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野球 コラム 2022年12月1日

【オリックス好き】ブレイクの予感漂う大器~太田椋~

野球好きコラム by 大前 一樹
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そして、その時が訪れる。シーズン最終盤、一軍が優勝争いの佳境を迎えていた9月15日。太田は一軍に呼ばれた。開幕から数えて7度目の昇格だった。登録即のスタメン起用で太田は2安打。首脳陣の期待に応えて見せた。特に延長12回の先頭打者として放った2塁打は、その後の若月健矢のサヨナラ打を呼び込む貴重な一打となった。そして、4日後の天王山、福岡ソフトバンクホークス相手に3つの犠打を見事に決めて、夏に指揮官から与えられた課題を見事にクリア。首位相手のスイープに一役買ったのだ。その後は、リーグ優勝、CS突破のシーンに立ち合い、日本シリーズでもバットで貢献。緊張感の中で、濃密な時間を過ごすことができた。「プロに入って、やっと一軍の勝利に貢献できましたかね(笑)。負けられない試合が続く、あのムードを肌で感じることができたのは、自分にとって貴重な経験です」悔しさを噛み殺しながら過ごした夏場までの努力が、まさに実りの秋に結実したわけだ。

毎年、春のキャンプでは目立ち、活躍が期待され続けてきた大器。そんな太田を指揮官は「“Mr.SOKKEN”(宮崎キャンプで使用する野球場がSOKKENスタジアム)やからなぁ」と、揶揄しながらも更なる成長を促してきた。「監督に直接言われましたね(苦笑)。僕って、フェニックスでも打てていて、宮崎とは相性が良いのでしょうか?」と本人は笑うが、脱・SOKKENはもちろんのこと、脱・舞洲が来季の最大のテーマ。とにかく一軍での結果にフォーカスしたい。「竜さん(辻竜太郎コーチ)からも、『とにかくここが舞洲やと思え!何ならここは奈良の橿原球場(高校時代に慣れ親しんだ球場)や!』って励ましてもらっていましたから」

秋の高知キャンプでは徹底してバットを振り込んだ。「速い球、力のあるボールに負けないスイングスピードと振る力を主眼に置いてやってきました。良い時間が高知でも過ごせたと思います」来季、目指すものは一軍定着と、その先のセカンドの定位置取り。「ライバルも多いですが、まずは自分に勝たないと・・」 5年目の来季、太田椋が立つべき舞台、主戦場は京セラドーム。レギュラー奪取へ、機は熟した。

取材・文:大前一樹

J SPORTS 放送情報

大前 一樹

1961年兵庫県生まれ。関西学院大学文学部卒業。 放送局アナウンサーを経て独立。今は、フリーアナウンサー、ライターとして活動中。 有限会社オールコレクト代表取締役、アナウンサー講座「関西メディアアカデミー代表」。 「J SPORTS STADIUM2022」オリックス・バファローズ主催試合の実況を担当。

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