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左から桑原、佐野、牧
記録的豪雨の影響で雨天中止もあり、2カードで4試合のみだった先週のベイスターズ。それでも久々の勝利あり、今季初の喜びありで3勝1敗と、上々の結果で終わった仮住まいのホーム・神宮球場でのいいところを振り返っていきましょう。
試合途中から降り始めた雨で2度の中断もあり、6回裏途中コールドゲームに終わった初戦は、桑原将志が決勝タイムリーを含む、3安打猛打賞の活躍。柴田竜拓が反撃の口火となるタイムリー二塁打、雨天中断明けに代打で登場した牧修悟が右中間へ同点打となるタイムリー三塁打を放ち、6月12日以来となる打点をマークした。
守備ではスタメン出場した楠本泰史が、3回の2死3塁の場面で堂上直倫の右中間への大きな当たりを背走してキャッチし、失点のピンチを救った。
投手陣は先発した坂本裕哉が初回に2点を失うも、その後は立ち直って5回2失点。4月23日の阪神戦で今季初勝利をマークして以来、5試合勝ち星がなかったが、約2ヶ月ぶりとなる2勝目を挙げた。6回の1イニングを無失点に抑えたシャッケルフォードが来日初セーブを記録。
試合は6回裏1死からソトが安打を放った場面で雨が強くなり、そのままコールドゲームとなったが、6回の登板で試合完了でなくてもセーブが記録されることは、恥ずかしながら初めて知りました。
霧雨のような細かい雨の中で行われた6月最後の試合は、序盤から打線が爆発。オースティンが初回から2打席連続タイムリーを放つなど4安打2打点、ソトも初回に2ラン本塁打を放つなど、2安打2打点をマークし、助っ人仲良く2人でお立ち台に上がった。2回の攻撃では、柴田、佐野恵太、オースティンが3者連続タイムリー二塁打と圧巻の攻撃。打点はなかったが、大和も2本の二塁打を放った。
投手陣は先発した今永昇太が、毎回走者を許す苦しい投球も、粘りの投球で5回99球を投げて被安打4、3失点にまとめて今季2勝目。7回からはエスコバー、山崎康晃、三嶋一輝の勝利の方程式が、中日打線に走者すら許さない完璧な投球を見せ、チームは今季初の5連勝となった。
連勝の勢いで今季10戦未勝利からの初勝利を狙った巨人3連戦の初戦は、雨天中止で4月24日以来の先発となるはずだった上茶谷大河がお流れになった。
一軍登録も見送ったことでスライド登板はなく、3日の試合は予定通り阪口皓亮が先発したが、4回までにソロ本塁打3本を被弾して今季2敗目を喫した。5回以降はシャッケルフォード、櫻井周斗が2イニング、三上朋也、エスコバーが無失点に抑えたが、打線が機能しなかった。
相手を上回る10安打を記録しながら、わずか1得点とあと一本が出なかった打線で、この日唯一の打点を記録したのが伊藤光。8回2死から代打の山下幸輝、ソトの連打で作った1・3塁のチャンスで三塁手を強襲するタイムリーを放った。
桑原とソト、さらに大和もマルチ安打を記録し、代打で登場した細川成也が6月19日以来となる今季4本目の安打を放ったが、連打が出たのは得点した8回の一度だけだった。9回裏には、一発が出れば同点の場面で佐野がセンターへ大きな当たりを放ったが、フェンス前で失速し、今季の巨人戦未勝利が11試合まで延びた。
デーゲームで阪神が敗れ、ベイスターズが負ければ勝率の関係で巨人の首位浮上となる4日の試合は、試合開始から終始、細かい雨が降り続く中でのゲームとなった。
大貫は毎回のようにスコアリングポジションに走者を進める苦しい投球だったが、タイムリーは許さず、6回2死まで1失点で今季3勝目。後を継いだ砂田毅樹、エスコバー、山崎が無失点に抑え、9回の三嶋は本塁打を打たれて1点差とされた後、なおも1死1、2塁のピンチを招いたが、ウィーラーを併殺打に打ち取って14セーブ目をマークした。
開幕から3ヶ月以上が過ぎた12試合目の巨人戦で今季初勝利。昼間の阪神戦が終了した時点では、SNSで「巨人首位浮上確定」の文字も踊ったが、僅差の逃げ切りでなんとか意地を見せる結果となった。
これでリーグ戦再開後、7勝5敗となり、4位中日と1ゲーム差の5位と、またひとつ上に手が届く位置まで来た。かつて横浜ベイスターズで監督経験のあるOBも「DeNAが後半戦の台風の目になる」と断言したように、交流戦から思い描いた様々なことが、現実になりつつある。
とは言え、4位のそのまたひとつ上を見ると、クライマックスシリーズ進出は奇跡に近いのかもしれない。ここは深呼吸一つして冷静になろう。東京五輪開催によるシーズン中断まで、残るは広島、中日、阪神とのビジターゲームの9連戦。最低でもここで勝ち越し、できれば借金をひと桁まで戻して、1ヶ月後のシーズン再開を迎えたい。
◆先週のベイスターズ
・29日(火)◯ 3-2 中日
・30日(水)◯ 9-4 中日
・01日(木)
・02日(金) 中止 巨人
・03日(土)● 1-3 巨人
・04日(日)◯ 3-2 巨人
文:大久保泰伸
大久保泰伸
フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。
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