大谷翔平、オールスター史上初の二刀流での選出、そしてレジェンドと並ぶ史上10人目の記録達成

前々日に今季29号を右翼スタンドへ、30号を逆方向へ運んでいた大谷翔平の第31号は、バッターズアイ（バックスクリーン）の生け垣を越えるセンター方向へのロケット弾だった。

【 #エンゼルス 】7月5日は #大谷翔平 の誕生日です
おめでとうございます！！
自らのバースデーを祝う第31号ホームラン!今日も大谷は本塁打王争いトップを走りますhttps://t.co/9zTUMJQbDC#日本人選手情報 pic.twitter.com/E5pHfUwn60

— MLB Japan (@MLBJapan) July 5, 2021

アメリカの独立記念日にあたる現地7月4日（日本時間3日）、本拠地エンジェルスタジアムで開催されたオリオールズ戦に2番・指名打者で先発出場した二刀流スターは、3回の第2打席に2試合振りとなる今季31号ソロをバッターズアイ後方に打ち込んだ。

ほとんど“ビジネス・アズ・ユージュアル”となった“ノー・ダウター”の一発は、打球初速112.5マイル（約181.1キロ）を計測し、推定飛距離は459フィート（約139.9メートル）だった。試合はエンジェルスが6-5でサヨナラ勝ちし、シリーズ3戦全勝のスウィープを達成した。

ファン投票でDH、選手投票でも投手で選出

地元紙『オレンジカウンティレジスター』は、同日付で電子版に掲載した試合の速報記事のなかで、大谷の31号について、「エンジェルスはまたしてもショウヘイ・オオタニのホーマーを祝福」とした。

その上で、「一直線に弾き返された打球が緑のバッターズアイを駆け上がるのを見たマドン監督は、豪快に放たれるゴルフのティショットと比較し、“彼はあの後、パットをしたんだ。あれはピンハイだったね”と冗談を言った」と伝えた。

なお、ピンハイとはゴルフ用語でピンと同じ距離を打ってピン横につけることを意味し、この場合、マドン監督は大谷がパー4のティショットをドライバーで打ってワンオンに成功し、ピン横につけてイーグルパットを残したと、冗談めかして言ったと思われる。

また、『MLB.com』でエンジェルスを担当するレット・ボリンガー記者も、大谷の特大ホーマーについて伝えており、同記者は「先駆者オオタニは球宴に打者と投手で出場」と題した記事を同日付で投稿。

この記事のなかで、大谷が史上初めて打者（野手）及び、投手としてオールスターゲームに選出されたことから、「これはオールスターゲームに、指名打者としてファン投票で選出され、選手の投票でアメリカン・リーグの先発投手5人の1人に選出されたオオタニによる、新たな素晴らしい技巧だった」と、この日のホームランについて伝えた。

記事によると、大谷の特大弾についてマドン監督は、「彼がバットを振るときは毎回、たとえ空振りだったとしても、ホームランになるんじゃないかと思う。見ていて本当に楽しい」と述べたとのこと。

今季、大谷による450フィート（137メートル）越えの本塁打はこれが4本目となったが、これはブラディミール・ゲレーロJr.とタイラー・オニールに並ぶメジャー最多タイとなった。

また、シーズン31本塁打は松井秀喜に並ぶ日本人最多タイ記録となるが、2004年に31本塁打を放った松井は162試合での記録達成となったが、大谷は78試合で31ホーマーと、2倍以上の驚異的なペースで本塁打を量産しており、前述の『MLB.com』の記事によると、左打者で球宴前に31本塁打に達したのは、大谷が史上10人目のこと。

これまではベーブ・ルース（1921、28年、30年）、ロジャー・マリス（1961年）、レジー・ジャクソン（1969年）、ケン・グリフィーJr.（1994年、98年）、ルイス・ゴンザレス（2001年）、バリー・ボンズ（2001年）、デビッド・オルティーズ（2013年）、クリス・デービス（2013年）、そしてクリスティアン・イェリッチ（2019年）がこれを達成しているとのことだ。