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野球 コラム 2021年8月12日

【中日好き】伊藤康祐、2年ぶりの舞台

野球好きコラム by 森 貴俊
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後半1軍が決まり取材に応じる伊藤

地元中京大中京からドラゴンズに入団、一昨年の東京ドームでのファインプレーなどは記憶に新しいが、去年1軍に上がることはなかった。1軍キャンプスタートも途中から2軍に降格、「なにかが違う…」そんな疑問は最後まで拭えなかった。

伊藤康祐は去年をこう振り返る。「一昨年、1軍に上がれて、もう1つ進化しないとって、バットの軌道やタイミングの取り方、いろいろ変えてみたんですが、しっくりこなくて、もうシーズン中は訳がわからなくなってました」。

全てがうまくいかなかった。パニック状態に陥った。トンネルの出口が見つからない。

伊藤は「打席に立っても、正直打てる気がしないんですよ。まだピッチャーが1球も投げてないのに、打てないだろうなって。バットを構えていても、しっくりこない。気持ち悪いというか。これじゃないなって。それは最後まで治りませんでしたね」。

焦って考えて結果が出なくて、また焦る。悪循環に陥った伊藤を救ったのは2軍工藤隆人コーチの言葉だった。「何を色々考えているんだ。小さくまとまる必要はないぞ。持ち味が消えている。もっとシンプルに考えて伸び伸びやれよ!」

後半戦にむけて練習する伊藤

伊藤はすべてをリセットした。「1から考えました。バットの軌道とかタイミングとか細かい事は1回頭から外して、しっかり投手に向かってストレートを仕留めに行く。これだけに集中しました」。

この1点に絞ってキャンプから取り組んだ伊藤には思いのほか多くの副産物がついてきた。

「気づけば、狙い球以外にバットが止まるようになってきて四球が増えましたね。カウントも打者有利なカウントが増えて。僕の場合は四球を増やそうと思っても、こうなってないと思うんです。ファーストストライクも積極的に振りに行けていますし、予想外の事が良くなってきているなって印象です」。

今シーズンは8月12日現在で、66試合、打率.284、1本塁打、25打点、8盗塁。そして、四球の数はなんと40個。去年の四球は出場76試合で11個。四球の数は明らかに跳ね上がっている。

後半戦は1軍でスタート

イレギュラーなシーズン、五輪中断期間に行われた1軍への登竜門、エキシビションマッチ。少ないチャンスで伊藤康祐は輝いた。トータル16打数7安打 打率.438。最後の試合は3安打で締めくくり、1軍切符を掴んだ。

伊藤は愛知県蒲郡出身、地元にいるご両親への連絡も忘れない。「電話すると、母ちゃんは、打率落ちてきてるぞ!とか、3割キープせい!って言います(笑)」。

「大丈夫?って心配されるより、ケツ叩かれた方がいい。それでも心配かけているんで、後半バンテリンドームに両親を招待したいですね」と話す。

打順はさておき、今目標とする選手像を聴くと伊藤は即答した。「DeNAの桑原さんです。身体は大きくないですが、しっかり振る。力もあって長打、ホームランの怖さもある。桑原さんを見るたびに、当てに行くバッティングしてたらダメだなと感じる。すごく参考になるし憧れる選手です」と話した。

後半1軍スタート。しかし、伊藤に変な気負いはない。「2軍と同じ気持ちでやります。チームの状態やゲーム差もありますが、まずは自分の事です。思い切りやりたいです!」。

現在、セ・リーグ4位。借金10。3位と10ゲーム差。しかし、伊藤康祐がここから先のチームの浮き沈みを背負う必要はない。伊藤は己の事にまい進する。いつでも流れを変えるのは、そんな若武者だと思う。

文:森貴俊(東海ラジオ)

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森 貴俊

1976年愛知県出身。東海ラジオ放送スポーツアナウンサー。ドラゴンズ戦中心のガッツナイターをはじめJリーグ、マラソン等スポーツ実況を担当。原点回帰を胸に、再び強き竜の到来を熱望する43歳。日々体力の衰えを感じるがドラゴンズへの喜怒哀楽は衰え知らず。今年もマイクの前で本気で泣いて怒って笑います!

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