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野球 コラム 2022年9月22日

【オリックス好き】オリが誇る鉄壁のブルペン ~阿部翔太インタビュー~

野球好きコラム by 竹村 美緒
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「これからオリックスは強くなります。長い長いトンネルを抜け、オリックスは絶対に強くなります」

みなさん、この言葉を覚えていますか?
岸田護投手コーチが3年前に、自身の引退セレモニーのスピーチでファンに宣言した言葉です。

あの時、信じた人もいれば、いまいちピンとこなかった人も居たでしょう。
というのも、この年のオリックス・バファローズは最下位に沈み、5年連続Bクラスと暗いトンネルの中。

しかし、岸田さんは力を込めてこうスピーチしました。
「成長し続ける若手がチームを盛り上げ、実力十分な中堅がチームをまとめ、残るベテランが背中でチームを引っ張っていってくれると思います。絶対に強くなります!これからのオリックスは面白いです。」

岸田さんの言葉を思い出すたびに震えます。
今、岸田コーチに伝えたい!オリックスの野球、めちゃくちゃ面白いです!!!(涙目)

パ・リーグ連覇を目指すオリックスは、9月に入って連日の総力戦。1点がモノを言うヒリヒリする優勝争いの中で、鉄壁リリーフ陣の快投も光っています。

マウンド上での鋭い眼光とは打って変わり、普段はトレードマークのえくぼと弾けるような笑顔が似合う好青年、阿部翔太投手。

2020年に球団史上最年長新人としてオリックスに入団。伸びのあるストレートと鋭い変化球で打者をねじ伏せる強気の投球が持ち味です。
託された1イニングが明暗を分けることも多いそのプレッシャーの中で、今季ここまで抜群の安定感を示している阿部翔太投手にお話を伺いました。

―阿部投手が生まれ育ったのは、ここ京セラドーム大阪のお膝元、大阪市大正区!子どもの頃、京セラドーム大阪に野球観戦に来られたりしましたか?
(阿部)「はい、結構来ていましたよ!子どもの頃に、地元の小学生を招待してくれる日もあったりしてよく観に来ました。」

―近鉄のファンクラブにも入っていたと聞きましたが、本当ですか?
(阿部)「はい、小学生の頃に入っていました。同じ小学校の友達がファンクラブに入っていたので、僕も一緒に入って応援していました。近鉄がリーグ優勝をした年でしたね。北川博敏さんが代打逆転サヨナラ満塁優勝決定本塁打を打った年で、すごく盛り上がっていたのを覚えています。」

―そんな、かつてスタンドから眺めていたマウンドにプロ野球選手として立ち、今チームはパ・リーグ優勝争い中です。
(阿部)「残り試合も少ないですが、僕らブルペン陣は1試合1試合全員で繋いでいくことだけを考えて臨んでいます。」

―9月2日の千葉ロッテ戦ではプロ初セーブを記録されました。この日は守護神・平野佳寿投手が不在でしたが、今日は自分の出番だなという思いはあったんですか?
(阿部)「そうですね、僕かワゲスパックのどっちかかなぁとは思っていたので、心の準備はできていました。試合前には、安達(了一)さんたちから『今日9回ちゃうん?(笑)』とかイジられたりもしていましたね。」

振り返ってみれば、昨年のオリックスはシーズン序盤、抑えがなかなか定まらず苦しみました。同じ3つのアウトを取るにしても、やはり競り合う展開で9回を投げることが、どれほど難しいことなのかを物語った光景でした。

―9回のマウンドってそんなに他の回を投げるのと違うものですか?
(阿部)「やっぱり、最後を締めくくるところを任されるって、ちょっと違いますね。あの日、1試合投げただけでも凄く疲れましたし、あの時改めて平野(佳寿)さんは凄いなぁと感じました。」

―痺れる展開でマウンドに向かうケースが多いと思うのですが、1日の中のどのタイミングでスイッチを入れるんですか?
(阿部)「比嘉(幹貴)さんに『1日の中で集中できるのって正直3時間くらいやと思うけれど、それくらいやったら集中できるやろ?』と言われ、その言葉がずっと頭にあって、ブルペンに入ってからはいつ出番が来てもいいように集中するようにしています。今年もアクシデントで緊急登板したことがあったんですけれど、いつそういった場面で呼ばれても、しっかり投げられるように準備しています。」

出番がやってきてマウンドに立っている時だけではなく、私たちの見えないところで常に集中力を絶やさず準備をしているのか・・・これは大変。
自分の仕事に置き換えてみたら、想像するだけでどっと疲れが・・・。

―勝ちパターンの8回や9回のマウンド、いろんな役割をここまで任されてきました。阿部投手としては『この役割を担いたい!』という思いはありますか?
(阿部)「痺れる展開で投げられるのが結構好きなので、僅差でリードしている場面での登板などは、すごくやり甲斐を感じますし、今任せてもらっているポジションをしっかり確立できたらいいなって思います。」

―昨年のちょうどこの時期も、チームは優勝争いをしていました。阿部投手としてはけがでとっても悔しい思いもあったと思うんですが、どんな心境だったか覚えていますか?
(阿部)「テレビでファンの皆さんと同じような目線で観ていたことを覚えていますね。この年齢でプロにきたのに、チームのために何も出来なくて・・・もどかしかったですし、羨ましさ、情けなさというのもありました。」

―チームの優勝というのは素直な気持ちで喜べましたか?
(阿部)「もちろんチームが勝つのは嬉しいんですが・・・でも、悔しさが無かったかといえば嘘になります。その輪の中に自分は居ないわけですから、手放しで喜ぶことはできなかったですね。あのときの悔しさはこれから先も消えないと思うんですよね。あの悔しさを持ち続けていることが今こうやって抑えられていることに繋がっているんだとも思います。」

―最後に残り試合に向けての意気込みを聞かせてください。
(阿部)「優勝を狙える位置にもいますが、CSに出られない可能性も残っているので、良い緊張感を持ちながら戦って最後にみんなで笑いたいです。」

歴史的大混戦のパ・リーグもいよいよ最終章。
正直、昨年は優勝争いしていることが夢のようでどこかフワフワした気持ちで受け止めていた自分がいましたが今年は違う。

逆転連覇、そして悲願の日本一へ向けてのラストスパート!!
ファンは願っています。
歓喜の瞬間に、えくぼを浮かべた笑顔のヒーローが居ることを。

J SPORTS 放送情報

文:竹村美緒

竹村 美緒

滋賀県出身。2014年からオリックス・バファローズの初代スタジアムリポーターとして4年間活動。 好きなスタジアムグルメは、京セラドームのチキンスティック。 現在は、「J SPORTS STUDIUM2022」オリックス・バファローズ主催試合で、リポーター・ヒーローインタビュアーを担当。

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