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横浜DeNAベイスターズ
オリンピックの会場となった横浜スタジアム。ベイスターズのホームとして使用が再開されるのが、8月31日からで、後半戦も3カードで別球場での戦いとなる。
後半戦最初のカードとなった新潟での2連戦は初戦が雨天中止のため、1試合のみになってしまいましたが、今回も『週刊ベイスターズいいとこどり』、試合数が足りない分の特別企画も併せていきましょう。
ブレイク明けの開幕戦が雨で流れ、仕切り直しとなった15日のヤクルト戦は、今永昇太が前半戦最終戦に続いて先発マウンドへ。5回まで7奪三振、無失点で勝利投手の権利を得たが、6回に山田哲人、村上宗隆の金メダルコンビに連続四球を与えた後、オスナに逆転打を許した。続投した7回にも塩見泰隆のタイムリー3塁打で1点を追加され、7回途中3失点で3敗目を喫した。リリーフ陣では8回途中から伊勢大夢が2/3イニング、シャッケルフォードが1イニングを無失点に抑えた。
後半戦は惜しくも黒星スタートとなったが、巻き返しに向けて、ここではエキシビジョンマッチで結果を残し、残り試合で活躍が期待される投打の選手を挙げていこう。今年ならではの“夏場のオープン戦”でアピールした選手とは――。
打撃陣で2本塁打、6打点とチーム二冠の数字を残したのがルーキーの牧秀悟。打率は.185と低かったが、チャンスに強い打撃と長打力は、後半戦でもレギュラーとして期待できそう。
その牧のライバルになるべき存在の伊藤裕季也は、エキシビジョンマッチ開幕から4試合連続安打で本塁打も放ったが、その後の6試合は15打席ノーヒットで打率は牧と同じ.185に終わり、一軍定着は微妙な状況と言うべきか。
アメリカ代表で五輪に出場したオースティン不在の外野陣では、楠本泰史と、関根大気が猛アピール。楠本は8試合出場で22打数10安打の打率.455をマークし、関根は10試合全てに出場して24打数8安打の打率.333、チーム最多の4四球と出塁率の高さも目立った。
投手陣は、先発では今永が2試合で防御率2.45をマーク。後半戦のローテ入りが期待されるロメロも、2試合を投げて防御率は4点台だが、試合を作れる能力は見せた。先発テストで起用された宮國椋丞は5回6失点と厳しい内容だったが、故障で戦列を離れていた濱口遥大が5回途中3失点でローテ復帰のメドが立った。
リリーフ陣は3試合無失点、被安打0と別格の投球を見せたエスコバーをはじめ、三上朋也、進藤拓也がいずれも3試合で無失点と好投。チーム最多タイの4試合に登板した伊勢も1失点のみの防御率2.25と後半戦の活躍が見込めそうな投球だった。
貴重な左腕として期待される櫻井周斗も4試合に登板したが、防御率13.50とやや不安の残る結果に。トミー・ジョン手術から復帰した田中健二朗は2試合で無失点と好投し、今季中に一軍での復帰登板が見られる可能性もありそうだ。
クライマックスシリーズ圏内の3位から大きく離れた最下位のチームで、首位打者争いをしている佐野恵太や桑原らタイトル争いに絡む選手はともかく、大方の選手は「どこを目指しているのか?」と思ってしまうかもしれない。
「それでも」レギュラーにあと一歩の選手や故障から復帰した選手、一軍定着を目指す選手など、それぞれにモチベーションはあるはずだ。そうした個々の選手の頑張りが、チームに勝利に繋がっていく。そんな展開を後半戦では期待したい。
◆先週のベイスターズ
14日(土)中止 東京ヤクルト
15日(日)● 1-4 東京ヤクルト
文:大久保泰伸
大久保泰伸
フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。
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