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野球 コラム 2023年2月16日

【広島好き】日南の1次キャンプが終了、一軍キャンプで沖縄に行く選手、二軍に残る選手

野球好きコラム by 大久保泰伸
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広島東洋カープ

日南一次キャンプが終了し、一軍メンバーは沖縄に移動しました。社会人ルーキーの3投手や高卒2年目の田村俊介が初参加となった一方で、二俣翔一や育成の木下元秀など注目を集めた若手が、残念ながら二軍降格となっています。今季最初の分岐点とも言えるメンバー振り分け、それぞれ悲喜こもごもがあったようです。

まずはリーグ3連覇時の主力ながら、近年は不振が続く投打の2人から。一軍スタートの田中広輔は順調に沖縄行きを決めていますが、二軍で調整していた野村祐輔は宮崎に残ることになりました。

1年目から梵英心に代わって遊撃の定位置を奪い、リーグ3連覇時には3年連続全試合出場で635試合連続フルイニング出場も記録した田中ですが、酷使を続けた右膝の手術で2019年から出場試合数が減少。昨季はプロ入り後ワーストとなる41試合出場に終わりました。

契約更改では1億円以上のダウン(金額は推定)となり、小園海斗や矢野雅哉など若手の台頭で苦しい立場ですが、球団OBで名遊撃手だった高橋慶彦氏が自身のYouTubeチャンネルで「サビを落とせば復活できる」と名前を挙げています。日南キャンプでは、新井貴浩監督が元阪神で評論家の鳥谷敬氏を交えて3人で会話をするなど、ベテランの再生が期待されています。

一方の野村は、1年目から防御率1.98をマークして新人王、2016年にはキャリアハイの16勝(3敗)で最多勝、最高勝率に輝き、MLB移籍した前田健太に代わるエースとしてチーム25年ぶりとなるリーグ優勝の立役者となりました。

その後も先発ローテの一員として、昨季までデビュー以来の先発登板記録(202試合)を継続していますが、近年は故障もあり2021年はプロ入り後初の未勝利、昨季も2勝のみと不振が続いています。

投手陣のみならず、チームでも年長に近い年齢となった今季は、昨年に続いて春季キャンプは二軍スタート。東光寺では同じく二軍の會澤翼を相手にブルペン入りするなど地道な調整を続けていました。しかし、今回の入れ替えで會澤が一軍に合流したのに対して、沖縄行きのメンバーに野村の名前はありませんでした。

新監督が注目した若手2人も紅白戦で結果が出せず、二軍降格が決まりました。日南一次キャンプで期待の若手枠の代表格だった二俣は実戦が少なく、主力が本格的に始動する沖縄よりも、二軍での試合出場重視で降格となりました。木下は指揮官から「声出し要員」として注目されましたが、まだ背番号は3ケタの育成選手で沖縄行きはなりませんでした。

2人に代わって、沖縄での期待の若手枠となったのが田村と持丸泰輝です。田村は昨季も春季キャンプの紅白戦で、遠藤淳志からフェンス直撃の二塁打を放って注目されましたが、今年もまた遠藤から技ありの安打を放つなど、高い打撃センスは新監督も絶賛しています。

持丸は昨季途中に育成から支配下登録され、すぐに一軍昇格してスタメンマスクも任されました。今年は二軍スタートでしたが、一次キャンプで一軍だった磯村嘉孝が左ふくらはぎ痛で離脱となり、持丸にとっては開幕一軍へチャンスが訪れたと言えるでしょう。

若手では、沖縄メンバーの中に投手でアドゥワ誠、野手では韮澤雄也の名前がありました。アドゥワは高卒2年目の2018年にリリーフで53試合に登板して3連覇の一員になりましたが、右肘手術など故障に苦しみ、最近3年間は一軍登板がありませんでした。今キャンプでは、右肘をやや下げたフォームに変わっていますが、持ち味の動く球でゴロを打たせる投球は健在で、新監督の目に留まりました。

韮澤は高卒3年目の昨季、コロナ禍で主力が離脱したチームで待望の一軍デビューを果たし、プロ初安打もマークしました。ファームではすでに主力格で、激戦区となっている一軍の内野争いで生き残れるか、注目しましょう。

文:大久保泰伸

大久保泰伸

フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。

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