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野球 コラム 2021年10月19日

【横浜好き】残り6試合で5位と2ゲーム差「週刊ベイスターズいいとこどり」10月12日~17日号

野球好きコラム by 大久保泰伸
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横浜DeNAベイスターズ

ドラフトでは世代ナンバーワンの評価もある高校生右腕・小園健太を抽選の末、交渉権獲得。その一方で中井大介や乙坂智など、10選手に戦力外通告。すっかりシーズンオフの話題となっている今日この頃ですが、試合はまだ続いています。

少し前まで最下位争いをしていた広島相手の3連戦と、6年ぶりのリーグ優勝にひた走るヤクルト戦の合わせて4試合、今週も「いいとこ」を探していきましょう。

トミー・ジョン手術から復帰した東克樹が2試合目の先発となった初戦は、打線がわずか2安打に封じられて完封負け。東は自身2年ぶりとなる復活勝利はならなかったが、7回106球を投げて被安打5、8奪三振で1失点と、5回途中4失点で降板した復帰初戦から格段の進歩を見せた。

2番手のエスコバーは1イニングを投げて2失点、安打は5回2死から二塁打を放った宮崎敏郎と8回の桑原将志の内野安打のみと、今季一番「いいとこ」を探すのが大変な試合だった。

前日とは“打って”変わって15安打9得点と打線が爆発した第2戦は、宮崎が全てシングルの4安打1打点と固め打ち。1イニング2安打を記録した戸柱恭孝が3安打2打点。

牧秀悟が4番抜擢後7試合目で初本塁打&初打点となる2安打2打点、佐野恵太も本塁打と犠飛も含めて2安打2打点をマークした。2番・ショートでスタメン出場した知野直人が5回1死満塁の場面でレフト前にタイムリーを放って打点を記録。途中出場の関根大気も2安打でアピールした。

投手陣は、先発の大貫晋一が4回3失点で降板したが、5回から登板して2イニングを無失点に抑えたピープルズが今季3勝目。その後はシャッケルフォード、櫻井周斗、伊勢大夢が広島に反撃を許さなかった。

カード勝ち越しをかけた第3戦は、守備のミスが続出して逆転負け。残り7試合で借金17となり、最下位に終わった2015年以来、6年ぶりの2ケタ借金が確定した。

敗戦の中、攻撃陣で勢いが止まらないのが宮崎。追撃のタイムリーを含む、3安打1打点で2試合連続猛打賞を記録した。この日、安打と二塁打の牧は、あの長嶋茂雄氏に次ぐ、新人2位タイの236塁打に到達、66得点は62年ぶりの球団記録更新となった。柴田竜拓がタイムリー安打で1打点、楠本泰史は安打と四球で2度出塁し、6回1死1・3塁の場面では内野ゴロの間に1打点をマークした。

投手陣は先発したロメロが6回途中5失点で降板も、守備の乱れがあり自責点は2。その後は田中健二朗、平田慎吾、三上朋也、砂田毅樹が、小刻みな継投で無失点に抑えたが、打線にあと1本が出なかった。

2日間のお休みの後、日曜日のデーゲームとなったヤクルトとの一戦は、マジック点灯で、優勝へひた走る相手の勢いを止められず完敗。宮崎がこの日も2安打。楠本がレフトフェンス直撃のタイムリー二塁打、大和の犠飛、代打で登場した神里和毅のタイムリー二塁打で3点を奪ったが、中盤以降の好機を生かしきれなかった。

投手陣は先発した京山将弥が初回から連続三振の好スタートで、打撃でもプロ初安打を記録したが、7回途中4失点で6敗目。8回に登板したピープルズが三者凡退に抑え、1点ビハインドで9回を迎えたが、三嶋一輝が山田哲人に致命的となる3ラン本塁打を打たれた。

残り6試合で5位中日と2ゲーム差の最下位。今週は横浜スタジアムで4試合あるが、10連敗中の巨人と2試合を行った後、中日との直接対決2連戦が控えている。最下位で終われば、中畑清監督最後のシーズン以来の屈辱となる。

外国人選手の来日遅れなどコロナ禍の問題や、五輪開催で本拠地が使えないなど、今季は様々な逆風があった。立ちはだかる困難や障害は、これからもきっと避けることはできないのかもしれないが、背を向けるより、正面突破するしかない。来年、また夢を見るためにも、残り6試合、最後までしっかり戦う姿を見せてもらいたい。

◆先週のベイスターズ

12日(火)● 0-3 広島
13日(水)◯ 9-3 広島
14日(木)● 3-5 広島
17日(日)● 3-7 ヤクルト

文:大久保泰伸

大久保泰伸

フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。

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