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野球 コラム 2022年7月13日

優勝候補がずらりと並ぶハイレベルな東京・神奈川の6チーム。都市対抗野球チーム紹介(東京・西関東代表)

野球好きコラム by 大島 和人
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第93回都市対抗野球大会が、7月18日(月)に開幕する。今回は東京代表4チームと西関東代表2チームを取り上げる。

鷺宮製作所(2年ぶり16回目/東京都)東京都第1代表

鷺宮製作所

◆過去5年間の成績
・2021年:予選敗退
・2020年:2回戦敗退
・2019年:3回戦敗退
・2018年:ベスト8
・2017年:予選敗退

昨年の第92回大会は東京2次予選で敗れたものの、今年は3連勝で第1代表を獲得している。入社3年目の小孫竜二小孫竜二が、第1代表決定戦でセガサミーを相手に1失点完投勝利を挙げるなど、本大会出場の立役者になった。180センチ・85キロの右腕で、最速は150キロ台中盤の本格派だ。

小孫竜二(鷺宮製作所)

小孫は創価大学で同級生の杉山晃基(東京ヤクルト)、望月大希(北海道日本ハム)に並ぶ「3本柱」の一角だったものの伸び悩んでプロ入りが叶わず、社会人でも制球難を露呈していた。しかし、今予選は3試合全てに登板し、準決勝と決勝は先発を任されている。合計18回2/3の登板回数で、与四死球は4と見違えるほど安定感が出ていた。

球速も「瞬間最大風速」でなく、終盤までコンスタントに140キロ台後半を記録。加えてスライダーやフォークなどの変化球も質の向上が目覚ましい。2次予選と同等の投球を東京ドームでも見せられれば、今年のドラフト1位候補だろう。他にも入社8年目で経験豊富な技巧派左腕・野口亮太、右腕・中島隼也と先発を任せられる好投手がいる。

打線は入社2年目の外野手・野村工に注目。昨年は東京ガスの補強選手として優勝を経験している。この2次予選は4番ライトで起用され、チーム最多の4打点を記録した。兄の勇は昨年のドラフトで福岡ソフトバンクに4位で指名され、早くも1軍で主力級の活躍を見せている。工は175センチ・84キロと大柄ではないものの、その兄が「打撃は僕より上」とコメントする強打の右打者だ。

NTT東日本(7年連続46回目/東京都)東京第2代表

NTT東日本

◆過去5年間の成績
・2021年:ベスト4
・2020年:準優勝
・2019年:3回戦敗退
・2018年:ベスト8
・2017年:優勝

第2代表決定トーナメントは明治安田生命、JR東日本、セガサミーを連破して7年連続の出場を決めた。昨年の第92回大会でもベスト4入りを果たしている。2次予選の5試合は4投手が先発し、全試合が3人以上による継投。レベルの高い投手は豊富だが、突出した「エース」は不在だ。

2次予選で台頭を見せたのが本格派右腕の稲毛田渉。パワフルで、なおかつしなやかな右の本格派で、2試合に登板して防御率0.96と好投している。仙台大学時代は大関友久(ソフトバンク)とともにハイレベルな投手陣を構成していた。

勝ち試合のクローザーを任されるのが2年目の右スリークォーター多田裕作。昨年の都市対抗でも好投を見せて若獅子賞を受賞しており、2次予選も3試合に登板して無失点だった。

片山楽生(NTT東日本)

片山楽生は白樺学園高校から入社して2年目の本格派右腕で、昨年の都市対抗では2回戦の先発を任された。他にも変則派サイドハンドの上出拓真、技巧派左腕の沼田優雅、大ベテランの大竹飛鳥と投手陣は人材豊富で、さらに「優勝請負人」の左腕・三宮舜が明治安田生命から補強で加わっている。

野手陣は上川畑大悟が北海道日本ハム入りしたものの、人材はなお豊富だ。三塁からショートに移ったのが、法政大学から入社して2年目の中村迅。183センチ・86キロと大型の右打者で、2次予選はチーム最多タイの5打点を挙げている。

4番センターの向山基生も2次予選で打率4割、4打点を記録し、主軸の働きを果たした。一昨年の都市対抗では久慈賞を受賞するなど既に実績豊富で、アスリート性も高く、プロから声のかからないことが不思議な実力者だ。

JR東日本(13年連続25回目/東京都)東京第3代表

JR東日本

◆過去5年間の成績
・2021年:1回戦敗退
・2020年:2回戦敗退
・2019年:3回戦敗退
・2018年:ベスト4
・2017年:ベスト8

社会人屈指の名門だが、エース山田龍聖(巨人)のプロ入りや主砲・丸子達也の社業専念もあり、今予選は苦しんだ。3月の東京都企業春季大会はJPアセット証券に敗れて1次予選の免除枠を取れず、1次予選を突破したものの、2次予選はチーム打率.180と打線が低迷。しかし、第3代表決定戦でセガサミーを1-0で退け、東京ドーム行きを決めた。

西居建陽(JR東日本)

日本大学出身の2年目右腕・小谷野楽夕が2次予選は5試合中3試合の先発を任されている。常時140キロ台中盤の速球を持つ本格派だ。小谷野は防御率1.08と好投を見せており、彼なくして13年連続の出場はなかった。左腕・西居建陽、右腕・西田光汰はいずれも派手な速球を持つタイプではないが、中継ぎで試合を締める。

補強選手はクラブチームの全府中野球倶楽部から永野将司が補強された。昨年まで千葉ロッテでプレーしていた29歳の左腕で、Honda時代は速球が154キロを記録している。大卒後の就職浪人や、「広場恐怖症」の闘病など、波乱万丈の野球人生を送っていることでも知られている。

野手陣で気を吐いたのが3番セカンドの杉崎成輝。2次予選は打率.316、4打点と主軸の役割を果たした。「一芸」でインパクトを残すのが金子莉久。161センチの小兵だが、その俊足はプロでもなかなか見ないレベルだ。また、前回大会の優秀選手に選出された外野手・森龍馬(明治安田生命)が補強されている。

菅田大介は入社3年目で、187センチの大型一塁手。2次予選は18打数0安打、7三振と苦しんだが、それでも濱岡武明監督は第3代表決定戦まで「4番ファースト」から動かさなかった。本大会での復調に期待したい。

セガサミー(3年連続13回目/東京都)東京第4代表

セガサミー

◆過去5年間の成績
・2021年:ベスト4
・2020年:ベスト4
・2019年:予選敗退
・2018年:ベスト4
・2017年:2回戦敗退

本大会では2年連続のベスト4入りを果たしている強豪だが、東京2次予選は代表決定戦で3連敗。第4代表決定戦で明治安田生命を下し、辛うじて「最後の1枠」をもぎ取った。

エースは過去2大会と変わらず草海光貴だろう。24歳ながら高卒入社のため経験豊富。入社後に内野手から投手へ再転向した変わり種で、168センチ・63キロと小柄な右腕だ。変化球のキレや制球力、そしてフィールディングが優れる実力者だ。

この2次予選で台頭したのが、城西国際大学から入社して2年目の右腕・舘和弥だ。2次予選は3試合の先発を任され、防御率1.08と好投。第4代表決定戦は6回を被安打3で零封し、勝ち投手になった。ブルペン陣は森井紘斗、古屋敷匠眞のような本格派から技巧派左腕、変則派右腕と多彩な顔ぶれだ。

黒川貴章(セガサミー)

打線は前回大会の優秀選手に選出された捕手・須田凌平、一塁手・根岸晃太郎、大型ショート中川智裕が残る。この2次予選で台頭したのは亜細亜大学から入社した新人内野手・黒川貴章で、6試合で打率.364を記録している。また中央学院高校時代に「二刀流の大谷」で注目されていた4年目の外野手・大谷拓海も、レギュラーに定着している。

東芝(2年ぶり43回目/川崎市)西関東第1代表

東芝

◆過去5年間の成績
・2021年:予選敗退
・2020年:1回戦敗退
・2019年:ベスト4
・2018年:2回戦敗退
・2017年:ベスト4

昨年は西関東予選で敗れて、連続出場が「12」で途絶えた。しかし、今大会はライバルのENEOS、三菱重工Eastを連破して第1代表となっている。エースはプロ注目の吉村貢司郎。國學院大學から入社して3年目で、183センチ・80キロの右腕だ。昨年の都市対抗はENEOSの補強選手として出場し、153キロを叩き出している。速球に加えてカットボール、フォークの質も高く、既に今ドラフトの1位候補として名が挙がっている。

もう1人の主戦格が入社2年目の左腕・藤村哲之。「出どころ」の見えにくいフォームと、抜群の制球力で勝負する技巧派だ。高卒8年目の右腕・善武士は代表決定リーグの2試合でリリーフ登板し、いずれも勝ち投手となった。150キロに迫る速球と鋭いカットボールを武器にする。

松本幸一郎(東芝)

打線は3番・松本幸一郎、4番・吉田潤、5番・石川桜太と入社から10年以上のキャリアを持つベテランが中軸を固める。石川は2次予選の3試合で打率.583、2本塁打、5打点と大爆発。予選突破を決めた三菱重工East戦ではサヨナラ本塁打も放った。

ENEOS(3年連続52回目/横浜市)西関東第2代表

ENEOS

◆過去5年間の成績
・2021年:ベスト8
・2020年:2回戦敗退
・2019年:予選敗退
・2018年:予選敗退
・2017年:予選敗退

近畿地区の日本生命(61回)、パナソニック(55回)が予選敗退したため、ENEOSは今大会の最多出場チームとなる。

加藤三範(ENEOS)

昨年から主戦格だった左腕・加藤三範、右腕・関根智輝はともにまだ入社2年目。加藤は制球力に優れた実戦派で、本大会出場を決めた三菱重工East戦で1失点完投勝利を挙げるなど、この2次予選は特に結果を出している。球持ちの良いフォームと、変化の大きなスライダーが彼の強みだ。

打線は今大会でも屈指だろう。高卒2年目の度会隆輝は2次予選の3試合で打率.538、3打点と大爆発を見せた。182センチ・83キロの左打者で、昨年からレギュラーで起用されている逸材だ。父・博文さんはヤクルトで長くプレーした内野手で、兄・基輝もJPアセット証券という野球一家の出身。高卒選手の指名解禁は入社3年目なので、2023年のドラフト候補だろう。

2次予選はその度会が6番で、3番・小豆澤誠、4番・山崎錬、5番・柏木秀文のクリーンアップも好調だった。また、7番で起用された新人・丸山壮史は早稲田大学野球部の主将を務めていた選手だが、2次予選は2本塁打と気を吐いている。

文:大島和人

大島 和人

大島 和人

1976年神奈川県で出生。育ちは埼玉で現在は東京都町田市に居住。早稲田大学在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れた。卒業後は損害保険会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。現在はサッカーやバスケ、アマチュア野球など多彩なボールゲームの現場に足を運んでいる。Twitter(@augustoparty

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