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4日にユニフォーム姿でブルペンに入った岸孝之
2月1日にはじまった春季キャンプは、4日(土)で第1クールが終了。選手たちは4~5日おきに休養して、実戦へと準備していく。新しいチームとしての顔ぶれが見られたところで、この第1クールで話題を呼んだ出来事のトップ5を振り返ってみたい。 ★キャンプレポート:第1クール振り返り、ほっこりした5つの出来事
◆新キャプテン浅村栄斗の存在感
キャンプ初日に誰よりも早くにグラウンド入りし、身体がきつくなる3日と4日に連続してランチ特打。圧巻の長打をみせている。今年から再び入場できるようになったスタンド席からは、あまりに鮮やかな打球に時折、観客の拍手が沸き起こったほど。「背中でチームを引っ張る」を文字どおり、体現している。
◆フランコと田中和基のポテンシャル
新外国人のマイケル・フランコが、3日目にフリー打撃でバックスクリーン直撃の打球をみせた。J SPORTS キャンプ中継を実況する中田浩光アナが「引っ張っていない打球であれだけの距離が出る」と感心すると、日ごろから「柵越えの本数で打者の調子は計れない」と語る解説のギャオス内藤さんも「おお、そうですね」とその打球の質に唸った。
そのギャオスさんが期待をしているのが田中和基。昨年のキャンプでは見事な柵越えを見せ、2月19日の阪神との練習試合では藤浪晋太郎の150キロ超のストレートを完璧に捉えると、バックスクリーン上部のスコアボードに直撃させて破壊。周囲の度肝を抜いた。
田中和基(左)に話を聞くギャオス内藤
そこでギャオスさんは4日、「昨季ホームラン1本じゃない!今年は2桁いきましょう」と本人に直撃取材すると、田中は「そうですね。自分は線が細いですけど、バネで飛ばせるのも長所なので、いっぱい出していきたい」と応えた。新人王を獲った2018年は18本塁打を記録したスイッチヒッターでスピードスター。ギャオスさんの助言のとおり「マルチヒットでチャンスを掴め」るか注目していきたい。
◆対照的なベテラン投手とルーキー投手
ベテラン投手もルーキー投手も、結果を出すことへのプレッシャーは大きいながら、その調整方法は対照的。それでいて経験のあるベテランの方が、若い投手たちに気を遣わせまいと、程よい距離を取っていたようだった。
4日からブルペンに入った岸孝之
岸孝之は、ブルペン前の準備は隣のサブグラウンドなどで行い、3日までも誰もいなくなったマウンドで、フォームを中心に確認作業しながらの投球練習。4日に初めてユニフォーム姿でブルペン投球を行った。田中将大も連日、午後の遅い時間に若い投手がいないブルペンで、新フォームに集中している様子が見られた。
じっくりとマイペースに調整しているベテランとは対照的に、ルーキー投手は初日から勢いのあるストレートや変化球を投げ込んだ。そこで首脳陣が「飛ばしすぎないように」と助言したようで、2日目はノースロー調整。3日目以降も、ドラフト1位の荘司康誠いわく、「小山投手コーチがずっと見てくれている」とペースを抑えられながらも、「伸び伸びとやらせてもらっています」と笑顔だった。
インタビューに答える松井裕樹
◆唯一のWBC出場選手の松井裕樹
チーム唯一のWBC選手ということもあって、その一挙手一投足が全国ニュースになっている。初日からWBC球を使い、球の違いを感じさせない雰囲気を漂わせて投げ込んでいたが、2日の中継でのインタビューでは「(球の違いは)気にしないふりをしているけれど、やっぱり気になる。違和感がある」と吐露した。
徐々に精度をあげているようで、4日はより実践的に打者を立てながらブルペンで投球練習。何度かストライクゾーン内かどうか制球を確認する様子もみられた。「ナイスボール!」の声も聞こえるように。
チームに溶け込んだ阿部寿樹
◆阿部寿樹のユーティリティな練習と違和感のなさ
新戦力の阿部は、外野のシートノックを受けたと思えば、続けて内野の守備練習にも駆けつける。初めてのチームで慣れないことも多いはずだが、中継カメラがいつ捉えても、休養日前の4日も、それほど疲れた様子はなく、時に笑顔をのぞかせながら取り組んでいた。ポール間走では、明治大学時代の同級生でチームメイトだった島内宏明と並んで走っていたりと、仲間らしい雰囲気が自然と醸し出されるからか、すでに違和感がなく見える。
文:松山ようこ
松山 ようこ
翻訳者/ライター/インタビュアー。主にスポーツやエンタメ分野にて実績多数。野球はプロ野球からMLB、他にもマイナースポーツからオリンピック大会まで、国内外の競技場や大会での現地取材を数多く経験するスポーツ好き。アスリートはじめ、一般人から著名人まで幅広くインタビューし、日本語と英語ともに記事やコラムにする。訳書『ピッチングニンジャの投手論』『ベイダータイム』。 ※『ピッチングニンジャの投手論 PitchingNinja's analysis of Japanese MLB Aces』 ※『VADER TIME ベイダータイム: 皇帝戦士の真実 』
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