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野球 コラム 2021年12月24日

【オリックス好き】「自分と向き合い、苦境を糧に完全復活へ」 ~黒木優太~

野球好きコラム by 竹村 美緒
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過去を変えることはできないが、過去を糧に前に進むことはできる。 そう教えてくれたのは、復活が待たれるオリックス・バファローズのプロ5年目右腕・黒木優太投手。

立正大から2016年のドラフト2位で入団。プロ1年目から平野佳寿投手らと共に勝利の方程式に定着し、55試合に登板し6勝25ホールドの活躍。ルーキーながら“8回の男”として存在感を発揮した。そのマウンド度胸と最速156km/hの直球で打者をねじ伏せる姿は、見ていてとても気持ちがよかった。

しかし、ガムシャラに腕を振り続けた黒木投手の右肘は次第に痛みを抱えるようになり、2019年にトミージョン手術を受けて育成契約となる。手術後、キャッチボールができるようになるまでは約5~6ヵ月を要した。「長かったですよ」と黒木投手は笑う。

同じ時期にトミージョン手術を受けた山ザキ(山に竒)颯一郎投手は、今年1軍の舞台で躍動。日本シリーズ第4戦では先発のマウンドを託され5回1失点と試合を作った。

「投げられていいなぁ・・・」
「俺はなんでこんなに苦しんでいるんやろうか」
手術・育成・リハビリと苦しい時期を共に過ごしてきた同期の活躍を見ると嬉しさ反面、苦しくもあった。

自分のやるべきことに集中するために、ある時から1軍の試合映像を見ることをやめたという。「見たら眠れなくなりそうじゃないですか。頭に映像が残っちゃうと、目を瞑ると、他の投手たちが1軍で投げている姿が出てきちゃうんですよ」

ただ、自分の歩みを悲観することはなかった。
「必死にプレーした結果なので後悔はしてないです。それに、あの直球を投げていなかったら、きっとプロにも入ることができなかったですから。1年目から大事なところで投げさせてもらえたのも、あの直球を評価してもらえたからこそですし、それを捨てるという選択肢はなかったです」過去に引きずられる様子はない。

苦境に立たされても、冷静に自分を見つめることができる力の原点は高校時代にあった。

黒木投手が本格的にピッチャーへと転向したのは高校2年の途中。それまでは遊撃手としてプレーしていた。「ピッチャー歴が浅い分、周りの人より技術や経験値が劣っている中で、どうやってその差を埋めようかと、その時、ひたすら考えたんです」
分析と改良を重ね結果を出し、そうして成功体験を積み上げていく中で、課題をクリアしていく喜びと達成感を得た。「考えることって、楽しいですよ」と常に前を向く。

完全復活を目指す中、今はスプリットにも挑戦中。
「とにかく早く1軍で投げたいです!」と眼差しからは、ひときわ熱い思いが伝わる。

自分をコントロールし、苦境を乗り越えて自分との対話を続けること。
それは野球に限らず、人としての生き方にも通じるものがあるように感じた。

文:竹村美緒

竹村 美緒

滋賀県出身。2014年からオリックス・バファローズの初代スタジアムリポーターとして4年間活動。 好きなスタジアムグルメは、京セラドームのチキンスティック。 現在は、「J SPORTS STUDIUM2022」オリックス・バファローズ主催試合で、リポーター・ヒーローインタビュアーを担当。

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