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野球 コラム 2022年2月1日

【楽天好き】今季のスローガンは「譲らない!」。苛烈なポジション争いと3人の育成選手

野球好きコラム by 松山 ようこ
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今季のスローガンは「譲らない!」

楽天の今季のスローガンは「譲らない!」。「優勝」という純粋な目標だけでなく、チーム内での「選手間の競争」にも通じる名スローガンだと思う。チームが勝つため、仲間を想って時に自己犠牲をも必要とされる団体競技でありながら、至高のパフォーマンスと各々の人生のため「譲らない」精神で戦うという矛盾。

ワクワクする夢とシビアな現実の狭間で、プロ野球のヒリヒリとした緊張感と期待感が高まっていく。全員かレギュラー争いをするような、そんな強いチームを目指すという。

「どんなときでも個々の能力を最大限発揮できる。そんな究極のプレイヤー集団を目指します。チーム全員が『この1球は譲らない!』『このポジションは譲らない!』『この勝利は譲らない!』と、確固たる想いで挑み続ければ、その集大成がきっと、東北楽天ゴールデンイーグルスの9年ぶりの優勝という結果に結びつくと信ています」 と楽天は込められた願いを明かしている。そのスローガンどおり、今季のポジション争いも苛烈になりそうだ。

◆延長12回制が復活。複数ポジションを守る選手にチャンスは多くなる?

今季からシーズン公式戦は延長12回制が復活する。コロナ禍でイレギュラーだったとはいえ、昨季は9回で打ち切りだった。それから3イニング増えるので、負担やストレスが増えることはもちろん、投手の使い方、戦い方が変わることは必至だ。

先発投手は、時に1イニングでも長く投げることが求められるかもしれない。中継ぎはより多くのチャンスが巡るとプラスにも捉えられるが、様々な状況での起用に臨機応変に対応できるブルペン体制が必要になるだろう。

野手陣にとっても代打や代走、守備固めといった機会がさらに増えることが想定される。石井監督は「複数ポジションが守れること」と、ユーティリティ制の向上を唱えているが、内外野で練習を積んできた山崎剛や渡邊佳明といった若手選手がチャンスを増やせるか。

ともあれ、盛りだくさんで過酷にもかかわらず、キャンプでは選手たちが生き生きと練習に励んでいる。シーズンに思いを馳せるもよし、考えることなく見ているだけでも元気がもらえるのも、キャンプのみどころなのかもしれない。

◆育成のマーキ、王彦程、小峯新陸が一軍キャンプメンバー

今季の一軍キャンプには、3人の育成選手が抜擢された。登録名を山崎真彰(まあき)から改めた140番のマーキ外野手、017番の王彦程(ワン・イェンチェン)と138番の小峯新陸(しんり)という、ともに20歳の2投手だ。

ハワイ大学出身の26歳マーキは、昨季ファームで56試合に出場すると、打率.338(195打数66安打)、27打点。自主トレでは、志願して銀次と島内宏明らと励んだ。球団のSNSを見ると、先輩選手から多くを学んだようで、充実した様子が見て取れる。一軍キャンプへの参加は、支配下選手になるための、大きな足がかりだ。ますますの期待が高まる。

昨季ファームでも好投している絶賛成長中の右腕・小峯と左腕・王にとっても、今回のキャンプはかけがえのない機会。一軍キャンプに抜擢されるのだから、ポテンシャルは言うまでもない。とはいえ、育成選手が支配下へと出世するのは容易なことではない。はたして、チャンスを掴むことができるのか。

すでに実績のある有名選手だけでなく、これから実績を積み重ねようとしている選手たちも、ぜひとも注目してほしい。

文:松山ようこ

松山ようこ

松山 ようこ

フリーランス翻訳者・ライター。スポーツやエンターテイメント関連コンテンツの字幕翻訳をはじめ、Webコンテンツ、関連ニュース、企業資料などの翻訳や制作を請け負う。J SPORTSでは、主にMLBや侍ジャパンのほか、2015シーズンより楽天イーグルスを取材し、コラムやインタビュー記事を担当。野球の他にも、幅広くスポーツ選手はじめ著名人を取材。Twitter @yokobooboo

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