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野球 コラム 2023年3月15日

【WBC現地レポート】WBC代表選手たちが語るチェコ共和国の野球事情

野球好きコラム by 松山 ようこ
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ムジーク外野手(左)、バブルシャ捕手(右)

その戦いぶりと人柄で話題をさらったチェコ共和国代表。着実に力をつけてきたものの、チェコ本国では「試合時間が長い」「ルールが良くわからない」と野球は不人気という。そもそも歴史的にも冷戦期に翻弄され、自由に野球ができるようになったのは1990年代以降と最近のこと。

そうした時代の余波もあって、野球に携わってきたチェコ人は小さな国の小さなコミュニティとなっている。親兄弟の影響ではじめ、幼い頃から一緒にプレーしてきた選手も多い。

ダニエル・バブルシャ捕手

そんな話を教えてくれたのが、捕手のダニエル・バブルシャ選手。彼も父の影響で野球をはじめたといい、父はコーチもしてきたという。野球用具をアメリカなどから輸入して、ヨーロッパやチェコ国内に流通させる仕事をしているというパブルシャは、「僕が生まれた時は、すでに野球はできる環境だったし、今の職場にはフィールドがあるから、練習もできて恵まれている」とニコニコと語る。

「父の時代はいろいろあったみたいです。グローブを輸入した時も、チェコの税関が『グローブが1つしかない』と通さなかったんです。グローブは何でもペアだと思っていたんですよ」と笑う。

今大会に出場して身の回りに起きた変化を尋ねると、「たくさん露出してもらえたから、多くの人に知ってもらうことができた。長年ずっと連絡を取っていない友人や知人からも、たくさんメッセージが来たんだ。ただ、僕はSNSはFacebookのグループをチェックするだけ。時間がいくらあっても足りなくなるからね」。

穏やかな表情と語り口ながら、少しでも時間を野球に有効活用したという情熱が感じられた。WBCでの経験を「最後の1分1秒まで楽しむ」と明かし、東京ドームの規模に圧倒されながらも、「母国には1000人や2000人規模の美しい屋外球場があるんだ」と誇らしげに語っていたのも印象的だった。どこまでも地に足がついた大人な野球少年なのだ。

マルティン・ムジーク外野手

東京ドームの大きさと応援を「すばらしい。楽しくてたまらない」と明かしていたのが、歴史的初勝利をあげた中国戦で9回に逆転3ランを放った外野手のマルティン・ムジーク選手。

2023 WORLD BASEBALL CLASSIC

【ハイライト動画】中国 vs. チェコ共和国

彼は球場のグラウンドキーパーとして、毎日8時から5時ぐらいまで働くが、「すぐに練習できるし、チームメイトが上司だから国際大会で休むことにも理解があるので幸運」だと話し、さらに日本への感謝を語る。

「日本のファンが自然と応援してくれるようになって最高の気分だった。それに大谷(翔平)とは2012年のU18 ワールドカップで対戦したから、これで2度目なんだけれど話ができたし、大スターになっていてうれしかった」。

ムジークは3ランを打った直後、地元の街『チェスケー・ブジェヨヴィツェ』の友人・知人から350ものメッセージが届いて驚いたという。それだけでなく、日本人からもたくさんの応援コメントをもらったそうで、「本当に特別な経験をさせてもらった。また必ず戻ってきたい」と国際大会への思い入れを語っていた。

文/取材:松山ようこ

松山ようこ

松山 ようこ

フリーランス翻訳者・ライター。スポーツやエンターテイメント関連コンテンツの字幕翻訳をはじめ、Webコンテンツ、関連ニュース、企業資料などの翻訳や制作を請け負う。J SPORTSでは、主にMLBや侍ジャパンのほか、2015シーズンより楽天イーグルスを取材し、コラムやインタビュー記事を担当。野球の他にも、幅広くスポーツ選手はじめ著名人を取材。Twitter @yokobooboo

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