【楽天好き】キャンプ第1クールで見かけたユニークな練習やほっこりした場面

スタンド席でメニューをこなす投手陣

2月4日で第1クールが終わった。ここまで雨が多く、2日は午後に、3日は朝から土砂降りにも見舞われたが、選手やコーチ陣はそれぞれマイペースにメニューを消化したり、工夫を凝らしたりして、明るく元気に練習をしていた。ここまでで話題になった練習、ほっこりした場面をいくつか紹介したい。

◆最新鋭機器ラプソードを活用する田中将大

J SPORTSのキャンプ中継でもクローズアップされたが、ブルペンでの田中将大はタブレット端末をすぐ横に立てて、投球練習していた。そして、4日の生インタビューに登場すると、その機器と意図について、次のように教えてくれた。

「あの端末はラプソードといいます。最近いろんな選手や球団が取り入れているもので、大まかに言うと球速やボールの動き、スピン量といった情報が出てきます。自分が投げた感覚で、今どうだったかという確認として使っています。あくまで参考程度ですね」。

傾斜の台をつかったトレーニング

他にも投手陣が、跳び箱の踏み切り板のように斜めになった台に乗って、バットを振っている練習は楽天キャンプ恒例だ。この傾斜の台は、2016年から投入された特注アイテムで、星洋介トレーナーが「バランスや体重移動など投球に生きる」と練習メニューに取り入れた。

あくまでバランス重視のトレーニングなのだが、あまりにも格好よくないスイングをすると、周囲からいじられたりすることも。つまり、見事な投球フォームをみせるプロの投手の意外な側面が見られたりする。

また、投手陣が球場のスタンド席にある長い階段を使って、腕や脚を上げながら上り下りするメニューも名物になっているが、これも同様にわずかな軸のブレが大きくパフォーマンスに影響する投手にうってつけの強化方法のようだ。こちらも体幹が肝になるため、「地味に見えて、結構きつい」らしい。

◆実戦志向の直人コーチによる外野練習

直人コーチの外野守備練習

2日目の外野の守備練習は、よくある外野ノックではなかった。渡辺直人打撃コーチがノックではなく、少し離れた場所から投げてもらったボールを打って、フライにしていたのだ。

これには解説のギャオス内藤さんも「工夫してるんですね。こうすれば、より生きた打球が飛んでいきますから。技術が要ることですよ」と語り、中田アナも「連続して見事な打球を飛ばしていますし、体力も相当に要ることと思います」と感心しきりだった。

◆石井監督の“大きな”激励メッセージ

2月2日は、島内宏明の誕生日だった。今年は一緒に自主トレに励んだ仲間に囲まれてのイベントとなった。

銀次がケーキを持ってきて、ハワイ大学出身のマーキが、アメリカ仕込みの発音でバースデーソング「Happy Birthday to You」を独唱。思わず島内も、「本場の感じで来たな」「すごい本場の感じ」「本場で来たな」と3度も呟いて、心から嬉しそうな笑顔を見せた。

連日、メイン球場の電光掲示板が話題の的になった。石井一久監督から、でかでかと選手宛のメッセージが表示されたからだ。その内容は「今年は靴をあげないぞ！　石川の星　島内宏明」「ここまで飛ばせ！　奈良の大仏　黒川史陽」など、ユーモアあふれる激励。監督いわく「暇ですし、電光掲示板でコミュニケーション取っているだけです」だとか。

文：松山ようこ