくれた。「記者さんも移動、多いですもんね。飛行機の中では、眠れますか?これ、みんなに評判いいのでよければどうぞ」。ダルビッシュが監修するサプリメントのオンラインストア「Yutrition」の商品だった。飛行機移動のときなどに選手たちが少しでもいい仮眠ができるためのアイテム。パドレスのチームメートに配っているようだ。チームの中心的な存在でもある米球界12年目。自分のことだけではなく、周囲への気づかい、心づかいをダルビッシュは持ち合わせている。

それは敵味方も関係ないときがある。5月19日から、3連戦で対戦したレッドソックスには侍ジャパンでチームメートだった吉田正尚外野手(29)がいる。ナイトゲームの2試合、試合前に日本食のお弁当が配達されたそうだ。吉田によれば「日本人スタッフの方の分もお弁当をいただいた」と通訳、トレーナーらにも届けられた。ダルビッシュなりのおもてなしをして、日本の選手や関係者を迎えている。昨年には鈴木誠也外野手(28)の所属するカブスが遠征にきたときも同様に日本食の弁当を手配していた。

侍ジャパンに加入し、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の期間は、各種のメディアでダルビッシュが年下の選手たちに自らの経験を伝える“先生役”を務めていたことは広く知れ渡った。日本ハム時代から、海を渡っても背番号11に憧れた現役選手は多い。

その1人でもあるツインズの前田健太投手(35)には、右肘のトミー・ジョン手術を受ける前後でたびたび助言を求められ、それに応じてきた。

「自分がやっていたこと、さらに今現在、研究されていることを加味してこういうふうにするのがいいと思う、と話をしました」
例えば、リハビリ期間での体重の増量と体脂肪の適切な数値などについてアドバイスした。「食事量を多くして体重増ばかりを気にするのではなく、体脂肪もしっかり管理して、と伝えました」という。さらに続けて

「僕の理想は20%以下。体脂肪は12%以上で18%未満がいい。(体脂肪が試合中の)エネルギーになったり、関節の保護にもなる」
自らも手術を経験し、リハビリを経て、復活した。体調不良などもあり、苦しい時期も乗り越えた貴重なプロセスがある。後輩には最適解に“なるべく最短でたどり着けるように”との親心ならぬ“アニキ心”があるのかもしれない。

今季からパドレスとは42歳シーズンとなる2028年まで6年契約の延長を結んでいる。自らもさらなる成長を期しながら、知識と経験を惜しみなく伝えていくことだろう。

(文・山田結軌=サンケイスポーツMLB担当)

山田結軌(やまだ・ゆうき)

山田 結軌

1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツには2007年4月入社。阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。

Twitter
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