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野球 コラム 2022年6月14日

【ハイライト動画あり】これぞ東都の底力 亜細亜大学 vs. 上武大学 全日本大学野球選手権

野球好きコラム by 岩瀬 孝文
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亜大の優勝マウンド

簡単に負けるわけにはいかない。
やるならば最終日までフィールドに立ち遮二無二に攻め上げる。そこにセイフティリードなど、まったく関係ない。しかも1点を追い求め、それを積み重ね、最後に圧倒して優勝旗を手にする。ここまでやれての東都である。これは東都のリーグ戦であれば一目瞭然。
大学選手権の決勝に進んだ亜大が僅差の試合などするまい。
先発エース青山投手が猛然と投げ、完封こそが与えられた使命。そこに仲間達の堅守があり、これを背に受け熱くならないわけはない。

先発完投した青山投手(亜大)

「皆さんは東都の入れ替え戦というものをご存じでしょうか。東都1部で優勝した翌シーズンに2部へ陥落する。それも東都の現実なのです。ですから昨日は入れ替え戦の2試合目を想定して青山投手は使わず、他のベンチ入り投手6人で勝つ。そして、3試合目になる今日は、エースの青山で勝負しました」
トーナメントである全日本大学野球選手権に、厳しい東都の入れ替え戦に挑むシミュレーションを持ち込んだ亜大の生田監督だった。
この春季リーグにおける1部三つ巴の最下位決定戦(青山学院大・中大・日大)において、結果、中大が敗退して東都2部で優勝した東洋大と入れ替え戦を行う、これが今大会の後、今週の神宮球場の話である。

そこに甘えと妥協を一切許さない厳しさの野球を生み、そこに選手間の信頼関係と高度にカバーし合う好ましいスタイルを持ち込み、選手らはそれを如実に遂行していた。

亜大の田中内野手と上武大の河野選手

昨日の東日本国際大(南東北)との1点を争う準決勝から一転して、決勝では早めに得点を取りにいった亜大は、3回表に連打などの5安打で4点を先取、どこまでも攻め続けた。
そして6回表には三塁ランナー和久本外野手が、俊足を活かしてホームスチールに成功、これが勝利を呼び込む決定的な1点となった。

【ハイライト】上武大学 vs. 亜細亜大学

第71回 全日本大学野球選手権大会 決勝 ~神宮球場~(6/12)

奮闘をみせた紫藤投手(上武大)

強豪の上武大(関甲新)は、8回裏に少し疲れの見えた青山投手から併殺崩れの間に1点をもぎ取ったが、もはやこれまで。
「あの1点を狙っていく亜大の粘りは素晴らしい。それに刺激を得てまた秋に頑張りたい。選手たちはよくやりました」
上武大の谷口監督は勝ちに届かない悔しさを心の内に滲ませながら、すぐにこの秋を見据えていた。

集中力ある青山投手は落ちるボールを巧みに使い、終始、迫力にあふれた怒涛のピッチングで長打を許すことをしなかった。
「振り返るとショートに田中がいて、大丈夫だよ、任せてくれよと声をかけてくれる。それがどれほど励みになったことか。彼の存在はとても大きかったです」
と、ていねいに感謝を語る亜大のエース青山投手。

亜大生田監督と選手達

「優勝は20年ぶりなのですね。とにかく後悔しないように思い切りよく、元気よく、明るい笑顔で大好きな野球をやろうと言い続けました。ここで優勝するまで選手たちが全員、上手くなってくれた。指導者としてこれほどうれしいことはありません」
閉会式で主将らが優勝旗と優勝杯を手にしたとき、しみじみとそう思った生田監督。

これで一気に秋の東都リーグ1部で優勝、そのまま明治神宮大会で優勝しての春秋連覇、それが実しやかに見えてくるというものだ。
この偉業にストップをかけるのは同じ東都1部のライバルチーム、はたまた地方などの有力リーグから勝ち上がってくる強者なのだろうか。

亜大に渡された優勝旗と優勝杯

文・写真:岩瀬孝文

岩瀬 孝文

ノルディックスキージャンプの取材撮影は28年以上、冬季五輪は連続5回、世界選手権は連続12回の現地入り取材。スキー月刊誌編集長を経て、2007札幌世界選手権では組織委員会でメディアフォトコーディネーターを務めた。 シーズンに数度J SPORTS FIS W杯スキージャンプに解説者として登場。『冬はスキー夏は野球』という雪国のアスリートモードにあり、甲子園の高校野球や大学野球をつぶさに現場取材にあたっている。

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