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野球 コラム 2023年5月10日

【横浜好き】5月1週目、主力選手が週間打率3割超え。週間MVPは完全復調が見えてきた佐野恵太。『週刊ベイスターズいいとこどり』

野球好きコラム by 大久保泰伸
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横浜DeNAベイスターズ

バウアー初見参でハマスタ史上最多の観客動員となった広島との3連戦、2日間で28得点、10本塁打と打線爆発の神宮でのヤクルト戦。いろいろな意味でド派手だったゴールデンウィーク、首位を快走するチームの1週間を振り返っていきましょう。

連日3万3000人を超える『満員札止め』となった広島との3連戦は、投手陣が奮闘。先発投手で勝ち負けが付いたのは、ウワサの『サイ・ヤング賞右腕』バウアーだけだったが、初戦のガゼルマンが6回1失点、5月4日の石田健大も5回2失点とゲームメイクは果たした。

3万3202人と記録更新した3日に先発したバウアーは、レッズ時代の同僚であるデビッドソンに特大の一発を浴びたが、以後は落差の大きいナックルカーブやチェンジアップなど、多彩な変化球を駆使して7回1失点で来日初登板初勝利をマークした。

リリーフ陣は伊勢大夢ウェンデルケンがそれぞれ2試合に登板して無失点。サヨナラ勝ちした4日は三嶋一輝入江大生が1イニングを無失点に抑え、9回に登板した森原康平が移籍後初勝利をマークした。

打撃陣は、関根大気が2日に同点、3日は貴重な追加点と連日のタイムリー。3日に気迫のヘッドスライディングで同点打の桑原将志は4日にソロ本塁打、外野守備でもファインプレー連発で勝利に貢献した。4日は桑原の一発の後、2死から京田陽太が安打、盗塁の後に代打・大和のタイムリーで同点に追いつき、9回の宮崎敏郎のサヨナラ弾につなげた。

神宮に乗り込んでのヤクルト戦は連日、ノーガードの打ち合いとなった。13安打9得点の5日は、佐野恵太が先制ソロから2打席連続、ソトが今季初、京田が移籍後初、牧秀悟も特大の一発で5本塁打の猛攻。桑原と大和もマルチ安打を記録した。

20安打17得点の6日もプレイボール直後の初球、佐野の自身初となる先頭打者本塁打を皮切りに、戸柱恭孝の2ラン、宮崎がソロと2ラン、牧はグランドスラムと、この日も5本塁打でヤクルトを圧倒した。シーズン成績では宮崎の7本塁打、牧の18打点が、いずれもリーグトップに並ぶ数字となった。

投手陣は5日に今季初失点を喫した今永昇太が5回4失点、6日の濱口遥大も3回途中4失点と、先発陣が今ひとつの内容。リリーフ陣も伊勢大夢が5日に登板14試合目で今季初失点、エスコバーは1死も取れず3失点、山崎康晃がサヨナラ被弾で2日に続いて2敗目と暗い話題が多い中、6日に2番手で登板して1回1/3を1失点(自責点0)に抑えた上茶谷大河が今季初勝利をマークした。

*****

週間成績を見ると、レギュラークラスの野手が軒並み打率3割超えとなっています。最高打率は桑原で、5試合の週間打率が.550。牧が同.364で続き、宮崎が同.357、佐野が同.350、関根も同.333、4試合スタメンの京田が同.313、4試合出場で2試合スタメンの楠本泰史が同.333、3試合出場で2試合スタメンのソトは同.429と、神宮での歴史的猛打も納得というところです。

投手陣は前述の先発陣に加え、先週は11人がリリーフ登板。最多登板は3試合の伊勢とウェンデルケンで、伊勢は週間防御率3.00で3H、ウェンデルケンは同0.00で2ホールドをマーク。もう1人、3試合登板の山崎は2敗1Sで同31.50、2回0/3の投球で被安打8、被本塁打2と散々な成績となってしまいました。2試合登板で同0.00は三嶋と上茶谷の2人で、三嶋は2ホールド、上茶谷は1勝を挙げています。

5月1週目の週間MVPは、投手は評判通りの投球を見せたバウアーでいいのではないでしょうか。難しいのが野手で、サヨナラ弾を含む3本塁打4 打点の宮崎か、5試合中4試合で安打を放ち、うち3試合でマルチ安打を記録した牧か。

さらに高打率に加えてOPS1.471をマークしている桑原もいます。OPSで言えば、ソトも3試合ながら1.636を記録しており、候補は5指に余る状況ですが、3試合でマルチ安打など3本塁打7打点、1番打者として出塁率.480と完全復調が見えてきた佐野を選出したいと思います。

文:大久保泰伸

大久保泰伸

フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。

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