【広島好き】今季の投手陣の形をオープン戦の結果から探ってみた

広島東洋カープ

開幕まであと1週間を切りました。3月24日のソフトバンク戦では、開幕投手に確定している大瀬良大地が3回無失点、4奪三振と順調な仕上がりを見せ、さらに栗林がオープン戦初登板で1回無失点と、なんとか開幕に間に合いそうな状況となっています。

エース＆守護神には、なんとかメドがついた感もありますが、今季の投手陣はどんな形になるのか。オープン戦の結果を見ながら探っていきましょう（原稿は3月24日の試合までを反映）。

本来なら先発の柱となるはずの森下暢仁が、右肩の違和感で出遅れており、現時点で開幕ローテ確定と言えるのが、大瀬良の他に床田寛樹、九里亜蓮、遠藤淳志の4人でしょうか。故障明けから、今季こそ左腕エースに期待される床田は、17日のオリックス戦で先発して5回4失点。2回までに4失点と苦しい立ち上がりでしたが、3回以降は3イニング連続三者凡退と立ち直り、7奪三振と力強い投球を見せています（25日は3回5失点）。

19日の同カードでは、九里亜蓮が先発して7回1失点と好投。6回終了時点で90球を投げていましたが、本人が志願の続投で111球を投げ切り、新井貴浩監督からマツダスタジアム通算500勝目がかかった本拠地開幕戦の先発に指名されました。

21日のロッテ戦では、遠藤が7回を投げて2失点にまとめて開幕ローテ入りを確定させています。登板前までオープン戦3試合で無失点など、安定感抜群の投球を見せていた遠藤は、5回の失点が対外試合5試合で20イニング目の初失点となりましたが、防御率1.20の好内容で、4月5日の阪神戦の先発が濃厚と言われています。

残る先発枠の争いでは、18日のオリックス戦に先発した森翔平が、4回3安打2失点。前回登板のヤクルト戦では3回1失点も、5四死球と課題を残す中、今回も4回までに球数が90球に達して6四球と制球難を露呈し、開幕ローテ争いから脱落となりました。

15日の教育リーグ・中日戦で5回無失点と好投し、開幕ローテ確定を狙ったアンダーソンは、22日のロッテ戦で4回4失点と微妙な結果に終わっています。初回にいきなり3連打を浴び、わずか8球で失点するなど、立ち上がりの悪さを露呈。4回には本塁打で2失点と、安定感を欠く投球となってしまいました。

ローテ候補が決め手を欠く中、台風の目となりそうなのが、ドラフト3位ルーキーの益田武尚です。11日のヤクルト戦で先発して3イニングをパーフェクトに抑えるなど、ここまでオープン戦2試合で無失点と安定した内容で、カード3戦目の先発に抜擢される可能性もありそうです。その他にも、すでに開幕したウエスタン・リーグで先発している玉村昇悟や野村祐輔、今季から先発転向となったコルニエルらが、先発枠を争うことになりそうです。

昨季、セットアッパーとして覚醒した矢崎拓也が脇腹の故障で離脱中のリリーフ陣は、森浦大輔、中崎翔太、ケムナ誠の実績組に加えて、右肩の故障から復帰したアドゥワ誠と現役ドラフトで巨人から移籍した戸根千明が、チーム最多タイの6試合に登板しています。実績組の3人が数字的に今ひとつの中、戸根は防御率0.00（失点2）、アドゥワも同2.84と開幕一軍へ、アピールに成功しています。

さらに栗林が出遅れた場合のクローザー候補に名前が挙がったターリーが5試合を投げて防御率0.00、島内颯太郎が4試合で同2.25、松本竜也が同2.70と、昨年のブルペン勢が上々の仕上がりを見せる中、河野佳が5試合で防御率1.80、長谷部銀次も3試合で同0.00と、社会人ルーキー2人が即戦力の期待に違わぬ投球を見せています。

ここまでのオープン戦では、打撃不振が不安視されていますが、長いペナントレースで最後にモノを言うのはやはり投手力。誰が開幕一軍を勝ち取るのか、最後まで目が離せません。

文：大久保泰伸