【楽天好き】「最近はサメが出てくるアクション映画を見ています」。島内宏明先生がファンの悩ましい相談をポジティブに答える

島内宏明

楽天イーグルスの島内宏明選手がファンからの質問に応えるシリーズ。今回は、コアなファンにじわじわと人気を集めている相談コーナーをお届けします。自虐ジョークなどで楽しませてくれることの多い島内選手ですが、相談コーナーは自分のことではないため、相手を思いやって応えてくれています。

いつもその場で考えているにもかかわらず、ひらめきと含蓄があるため、「勉強になる」「勇気づけられる」「ファン感謝祭で、しまーち相談所をつくってほしい」との反応もいただいています。今回も皆さんに喜んでもらえますように。

――　コロナが流行していて、年老いた祖父母と同居しているため球場に行きたいけれど行けません。けれども、行けないと気持ちが少し落ち込みがちです。島内選手、こんな時に気分をあげるには、どうすればいいでしょうか？（40代女性）

なるほど。それは辛いですね。まずは、気分を上げることを探さないといけないですね。でも、この方は野球を見に行くことで気分が上がるんですね。ご家族のために来られない…と。もちろんテレビやラジオで野球を楽しむということはされてるとは思うんですけれど、まだ他にもあると思うんです。うん。

例えばですけども、映画やドラマ、アニメといったコンテンツが今はオンラインのストリーム再生ですごくたくさん楽しめますよね。ご家族で一緒に見てみてはどうでしょうか。

オススメですか？僕の好みはちょっと伝わるかわからないんですけれども……。最近はもっぱらサメが出てくるアクション映画を見ています。夏ですし、ゾワッとして涼しくなりますよ（笑）。『MEG ザ・モンスター』が面白かったです。

僕はサッカー好きなので『アオアシ』も良かったです。家族愛が響きましたね。ファミリーで楽しめる作品で言うと『えんとつ町のプペル』もいいかもしれないです。

あとは、やっぱり流行が落ち着いた時に1度でも2度でも球場に来られたらいいですね。もし来られたら、1度だけっていうのが、逆にすごく特別になるかもしれません。たった1度しか…ではなく、1回限定なので、むしろ濃密に楽しめるかなと思います。そんな風に試合を見ることができたら、それもおじいちゃん、おばあちゃんのおかげって考えてほしいですね。

――　仕事をしていると、よく「適当にやればいい」とアドバイスされます。自分でも何の気なしに言うことがあるのですが、こういう時の適当って何なんでしょう？ 組織でありながら、個人の自主性も時に求められるプロ野球で活躍されている島内さんの考えを参考にしたいので、聞かせてください。（30代男性）

そういう時にかける言葉って、本当に難しいですよね。例えば、僕らのような選手たちにも、応援してくれている人たちが「頑張って」って言いますよね。これも人それぞれで、選手によっては「よし、頑張るぞ」って思う人もいれば、「キツイな…」って感じる人もいたり、逆に「頑張ってるわ！」って反発したりする人もいる。言う人もまたそれぞれで、同じ言葉でも誰がどう言うかによっても、響き方は違ってくるわけですよ。

だから、「適当にやればいい」ってアドバイスしてくれるっていう話ですが、そう言う方は優しいんだと思います。適当でいいって言われると、まず重荷にはならない。「頑張って」だと、意気込みすぎたり、空回りしちゃうこともありますから。

それに「適当にやればいい」って言われて、本当に適当に仕事をする人ってあまりいない。相談者の方も手を抜かないから、そう声をかけられたり、自身でも言ったりしているのではないでしょうか。普段の仕事ぶりから築いた信頼もある。だからそのまま『適当に』、つまり普通どおりに仕事をするのでいいんだと思います。

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どんな悩ましい質問も鮮やかにポジティブに変換する島内選手。選手としてマイペースに見えることもありますが、話せばこんなふうに相手の目線で考えられるからこそ、チームでも年上からからも「島内さん」や「島内先生」と呼ばれるのかもしれません。こうした前向きな変換や優しい見方で、相談者さんのお悩みが解決することを願っています。

取材・文：松山ようこ／写真：東北楽天ゴールデンイーグルス提供