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野球 コラム 2022年4月27日

【広島好き】先週のMVPは悪い流れを断ち切ったエースとプロ初サヨナラ打のあの選手。『週刊カープいいとこどり』4月19~24日号

野球好きコラム by 大久保泰伸
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広島好きコラム

巨人との首位攻防戦に3連敗の後、地元に戻ってDeNAを3タテ。先週の2カードで、もっとも好成績を残したのが西川龍馬でした。6試合の打撃成績は、24打数8安打の打率.333。2本塁打、4打点で出塁率.346、長打率.538をマークしています。20日の巨人戦では先制2ランを放ち、24日のDeNA戦では追撃弾となるソロ本塁打。2本とも打った瞬間、本人が本塁打を確信する完璧な当たりでした。

6試合の打率は.273(22打数6安打)でしたが、6打点と抜群の勝負強さを発揮したのが坂倉将吾です。21日の巨人戦では、逆方向への打球でスタンドまで運ぶ先制の2ラン本塁打。23日のDeNA戦では1死満塁の場面で貴重な追加点となる2点二塁打、翌日は5回の追撃のタイムリーから、1点勝ち越された延長10回裏には無死1・2塁で2ストライクと追い込まれながらセンター前へ同点打を放つなど、得点圏打率はリーグダントツの.500と驚異的な数字となっています。

DeNA戦から打順の組み替えを行った打線で、スタメン起用された選手も結果を残しました。巨人戦では6番、DeNA戦では1番で起用された堂林翔太は、3試合で12打数4安打の打率.333をマークしました。23日には先制点となる2ラン本塁打。中京大中京高校時代、甲子園で放った本塁打を思い出させるような右中間への一発は、2020年10月30日の中日戦以来、2シーズンぶりとなる本塁打でした。

21日からスタメンに復帰した末包昇大は、2試合連続で3安打猛打賞など、4試合で14打数8安打の打率.571と大当たり。23日のDeNA戦では、1死1塁の場面でソトのライト前への当たりをショートバウンドで捕球し、二塁へ矢のような送球で一塁走者をアウトにしてライトゴロを記録しました。

活躍した選手が多い中、数字を度外視して、敢えて野手のMVPに選出したいのが小園海斗です。小園の週間成績は、22打数4安打の打率.182。開幕から不振が続き、22日のDeNA戦から今季一貫して続いていた3番から8番に打順降格となってしまいました。

プロ野球2022公式戦

【ハイライト】4月24日(日)広島 vs.横浜DeNA

それでも、降格したその日にタイムリーを含む2安打を放ち、押し出し四球も選んで2打点。24日には延長10回、同点に追いついた直後の1死満塁の場面で、初球をフルスイングしてセンター後方へプロ初のサヨナラ打となる犠牲フライを放ちました。

ルーキーイヤーから、守備でミスをしても打撃で挽回する図太さや、常に初球から振っていく積極的な姿勢など、大器の片鱗を伺わせていた小園ですが、今季は佐々岡真司監督が我慢の起用を続けています。昨季惜しくも逃した打率3割へ、復調のきっかけとして欲しいプロ初の一打に期待の意味も込めて、週間MVPとしたいと思います。

投手陣は、遠藤淳志以外の5投手がいずれも5回以上を投げて3失点以内と、相変わらず先発投手の安定した投球が続いています。前回登板でプロ入り後ワーストの2回8失点で降板した森下暢仁もDeNA戦で7回無失点とさすがの修正を見せました。

リリーフ陣では、24日の試合で同点の9回に登板して1イニングを無失点に抑えた栗林良吏がプロ初ホールドを記録。ルーキーの松本竜也とプロ6年目の矢崎拓也は、ともに巨人戦で2試合に登板して無失点の投球を見せています。

投手の週間MVPに選出したいのが、DeNA戦で9回途中1失点と好投して勝利投手となった大瀬良大地。巨人戦3連敗の悪い流れを断ち切る投球は、まさにエースと呼ぶにふさわしいものだったと言うべきでしょう。

同一カード3タテの裏表となった1週間。強いのか弱いのか、よくわからなくなってきましたが、ひとつ、確信したことがあります。今季、ここまでマツダスタジアムでは11試合で9勝2敗の勝率8割超え。

観客数の入場制限もなくなり、スタンドが真っ赤に染まったホームでは、やっぱり強いということです。まだ声は出せずとも、この“観客パワー”があれば、今年は期待してもいいかもしれません。

文:大久保泰伸

大久保泰伸

フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。

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