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横浜DeNAベイスターズ
キャンプインが近づいてきました。新型コロナウィルスの影響はまだあるようですが、今年は外国人選手もキャンプ初日から合流予定で、一、二軍の振り分けも発表されました。
宜野湾で行われる一軍キャンプには、ドラフト1位入団の小園健太投手など、4人の新人選手が参加することになりました。今回は新戦力として期待されるこの4人を紹介したいと思います。
◆小園健太(ドラフト1位、市和歌山高)
ドラフト前から世代ナンバーワン右腕と言われ、1位指名で阪神と競合。三浦大輔監督が見事にクジを引き当てた。中学時代から硬式のクラブチームである貝塚ヤングに所属し、エースとして3年夏の日本選手権に優勝。
市和歌山高校では3年春の甲子園に出場し、初戦の県岐阜商戦で9回無失点と好投し、チームがサヨナラ勝ちして完封勝利を記録。リリーフで登板した2回戦の明豊高校戦も5イニングを1失点に抑えたが、打線の援護がなく1対2で敗れた。
最後の夏は県大会決勝で全国優勝を果たした智弁和歌山高校に敗れ、甲子園出場を逃したが、2年秋の近畿大会では同校相手に4安打完封勝利を挙げるなど、全国でも屈指の強豪校相手に3連勝していた。
最速152キロの速球にスライダー、ツーシーム、チェンジアップなどの変化球をコントロール良く投げ分け、投球術も含めたマウンドさばきは高校生離れした完成度を誇る。昨季、ヤクルトでブレイクした奥川恭伸タイプのエース候補は、三浦大輔監督の背番号「18」を受け継ぎ、高卒選手では異例と言えるキャンプ一軍スタートで、1年目から先発ローテ入りの可能性も十分だ。
◆徳山壮磨(ドラフト2位、早稲田大学)
大阪桐蔭高校では根尾昂(中日ドラゴンズ)、藤原恭大(千葉ロッテマリーンズ)の1学年上で、2年春からベンチ入りして春の甲子園に出場。エース番号を背負った3年春は、5試合中4試合で先発して2完投、リリーフで登板した1試合も含めて全5試合で勝利投手となって全国制覇した。
夏も強打の智弁和歌山高校相手に完投勝利など2勝して甲子園通算7勝。大会後にはU-18ワールドカップ代表に選出され、3試合に登板してチームの銅メダルに貢献した。
早稲田大学では1年春からベンチ入りし、2年春には2試合16イニングを防御率0.00でベストナインに選出。2年秋と3年春にそれぞれ3勝するなど、通算35試合に登板して9勝5敗、防御率2.40をマークした。
大学ではロッテなどで活躍した小宮山悟監督の指導を受け、プロでの心構えも学んだ。150キロの速球に切れ味鋭いスライダーが武器の右腕は、先発、リリーフどちらでも対応できるタイプで、開幕一軍入りが期待される。
◆三浦銀二(ドラフト4位、法政大学)
140キロ台中盤のキレのあるストレートにスライダー、カーブ、フォークなど、多彩な変化球が武器の実戦派右腕。投球術のうまさにも定評がある。
福岡大大濠高校では坂本裕哉の2年後輩で、3年春の甲子園に出場。延長再試合の2試合計26イニングを1人で投げ抜くなど2勝を挙げ、チームのベスト8進出に貢献した。夏は県大会決勝で敗れて甲子園出場を逃したが、大会後のU-18ワールドカップに選出され、2試合に先発していずれも勝利投手になった。
法政大学では2年春までの3シーズンで7勝したが、以後は調子を落として大学通算成績は50試合登板で10勝11敗、防御率2.80に終わった。それでも4年春の慶應義塾大学戦では被安打0、1失点の完投勝利を挙げ、秋には2位入団の早稲田大学・徳山と投げ合い、9回無失点で0-0の痛み分けに終わった。
ドラフト指名後は同性の監督にあやかり、「いずれは自分もリーゼントにしたい」と笑顔を見せ、ユニフォームの背中の名前表記も監督の現役時代と同仕様の「G.MIURA」となった。
◆梶原昂希(ドラフト6位、神奈川大学)
50m走5秒8の俊足に、遠投110mの強肩と三拍子揃った左打ちの大型外野手。神奈川大学野球で通算12本塁打と長打力もあり、“神奈川のギータ”と呼ばれた。大分県出身で大分雄城台高校では1年時からレギュラーだったが、夏の県大会はベスト8が最高で甲子園出場はなし。
神奈川大学では1年秋のリーグ戦で打率4割をマークして首位打者に輝いた。4年春には打率.362、3本塁打でベストナインに選出され、秋にはバックスクリーン直撃の130m弾を放って、スカウトをザワつかせた。
ドラフト6位指名での入団となったが、将来の夢は大きく「トリプルスリーを目指したい」。日本代表候補に選ばれた大学時代には昨年大活躍した牧秀悟と面識があり、1年目から「後を追いたい」と開幕一軍を狙う。
一軍キャンプに抜擢されたルーキーは投手3人、野手1人で大卒3人に高卒が1人。三浦監督は「いきなり無理をさせることはない」と話しており、ドラフト1位の小園投手については「一軍の雰囲気、レベルを経験してもらう」と“顔見せ”の要素も強そうですが、甲子園でのマウンドさばきは高校生離れした落ち着きがありました。完成度の高いピッチングがどこまでプロで通用するのか、キャンプが楽しみです。
文:大久保泰伸
大久保泰伸
フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。
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