【横浜好き】4連敗のち4連勝。週刊MVPは打率.433、3本塁打、9打点の宮崎敏郎。『週刊ベイスターズいいとこどり』

横浜DeNAベイスターズ

『横浜頂戦』のシーズンがスタートしました。開幕から連勝連敗がトレンドとなっている今季のプロ野球。ベイスターズもその流れに乗り、8試合で4勝4敗と勝率5割のスタートとなりました。今季もまた『いいとこ』を探していきたいと思いますが、今年から少し趣向を変えて、カード別の『いいとこ』に加えて、数字に基づいた週間MVPも選出したいと思います。

まさかの3連敗スタートとなった阪神との開幕カードは、宮崎敏郎が3戦連続タイムリーと絶好調。青柳晃洋対策として、左打者8人を先発オーダーに並べた開幕戦に途中出場で2打席連続タイムリーを放つと、翌日は今季1号となるソロ本塁打など、3試合で12打数5安打5打点と、連敗したチームで1人、気を吐いた。

注目の内野争いでは、1日の第2戦で森敬斗がタイムリーを放ち、2日は京田陽太が守備で好プレーと、それぞれが持ち味を発揮した。投手陣では、先発3投手がいずれも5回持たずに降板した中、開幕ローテを逃した上茶谷大河が31日に3番手として登板して2回無失点、移籍2年目の森原康平が2試合連続無失点でホールド、難病から復帰した三嶋一輝も2試合無失点と好投した。

佐野恵太が宙を舞い、歴代監督のセレモニアルピッチなど、連日豪華なイベントがあった地元開幕カードは、巨人に2勝1敗で勝ち越し。4日の第1戦は完封負けで開幕4連敗となったが、WBC帰りの影響が心配される牧秀悟が3安打で今季初の猛打賞を記録した。

今季初勝利から連勝の原動力となったのが、同級生の先発コンビの快投。5日はトミー・ジョン手術から復帰した平良拳太郎が6回無失点で自身888日ぶりとなる勝利。6日は昨季開幕投手を務めながら1勝に終わった東克樹が、7回無失点に先制点となるセフティースクイズと、投打で勝利に貢献した。攻撃陣は、今季初のスタメン3番となった宮崎が、5日に本塁打など全得点を叩き出す活躍。6日は楠本泰史が、7回に代打で登場して自身15打席目で今季初安打となるダメ押しの3ラン本塁打を放った。

雨天中止の後、ハマスタ史上最多観客を集めた週末の中日戦は、投打が噛み合って連勝。8日の第1戦では、3戦連続でスタメン出場となった関根大気が、貴重なダメ押し点となるスクイズ（記録は内野安打）など4打席4安打の活躍。このカードでも本塁打など、2試合連続打点の宮崎は三塁線の打球を逆シングルで好捕するなど守備でも魅せた。1番に入った佐野は、8日に2安打、9日は本塁打を含む3安打猛打賞をマークした。

投手陣は、8日に先発のガゼルマンが7回途中1失点＆同点タイムリーと二刀流の活躍。第2戦の石田健大は6回無失点で開幕戦のリベンジを果たした。リリーフ陣では、9日に三嶋が自身340日ぶりとなるハマスタ登板で1回無失点。新外国人のウェンデルケンも1回を2奪三振のパーフェクト投球でデビューを飾った。

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ここからは数字で選ぶ開幕8試合のMVP。まず打撃部門では、打率トップは関根の.444ですがスタメンは5試合。レギュラー選手では宮崎が同.433で2位、3位は佐野で.364となっています。

宮崎は3本塁打、9打点と2部門のトップで、得点圏打率は.714。出塁率と長打率を合わせたOPSも1.369と、規定打席到達の選手ではダントツの数字を残しています。規定打席未満では、戸柱恭孝が打率.400、OPSは1.371と高い数字を残しており、打撃が課題と言われた移籍1年目の京田も打率.364をマークしています。

投手部門は、先発では東が7回、平良が6回を無失点でいずれも防御率0.00、1勝をマーク。開幕投手の石田は2試合で防御率2.70（1勝1敗）でした。奪三振数は東が8、平良が7、石田は7（2試合）と拮抗。5回4失点で負け投手となった濱口遥大も7奪三振を記録しています。

リリーフ陣は伊勢大夢が4試合で防御率0.00、3ホールドをマーク。山崎康晃は、1日の阪神戦で延長12回の登板でサヨナラ負けを喫していますが、4試合3回2/3に登板して2セーブ、防御率2.45。中継ぎでは入江大生が3試合で2ホールド、復活の三嶋が3試合で、いずれも防御率0.00。さらに森原が3試合、昨季途中に支配下登録された石川達也も2試合で、防御率0.00を記録しました。

投手陣では伊勢、山崎の勝ちパターン2人の奮闘が目立ちますが、やはり今期間のMVPは開幕から8試合連続安打、6試合で打点をマークした宮崎で文句のないところでしょう。

文：大久保泰伸