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野球 コラム 2021年11月22日

前回優勝のHonda、初出場の北海道ガス、新人エースのJR東日本東北、オリックス指名選手を擁するTDK、初戦突破に挑む伏木海陸運送。都市対抗野球大会チーム紹介(前回優勝・北海道・東北・北信越代表)

野球好きコラム by 大島 和人
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第92回都市対抗野球大会が、11月28日に開幕する。まず推薦出場、北海道、東北、北信越の計5チームを取り上げる。

◆Honda(狭山市/5年連続35回目)推薦(前年度優勝)

連覇を目指すHonda

第91回大会を制し、今大会は予選免除の推薦出場。補強選手は活用できないが、優勝候補の一角だ。

昨年は技巧派右腕・朝山広憲が3試合に先発して2勝を挙げ、若獅子賞を獲得する活躍を見せた。フォーク(スプリット)が素晴らしく、三振奪取率が高いタイプだ。

今年度は新人左腕・片山皓心がエースとして台頭している。日立一高校時代は進学校の控えで、ブレイクは大学4年の秋になってから。しかし、急成長で2022年のドラフト指名が有力視されるレベルに浮上してきた。速球も140キロ台後半を記録するが。それ以上にコンパクトで「打ち難さ」を感じるフォームと、低めへきっちり投げ込む制球力が光る。日本選手権では4試合中3試合に登板し、ベスト4入りに貢献した。

他にも福島由登、東野龍二とチームを支えてきた投手陣がおり、米倉貫太や小野大夏、中村伊吹といった若手の有望株も選り取り見取り。投手陣の層はこの大会でもトップ3に入るだろう。

野手は昨年の大会で打率.462、出塁率.708を記録し、1番打者として優勝に貢献した吉田叡生が3年目を待たずに引退。ただ、10打点を記録して橋戸賞を受賞した外野手・井上彰吾、捕手で中軸を任される辻野雄大といった実力者が健在。新戦力の台頭にも期待したい。

◆北海道ガス(札幌市/初出場)北海道代表

北海道第2次予選は4チームの代表決定リーグ戦で、北海道ガスはJR北海道硬式野球クラブ、航空自衛隊千歳、日本製鉄室蘭シャークスに3連勝。3戦目のシャークス戦は延長タイブレーク(13回)にもつれ込む激闘だったが、これを9-8で制して東京ドーム行きを決めた。

エースは184センチ・90キロの大型右腕・大城祐樹。140キロ台中盤を記録する速球を持ち、夏の日本選手権では東邦ガスを相手に惜敗したものの、2失点完投を果たしている。

初出場の立役者は寺田和史だ。184センチ・100キロと体格に恵まれた26歳の左打者で、確実性もあわせ持つ。2次予選は3試合で打率.778(9打数7安打)を記録。最終シャークス戦は1試合3四死球と勝負を半ば避けられた。今年の日本選手権1回戦でも本塁打を放っている。

米満凪は入社3年目の俊足&好守の遊撃手。シャークス戦では初出場を決めるサヨナラ打を放った。170センチの小兵だが、奈良学園大学時代には侍ジャパン大学代表で活躍。大学選手権にも出場し、東京ドームで本塁打を放っている。

海老原丞も含めて左腕が目立つ投手陣だが、補強選手としてJR北海道の左腕・夏井康吉も加わった。東北のアマチュア野球ファンにはお馴染みの「夏井四兄弟」の三男で、小柄ながら切れのあるボールを投げ込むタイプ。リリーフで頼りになりそうだ。

シャークスから補強された永森竜次は、2次予選の3試合で3本塁打を放っている強打の外野手。北照高校、札幌大学を経て現在24歳の右打者だ。

◆JR東日本東北(仙台市/2年ぶり27回目)東北第1代表

予選で新人エースが活躍したJR東日本東北

東北第1代表はJR東日本東北だ。2次予選準決勝できらやか銀行、決勝ではTDKを倒して東京ドーム行きを決めた。

竹本祐瑛は駒沢大学から入社した新人ながら、予選ではエースとして大車輪の活躍を見せた。準決勝で完封勝利を上げると、決勝も8回からリリーフ登板して試合を締めている。186センチ・93キロの大型右腕で、大学時代から150キロ台を記録する本格派として知られていた。2次予選では3試合15イニングを無失点で抑え、16奪三振を記録。しかも四死球を1つも与えていない。

決勝戦で先発した西村祐太は32歳のベテラン左腕。2017年の日本選手権では完全試合も記録している技巧派だ。

打線は3番・鈴木聖歩が2次予選の3試合ですべてマルチヒットを放ち、打率.545、1本塁打、3打点と気を吐いた。4番・捕手の薗部優也はまさにチームの要で、彼も2次予選では打率5割を記録している。

◆TDK(にかほ市/2年連続16回目)東北第2代表

150キロ投手を複数揃えるTDK

東北2次予選では第1代表決定戦でJR東日本東北に破れたものの、第2代表決定戦は小木田敦也、鈴木大貴のリレーで、きらやか銀行を下した。

小木田はオリックスの7位指名を受けている右腕。高卒5年目でようやくプロ入りを掴んだ。174センチと大柄ではないが、最速153キロの速球を持ちつつ、変化球の質や制球力も併せ持つタイプ。コンディションさえ万全ならば、今大会屈指の好投手だろう。

鈴木大貴も昨年の都市対抗で154キロを記録している右のサイドハンド。流通経済大学から入社して2年目で、ドラフト指名こそなかったが、小木田と並ぶ2枚看板だ。

佐藤開陸は2次予選で登板していないが、高卒3年目の有望左腕。165センチと小柄ながら140キロ台のキレのある速球が武器で、昨年の都市対抗でも好投している。

加えて今大会は補強で能代松陵クラブの右腕・田中太一が加わっている。読売ジャイアンツ、セガサミーでプレーした28歳で、181センチ・98キロのパワーピッチャー。彼も過去に150キロ台の速球を投げていた。トレーニングが進化し、昨年の都市対抗では10人以上が150キロ台を記録していたとはいえ、1チームに「150キロ腕」が複数揃うチームはなかなかない。

なお、「夏井四兄弟」の脩吉、健吉はいずれもTDK所属。脩吉はショートのレギュラーとして2次予選に出場している。20代前半、中盤の若手が活躍していることもチームの特徴。入社2年目の北畠栞人は走攻守揃った頼りになる外野手。2次予選では打率4割を記録してリードオフマンの働きを果たした。

◆伏木海陸運送(高岡市/2年連続6回目)北信越代表

初戦突破に挑む伏木海陸運送

昨年の第91回大会では強豪・パナソニックに1-2と惜敗した伏木海陸運送が、ベテラン好投手を得て東京ドームに戻ってきた。今大会は念願の初戦突破がかかる。

北陸2次予選では新加入の西納敦史が大車輪の活躍を見せた。準決勝・信越硬式野球クラブ戦では5回を零封して勝ち投手になると、翌日の決勝・バイタルネット戦では完投勝利を挙げて胴上げ投手となった。

西納は178センチ・75キロの右サイドハンドで、30歳のコーチ兼任投手。昨季まで三菱重工名古屋でプレーしていたが、チームの統廃合に伴って退社&移籍してきた。石川県出身で、富山大学出身の彼にとって高岡は“ホーム”というべき土地。速球は130キロ台だが、動く球筋が特徴で投球術も傑出している。

打線は180センチ台の大型選手が見当たらない陣容だがそれでも強力。3番・ショート番場駿、4番・ファースト乙野賢人はいずれも2次予選3試合で3打点ずつを記録している。田中翔は9年目のベテランで、決勝戦では決勝3ランを放っている。

文:大島和人

大島 和人

大島 和人

1976年神奈川県で出生。育ちは埼玉で現在は東京都町田市に居住。早稲田大学在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れた。卒業後は損害保険会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。現在はサッカーやバスケ、アマチュア野球など多彩なボールゲームの現場に足を運んでいる。Twitter(@augustoparty

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