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野球 コラム 2021年6月29日

「結束力で世界の頂点へ」侍ジャパン トップチーム 稲葉篤紀監督 独占インタビュー

野球好きコラム by J SPORTS 編集部
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侍ジャパン トップチーム 稲葉篤紀監督

いよいよだ。野球日本代表「侍ジャパン トップチーム」の頂点への戦いが幕を開けた。
6/16(水)に東京五輪に出場する野球日本代表の内定選手24人が発表された。世界一に輝いた「2019 WBSプレミア12」で共に戦った選手、代表トップチーム初選出の選手など、国際経験豊富なベテラン選手から期待の若手選手が集結したチーム編成だ。
侍ジャパン トップチーム 稲葉篤紀監督が大切にしている「結束力」を持って、目指す目標はただ一つ、東京五輪での金メダル獲得。稲葉監督が選手として出場した2008年北京五輪4位の悔しさは、自国開催の五輪では味わいたくない。「五輪の借りは五輪で返す」代表選手発表会見でそう話した稲葉監督の目には覚悟と強い決心があった。
新型コロナウイルスの影響で限られた状況での現場視察、選手選考基準、東京五輪への想い、目指すチーム像など、2017年監督就任から4年目となる稲葉監督の“今”について話を聞いた。(取材:2021年6月16日)

写真撮影:山本恵太 インタビュー:J SPORTS

「結束力」「スピード&パワー」駆使し、全力で戦う

―代表発表会見を終えて、今の心境をお聞かせください
(稲葉)思った以上に緊張感もありましたし、質問も多かったので、それだけ注目度が高いんだなと感じましたね。実は昨夜も色々なことを考えていたら中々寝付けませんでした。

―東京五輪が1年延期となりました
(稲葉)正直延期でよかったなと、中止にならずに延期でよかったなと思いますし、いよいよメンバーも発表してここまで来たなという感じもあります。野球ができる喜びや感謝の気持ちをより強く感じる1年でした。

侍ジャパン トップチーム稲葉篤紀監督

―選手選考に関してお伺いします。まず選手に会えない状況での選考は大変でしたか?
(稲葉)選手に話も聞けなかったですし、シーズン中に電話もどうかなと・・・。何人かの選手には電話しましたが、正直僕の想いを中々伝えることができなく、コミュニケーションも取れませんでした。そういった意味では難しかったですね。

―24人の少ない枠には悩みましたか?
(稲葉)すごく悩みました。2008年北京五輪では投手10人、野手14人だったんですけれども、どちらかというと僕は投手を多く入れたいなと。1人の投手だけではなく良い投手をどんどん使って勝っていく、前回のプレミアでそう感じたので。さすがに野手が12人では厳しいとコーチと話して、投手11人・野手13人にしました。この投手・捕手・野手のバランスが非常に難しかったです。

―どんなチームを目指して選考したのでしょうか
(稲葉)「スピード&パワー」です。あとは「結束力」、本当にそこだと思います。
個々の力はそれぞれ役割というものがありますから、それぞれの力を出してもらえばいいんですけれど、それをしっかり1つにまとめてチームとして戦う。「結束力」「スピード&パワー」を駆使して、全力で戦っていきたいです。

初選出の選手へ期待していること

侍ジャパン トップチーム稲葉篤紀監督

―まず投手についてお伺いします。先発・中継ぎ・抑えのこだわりはありますか
(稲葉)ありますね。今自分のチームで先発であれば代表でも先発と考えてはいますけれども、中には中継ぎで投げてほしいと考えてる選手も何人かいます。でも中継ぎは専門職の選手を選んでいますし、なるべく自分のチームのポジションでということを考えています。

―森下暢仁投手(広島東洋カープ)は稲葉監督の想いも強かったとお伺いしました
(稲葉)僕もそうですし、建山コーチもそうですね。去年も今年もどの球もいい、バッターの反応を見ていると、何回対戦しても打ちにくそうにしていました。それに球種も多いので、国際大会でも通用すると思って選びました。

―森下投手と同様、今回初選出の青柳晃洋投手(阪神タイガース)はいかがでしょうか
(稲葉)青柳投手は先発でも試合を作れます。しっかりゴロを打たせながらアウトを取っていく、その中でも三振を取っていきますし、相当シンカーが落ちているんだなと。前回のプレミアを見ていても、高橋礼投手(福岡ソフトバンクホークス)が投げた球を結構打ちにくそうにしていたので、居てくれたら有難い存在です。中南米には凄く有効だと思います。

―代表では最年少の平良海馬投手(埼玉西武ライオンズ)についても教えてください
(稲葉)平良投手も去年から注目していたんですけれども、あれだけ度胸もあって、クイックもそうですが本当に良い球を投げているんで。緊張感ある場面での登板の可能性もありますが、こちら側としては背中を押してあげたいです。いつも通りでいいと、打たれたら僕の責任だという話をこれからしていこうと思います。

―栗林良吏投手(広島東洋カープ)はルーキーで唯一選出されました
(稲葉)マウンド度胸はもちろんのこと、ストレートとフォーク、特にフォークが素晴らしい選手です。見ていると、結構バッターは振っているんですよね。相当手元で落ちているんだなと。彼の特徴であるしっかりと腕を振って投げる姿を代表でも期待しています。

―そして野手では栗原陵矢選手(福岡ソフトバンクホークス)が初選出されました。どんな点について期待していますか
(稲葉)「ユーティリティ・プレーヤー」として期待しています。栗原選手は今年クリーンアップを打っていて、バッティングでも貢献していますし、もちろん守備でも。実はちょっと前に電話をしまして、色々と話をしました。サードもキャッチャーも外野も全て今練習していますと話を聞きましたので、頼むよと。本当に色んなことをやってもらわないといけないかもしれないので、その準備はしといてねという話はさせてもらいました。

―平良投手と同様、チーム最年少での選出となった村上宗隆選手(東京ヤクルトスワローズ)はサードでの起用だと思います。サードというポジションについてはいかがでしょうか
(稲葉)本当にサードというポジションは考えました。先ずは1人選ぼうという中で凄く悩みましたね。特に国際大会では強烈な打球が来ます。村上選手は元々ファーストをやっていて今年からサードを守っているんですけれども、守備面について井端コーチからも「監督、大丈夫ですよ」と言ってもらえたので。彼はバッティング面でもコンスタントに成績を残しているので、経験・守備・バッティング面含めて選ばせていただきました。

選手には思い切ってプレーをしてほしい

侍ジャパン トップチーム稲葉篤紀監督

―「2019 WBSプレミア12」ではメンバーに入っていなかった柳田悠岐選手(福岡ソフトバンクホークス)は、特に代表に対する強い思いがあると聞きました
(稲葉)周りからは聞いていましたが、春季キャンプの時に柳田選手と室内練習場で会った時に「ぜひ選ばれるように頑張ります!」と力強い言葉を言っていただけました。嬉しい言葉を聞けたなと。その中で今シーズン素晴らしい活躍をしていますし、代表発表会見でも言った「スピード&パワー」を具現化してくれる選手です。柳田選手を何処に置くのかも含めて色々考えていきたいですね。足も速いし肩も強いので、もちろん中心選手であることには変わりはないです。

―打線としては「1番」を大事にしているのは変わらずですか?
(稲葉)はい、それは変わりません。代表選手を見た時に、送りバントは誰ができるかなと凄く考えていて。バントもできるバッターを何処に入れるか、そこも実は凄く悩んでいます。プレミア12では全員にバント練習をしてもらいました。どうしても1点が欲しい時もありますし、今回も全員にバント練習をしてもらいます。

―今回の東京五輪で選手に求めたいことを教えてください
(稲葉)特に求めることはなく、思い切ってプレーをしてほしいです。五輪という舞台は、いつも以上に緊張感あふれます。自分のできることをそのままやってくれればいいと思います。

―稲葉監督が選手の背中を押してあげると
(稲葉)それはもちろんです。我々首脳陣の役目だと思ってますので。

―東京五輪での勝敗のポイントはどこになりますか
(稲葉)今回は夏場のデーゲームもありますし、緊張感もある中で体力の消耗も速いと思うんです。投手を代えるタイミングですね。あとは勝ち負けによって試合がどうなるか分からないという戦い方の難しさがあるので、五輪の日程を全て考えた中での投手起用方法は1つポイントになるかなと思います。

目標は金メダル

侍ジャパン トップチーム稲葉篤紀監督

―2017年に就任してから4年間、監督として得たもの、大切にしてきたことを教えてください
(稲葉)コミュニケーションです。選手とどれだけ会話するか、どれだけこちらの想いを伝えていくかということを大事にやっていきました。
どちらかというと僕はそんなにコミュニケーションをとることが上手くないんですよ・・・。結構人と話すのも緊張しますし、今も凄く緊張しています(笑)
それでも自分の想いを伝えたり、選手としっかりコミュニケーションをとって稲葉という人物を少しでも分かってもらうという。そこはこの4年間でやってきたことですし、これからも大切にしていきたいです。

―改めて集大成である東京五輪に対する想いを聞かせてください
(稲葉)2017年の監督就任から東京五輪での金メダル獲得を目標にやってきまして、いよいよ始まるなという気持ちです。新型コロナウイルスで大会延期もあり、決して楽な道のりではありませんでした。それでもスタッフを始め周囲の協力を得たり、コーチにアドバイスをいただいたり、本当に皆さんの支えでここまでこれたと思います。思い切って戦って、少しでも皆さんに恩返しをしたいです。

何よりも選手に金メダルを獲らせてあげたい、そこだけなんですよね。僕は北京五輪でメダルを取れなくて、本当に悔しい気持ちでした。とにかく選手たちには金メダルを獲って、一生の宝物にしてほしい。選手だけではなく、家族を含めて皆に嬉しい思いをしてもらいたいと、本当に僕はそこに全力を注いでやっていきたいと思います。

―最後のゴールは何があっても金メダルですね
(稲葉)今回は負けてもチャンスがあるというトーナメントになってますので、最後に金メダルを獲るという考え方でやっていきます。

今夏の東京五輪に向け、いよいよ本格始動する稲葉篤紀監督率いる野球日本代表「侍ジャパン」。東京五輪直前の7/24(土)・25(日)に楽天生命パーク宮城にて開催される東北楽天ゴールデンイーグルスと読売ジャイアンツとの強化試合を、J SPORTSでは試合開始30分前から試合終了まで生中継&J SPORTSオンデマンドLIVEで配信する。

7/24(土)侍ジャパン vs. 楽天イーグルス
7/25(日)侍ジャパン vs. 巨人

代表経験者から初選出の選手まで、今回の強化試合で侍ジャパンが両球団相手にどんな戦いを見せるのか、どんなスターティングメンバーで挑むのか注目だ。

放送/配信情報は「侍ジャパン特集ページ」をチェック
https://www.jsports.co.jp/baseball/samurai/

※本インタビューの模様は「結束!侍ジャパン#73」でも放送
https://www.jsports.co.jp/program_guide/01/19/90621_1247212/

J SPORTS編集部

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