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野球 コラム 2022年12月25日

【横浜好き】細川成也、笠原祥太郎。ベイスターズの「行く人、来る人」

野球好きコラム by 大久保泰伸
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横浜DeNAベイスターズ

12月9日に現役ドラフトが行われ、ベイスターズは中日から笠原祥太郎投手を獲得。逆に細川成也外野手が中日に移籍という結果となりました。今回はこの「行く人、来る人」2人について書きたいと思います。

まずは「来る人」、新たにベイスターズの一員となる笠原です。笠原は新潟県の新津高校から新潟医療福祉大学を経て、2016年ドラフト4位で中日に入団。新潟県の大学から社会人野球などを経ず、初めてNPB入りした選手となった笠原は、プロ1年目から中継ぎでデビュー。

9月から先発に回り、3試合目の巨人戦で8回無失点と好投し、プロ初勝利を挙げています。この年最後の登板となった10月3日のベイスターズ戦では、3安打3失点でプロ初完投を果たしていますが、初回に細川に打たれた3ラン本塁打が致命傷となり、負け投手となっています。

2年目の18年は9月の広島戦でプロ初完封勝利をマークするなど、20試合に登板して6勝4敗、防御率4.14。6月以降に限れば、13試合で防御率2.70の好結果で、翌19年は自身初の開幕投手に抜擢されています。

この開幕戦の相手が、横浜スタジアムで行われたベイスターズ戦だったというのも、何かの因縁かもしれません。この試合で笠原は5回無失点と好投も勝ち負けは付かず、試合は8-1でベイスターズが勝っています。この年は4月中旬までに2勝と快調な滑り出しでしたが、4月27日の試合前に不整脈の症状が出て先発登板を回避することになり、これが影響して登板は8試合のみ。3勝2敗、防御率5.71でシーズンを終えています。

その後、最近3年間は8試合の登板で1勝のみの笠原ですが、まだ27歳と若く、プロ3年目で開幕投手を務めた潜在能力を考えれば、左腕王国と言われるベイスターズ先発陣の新たなピースになる可能性はありそうです。また、今季トレードで移籍となった京田陽太とは家族ぐるみで仲のいい関係ということで、自身を人見知りという笠原にとっては、偶然ながら同時期の移籍はプラスの材料になりそうです。

続いて「行く人」。細川はここ数年のベイスターズファンにとって、「期待の大砲候補」でした。茨城県の明秀日立高校から2016年ドラフト5位で入団した細川は、1年目から二軍で10本塁打をマークし、イースタンリーグのビッグホープ賞に選出されています。

同年10月、前述した笠原から放った3ランは、横浜スタジアムのバックスクリーンを直撃するもので、これがなんとプロ初安打、初本塁打、初打点、初得点を同時に記録したものでした。翌4日の中日戦でも本塁打を放った細川は、2リーグ制が始まった1950年以降、デビュー戦から2試合連続で本塁打を放った初の高卒新人選手となりました。

この年、下剋上で広島を破って出場した日本シリーズでも、細川はセ・リーグでは1988年以来となる高卒選手のスタメン出場。1988年の選手とは誰あろう、新天地での指揮官である立浪和義現監督でした。この他にも高卒新人として日本シリーズ初打席初安打、同クライマックスシリーズと日本シリーズの両方で安打など、史上初の記録を達成した細川の未来は前途洋々、といったところでした。

しかし、2年目以降は2021年の37試合が最高で、本塁打も1年目の2本を超えた年はありません。ラミレス前監督からも毎年のように期待の選手として名前を挙げられていましたが、熾烈な外野争いを勝ち抜くことがないまま、今回の移籍となりました。

近年の中日は得点力不足が顕著で、細川のような一発長打を秘めた野手はチャンスも多いはずです。広いバンテリンドームが懸念されるところですが、実は遠投100mの強肩に50m6秒2の俊足と、外野手としても細川にとって適性の合う舞台と言えそうです。

早熟のサウスポーと未完の大砲候補、ちなみにこの2人の対戦成績は8打数5安打、1本塁打、対戦打率.625と細川に軍配が上がっています。いずれにしても、2人を含めた各選手が新天地で活躍できるかどうかは、今後の現役ドラフトに影響することになりそうです。

文:大久保泰伸

大久保泰伸

フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。

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