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野球 コラム 2021年6月7日

【ハイライト動画あり】よもやのコールド負け 北海学園大学 vs. 福井工業大学 全日本大学野球選手権

野球好きコラム by 岩瀬 孝文
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福井工大は足を絡めて大量得点

この大敗をどのように受け入れればよいのだろうか。
北海学園大は、なんと30年ぶりにリーグを制して迎えた舞台が東京ドームだった。
そろそろ蝦夷梅雨に入る札幌市内で母校の勝利、その吉報を待っていた北海OBがひとり、「えっ、勝っていたのに…」と絶句した。

指名打者長峯選手(福井工大)

初回にタイムリーヒットで2点を先取、これでリズムに乗ったかに見えたが、その2回裏には長短安打を見舞われ4点、しかも満塁とされ、そこで主砲の4番指名打者の長峯選手(豊橋中央)が快音をなびかせ、ボールはライトスタンドへ綺麗に吸い込まれていった。
なんということだ。
ここで福井工大の鍛え上げられた自慢の打棒が早くもベールを脱いだ。

畑投手(北海学園大)

北海学園大のエース右腕畑投手(北見柏陽)は懸命にスピードボールを投げるが、その素直な球筋に、福井工大打線はていねいにミートさせて外野へ飛ばしていった。
そこで北海学園大の投手は左腕帯川投手(札幌国際情報)と稲原投手(旭川実)へつなぐが、序盤の大量失点が重くのしかかる。

前川投手(福井工大)

福井工大は10大会連続43回目の出場、東京ドームでのやや暗めな照明と距離感はたまた神宮球場の流れる風までをも熟知していた。
先発した長身から投げ下ろすボールが生きる前川投手(鈴鹿)は初回の立ち上がりこそ、制球を乱して連打され2点を奪われるが、ベンチに帰り気持ちが落ち着いた2回からは本来の投球を見せていた。

福井工大 下野監督

前回出場から30年もの時がたち、久しぶりの出場で、どうにも地に足をつけられずにいた北海学園大。どのようなシチュエーションにも柔軟に対応できる力量の福井工大に一日の長があった。
「リーグ戦の終了が遅くなり、選手権大会までおよそ1週間でした。ですから東京都内での練習をあきらめて、昨日、移動してきました。それで今日の試合ですから、選手はみんな頑張りましたね。とくに打線がよかった」
豊かなウエイトを揺らしながらにこやかに語る福井工大の下野監督だった。

全日本大学野球選手権2021

【ハイライト】北海学園大学 vs. 福井工業大学

見るからに試合巧者の福井工大、その北陸日本海の荒波にもまれ流されていく感の北海学園大であった。

北国札幌の円山球場で発揮された粘りと伝統の道産子北海魂は爆発ならず、ここ東京ドームではひっそりと鳴りを潜めてしまった。

文・写真:岩瀬 孝文

岩瀬 孝文

ノルディックスキージャンプの取材撮影は28年以上、冬季五輪は連続5回、世界選手権は連続12回の現地入り取材。スキー月刊誌編集長を経て、2007札幌世界選手権では組織委員会でメディアフォトコーディネーターを務めた。 シーズンに数度J SPORTS FIS W杯スキージャンプに解説者として登場。『冬はスキー夏は野球』という雪国のアスリートモードにあり、甲子園の高校野球や大学野球をつぶさに現場取材にあたっている。

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