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野球 コラム 2023年3月31日

WBC優勝記者会見、3大会ぶり『世界一奪還』の裏にあったエピソード

野球好きコラム by J SPORTS 編集部
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帰国後に行われた侍ジャパンの優勝会見

「2023 WORLD BASEBALL CLASSIC」(以下WBC)で激闘の末、3大会ぶりに世界一を奪還した侍ジャパン。優勝の翌日に帰国した成田空港で行われた記者会見では、栗山監督を始め、コーチ、選手たちが喜びのコメントとともに、その舞台裏のエピソードを語ってくれた。

―― 成田空港にたくさんのファンが駆けつけてくれました。いかがでしたか?

◆栗山英樹監督:日本でたくさんの人が応援してくださったということを、空港に着いた時に感じました。選手たちががんばって勝ち切ってくれましたし、日本の皆さんの思いも力になりました。本当に感謝でいっぱいです。

―― ここにいる選手にどんな言葉を送りたいですか?

国際試合になると、どっちに転んでもいいような展開になる難しい試合の中で、選手たちが自分の役割をその場、その場でしっかりやり切ってくれました。素晴らしい試合でしたし、素晴らしいチームでした。本当に僕からは『ありがとう』という言葉しかないですが、野球ファン全員にも思いを込めて『ありがとう』と言いたいです。

ファンに感謝を伝える栗山英樹監督

―― 日本のファンの皆様にメッセージをいただけますか?

日本中が盛り上がってる感じは、我々にも伝わってきました。野球の面白さ、すごさ、怖さを選手たちが見せてくれました。そういったやりやすい環境を日本中で作ってくれたファンの皆さんにお礼を言いたいですし、これからもぜひ、野球のことをよろしくお願いします。本当にありがとうございました。

―― 今大会、選手を信じ続ける姿が印象に残っています

全ての選手に力がありますし、このメンバーでいこうと決めた時に、それは最初から決めていました。人に信じてもらって「頼むな!」といく方がいきやすいと僕は思ってるので、そういう感じです。

―― このメンバーで挑んで掴んだ世界一。満足のいく結果となりましたか?

もちろん、世界一という目標も大事ですが、日本中の人に野球の面白さやすごさを感じてもらえた。多分、この選手たちに憧れて、たくさんの子供たちが野球をやってくれると思います。

―― 宮崎合宿から世界一まで、チーム作りはどのように計画しましたか?

チーム作りというか、チームを作る時間はないと思っていました。今回、キャプテンを置かない形でしたが、これだけのメンバーなので、一番勝ちやすい形が絶対できると信じていました。それは最初から最後まで変わらなかったです。合宿に入ってからは選手同士が一緒に食事をしてくれたり、自然にいい形になっていったので、合宿が終わる頃には、そこの部分はすごく信頼がありました。

ティファニー製の優勝トロフィー。左が2006年、右が2009年、中央が今大会のもの

*****

また、栗山監督を支えた7名のコーチに、今大会で印象に残ったエピソードを語っている。

◆白井一幸 ヘッドコーチ

準決勝で村上宗隆選手がサヨナラヒットを打った場面。一塁代走の周東佑京選手がホームに戻ったわけですが、三塁コーチャーの私としては「回すか」「止めるか」、非常に難しい場面でしたが、選手全員、30人のランナーコーチャーがいましたので、何も臆することなく回すことができた。そしてサヨナラ勝ちができたことが一番印象に残るシーンです。

選手が触った指紋はあえて残してある(錆の原因になるので、そのうち消すとのこと)

◆吉村禎章 打撃コーチ

決勝戦で大谷君がリリーフとして最後に投げることを全く知らず、途中で「あれ、いなくなった」と思った時にブルペンに行ってると聞きました。なんとか最後、いい形で彼がマウンドに上がれたら最高だなと、ずっと思っていました。

◆吉井理人 投手コーチ

エピソードはたくさんありすぎて、どれとは言えないですが、メンバーを決めた時に優勝を確信していました。そして、その通りにみんなが力を出してくれたので、本当に素晴らしい選手たちだと思ってます。

左:準決勝、村上宗隆選手のフェンス直撃ボール、右:決勝ウイニングボール

◆城石憲之 内野守備・走塁兼作戦コーチ

エピソードというか忘れられない、一生忘れないだろう表情がありました。ムネ(村上宗隆)がサヨナラを打つ前に、栗山監督の言葉をムネに伝えに行った時、最初はムネに「何しに来た」「バントか」「代打か」みたいな顔をされたのですが、監督の「思い切って行って来い」という言葉を伝えた時のムネのスイッチの入った表情は一生忘れないと思います。

◆清水雅治 外野守備・走塁コーチ

2つあります。東京プールで岡本和真が走ってアウトになった場面。僕が横から大嘘を教えまして、エンドランだと言いました。本当申し訳なかったです。それともう1つは『たっちゃん』(ラーズ・ヌートバー)です。あそこまで彼がチームに溶け込むとは思っていなくて、実際は不安でしたが、彼が引っ張ってくれて、こういう形になったことにすごく感謝してます。

◆厚澤和幸 ブルペン担当コーチ

ブルペンを担当させていただいて、もう毎回毎回、エピソードみたいなイニングばっかりでした。準決勝以降、バリバリのメジャーリーガーに向かっていく、若いピッチャーの姿は本当に頼もしい限りでした。

心残りは準決勝、決勝と『宇田川ジャパン』の宇田川をマウンドに上げることはできなかったこと。(宇田川優希)『会長』がマウンドで活躍するところをお披露目できなかったのが、ちょっと残念でした。ただ、今回ブルペンを一番バックアップしてくれたのが『会長』で、彼にはゲームではないところで影で支えてもらって、本当に感謝したいと思います。

◆村田善則 バッテリーコーチ

今回はキャッチャー3人で、最初から「3人、みんなで優勝するよ」と話しをして臨んだのですが、ポジションが1つしかありませんから、なかなかみんなにたくさんの機会を与えれなかった。そんな中、準決勝はまさに3人で、全ての選手が出て、勝ち切って役割を全うしてくれたことが、私の中では一番印象残っています。

*****

侍ジャパンから各チームに戻った選手たちは短い準備期間で新シーズンの開幕に挑んでいく。ダルビッシュ有、大谷翔平、吉田正尚、ラーズ・ヌートバーはMLBで、そして、山本由伸、佐々木朗希、村上宗隆、牧秀悟らは日本で勇姿を見せてくれることだろう。

※会見での各選手のコメントはJ SPORTSオンデマンドでご覧いただきたい。

J SPORTS編集部

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