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野球 コラム 2022年3月29日

【横浜好き】シーズン開幕。『週刊ベイスターズいいとこどり』

野球好きコラム by 大久保泰伸
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横浜DeNAベイスターズ

「横浜反撃」のスローガンの下、始まった2022年シーズンは、ベイスターズは地元でまさかの3連敗となってしまいました。オースティンソトの両外国人にエースの今永昇太を欠き、スタートから昨季の悪夢が頭をよぎった開幕3連戦でしたが、シーズンはまだ始まったばかり。めげずに今季も“いいとこ”を探していきましょう。

各試合の“いいとこ”を振り返る前に、まずは新シーズンの始まりということで、打撃部門の主なチームの“今季初”を記録しておきましょう。初安打は3番・ライトで自身3年ぶりの開幕スタメンとなった楠本泰史。開幕戦の初回に広島先発の大瀬良大地から中前安打を放ちました。

初打点は宮崎敏郎で、同戦の4回1死2、3塁の場面でセカンドゴロの間に打点を記録し、初得点として佐野恵太がホームを踏んでいます。初本塁打は開幕3戦目の5回、佐野がライトスタンドぎりぎりに入るソロ本塁打を放ちました。

その他、初タイムリーと初二塁打が開幕戦7回の桑原将志、初四球が同5回の柴田竜拓、初犠飛が第2戦9回の戸柱恭孝で、三塁打と死球はまだ記録されていません。気になるのが、盗塁と犠打も開幕3試合で0に終わっており、今季の課題である機動力を生かした1点を取りにいく野球、という姿はまだ見られていません。

というわけで、今シーズンもまた各試合の“いいとこ”探し、2022年は試合結果も記しながら、シーズン終了まで各試合を振り返りたいと思います。

◆3月25日 vs.広島(横浜スタジアム)●3-11

入場者数制限が解除され、横浜スタジアム史上最多の観客数となった開幕戦は、自身初の開幕投手となった東克樹が2回に3失点も、その後は立ち直って5回まで追加点を許さない粘りの投球を見せた。6回に先発打者の上本崇司に四球を与えた際に、右中指の皮がめくれるアクシデントで無念の降板。東の後を継いだ4人の投手で結果を残したのが、4番手で登板した入江大生。1イニングを三者凡退できっちりと抑えた。

打撃陣でマルチ安打の選手はいないが、7回に2点二塁打を放った桑原に、佐野、楠本、牧秀悟、戸柱が安打を記録。プロ初の開幕スタメンとなった知野直人は、慣れない一塁守備で失策もあったが、最終打席で意地の内野安打を放った。

◆3月26日 vs.広島(横浜スタジアム)●5-10

先発した大貫晋一が4回7失点と厳しい展開となった第2戦は、4人の選手がマルチ安打を記録。4番の牧と7番・ショートでスタメンの大和がタイムリーを含む2安打1打点をマークし、佐野、宮崎も2安打でいずれも得点を記録した。途中出場の戸柱が安打と犠飛で1安打1打点、6番・ファーストでスタメン出場した倉本寿彦も最終打席に今季初安打を放った。代打で今季初出場の神里和毅と、宮崎がそれぞれ内野ゴロの間に打点を挙げた。

投手陣では4番手で登板した砂田毅樹が、1イニングを3人で抑えて4失点した前日から修正を見せた。9回に登板した伊勢大夢は前日に続いて2安打を許したが、無失点で切り抜けた。

◆3月27日 vs.広島(横浜スタジアム)●6-7

今季初勝利まであと1アウトまでいきながら、悪夢の逆転負けとなった第3戦は佐野、牧、宮崎のクリーンアップがいずれも本塁打を放った。牧は8回のソロ本塁打の後、続く9回には昨季、新人王争いのライバルだった栗林良吏からタイムリーを放って2打点。2番に入った楠本は、タイムリーを含む2本の二塁打を放って2安打2打点、開幕3試合全てで安打を記録した。

投手陣は先発した坂本裕哉が4回までパーフェクトの投球を見せたが、5回に連打を浴びた。その後は立ち直って7回4失点、打撃でも先制点につながる安打を放ったが、チームは逆転負けで勝ち負けは付かなかった。2番手で今季初登板となったエスコバーが1回無失点で今季チーム“初”となるホールドを記録したが、守護神復活を目指す山崎康晃がリードを守れなかった。

大量失点が続いて「横浜反撃」の出鼻を挫かれた開幕3連戦。鈴木誠也という大黒柱を失いながら、セ・リーグ史上初となる開幕から2試合連続2ケタ得点を記録したカープ打線の基礎を作ったのは、今年からベイスターズの野手総合コーチに就任した石井琢朗コーチです。

少々高い授業料になったかもしれませんが、メンバーを比較すると個々の力量では決して勝るとも劣らないベイスターズ打線が同コーチの下、これから目指すべき姿を示してくれた貴重な3連戦だったのかもしれません。

文:大久保泰伸

大久保泰伸

フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。

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