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さかのぼること3カ月半前の昨年、10月。MLBのレギュラーシーズンは終わり、ポストシーズンに入ったころだった。
「私も彼の夢を応援したい。だから、どこか契約してくれる球団を探してみる。どこかの球団が『YES』というまで電話をかけ続ける」
筒香嘉智内野手(31)の代理人を務めるジョエル・ウルフ氏(52)に「筒香は来年もアメリカでプレーするのか?」と聞いた際の返答だ。
その数日前、筆者はブルージェイズ傘下3Aで最終戦を迎えた筒香の取材現場にいた。聞きたいことがあったからだ。ニューヨークから、レンタカーで西へ3時間。ペンシルベニア州内にあるヤンキース3Aスクラントンの本拠地だった。2023年は米国でプレーする意欲はあるのか?それを聞くために現地にいた。
「自分の夢の舞台ですのでことし(2022年の)1年、すごくいろんなことを経験して一番(渡米後の3シーズンで)濃かったと思います。そう簡単にあきらめるようなものであれば夢ではないと思いますし、僕の中ではそういった覚悟を持ってこっちにきているので、そういう思いでいます」
筒香はいつものように落ち着いた口調で真摯に答えてくれた。それと同時に強い覚悟と心に秘めた熱さを感じた。本人も代理人もメジャー契約を求めたが、ひとまずレンジャーズとのマイナー契約を結ぶことになった。招待選手としてメジャーキャンプに参加し、オープン戦でメジャー40人枠に入るためにアピールしなければいけない。
横浜高校時代、DeNA時代を含め、筒香の潜在能力を評価している球団が複数存在することは確か。一方でウルフ氏が「彼の夢を応援したい」といったように選手の思いに寄り添える代理人やスタッフら、その他のサポートメンバーらの存在は、異国の地でとりわけ重要だ。
米球界での挑戦する意思は固くとも、日本球界からのオファーは複数球団から届いた。しかし、決断に迷いはなかった。
「もちろん考えさせていただいた。本当にいいオファーをいただきましたし、本当に感謝しています。僕がアメリカでプレーする、と決めてもう3年たちましたけど、いろんな経験をさせていただく中で心も技術も含め、いろんな変化がある中でアメリカでプレーしたい、という自分の決断でした。何か(他の選択肢と)迷った決断ではないです」
6日のオンライン取材では、そのように胸中を明かした。米球界4年目は、初めてマイナー契約で春季キャンプに臨む。まさに背水の陣だ。昨季、春先に痛めた腰は完治し、心身ともに勝負できる態勢は整った。
「オフシーズンで(腰痛は)解消して、痛みが全くない状態でプレーできる。スイングは、非常にいい感覚。自信を持って打席でスイングできる状態です」
目標であり、夢であり、自分で決めた挑戦の場。筒香はアメリカで生き残りをかける。
(文・山田結軌=サンケイスポーツMLB担当)
山田 結軌
1983年3月生まれ、新潟県出身。立教大時代にJ SPORTSの野球班でプロ野球中継の現場でスコアブックを書くアルバイトを経験した。サンケイスポーツに2007年4月入社、阪神、広島、楽天などを担当し、2016年2月より大学時代から夢みたMLB取材を続けている。2025年2月に18年間務めたサンケイスポーツを退社しフリーに転身。
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