澤村拓一、ヤンキース戦の好投でチームからもメディアからも評価を高める

宿敵ヤンキース戦で好投したレッドソックス澤村拓一の存在感が俄然増しているようだ。

【 #レッドソックス 】#澤村拓一 2イニング制圧完了
7回裏を3者連続三振、8回裏も三振2個、大事な終盤のリードを守る好リリーフです！！#日本人選手情報 pic.twitter.com/UC4JUriTsi

— MLB Japan (@MLBJapan) June 5, 2021

『MLB.com』でレッドソックスを担当するイアン・ブラウン記者は、現地5日付で「サワムラが注目を集める」と題した記事を投稿。「レッドソックスとヤンキースのライバル対決で、2回無失点5奪三振と、劇的な登場を飾った翌日、ボストンのリリーバー、ヒロカズ・サワムラはズーム会見でその経験について説明した」とした。

その上で、「もちろん、ヤンキース相手でしたので、特別な瞬間でした。もちろん、僕もヤンキースとレッドソックスのライバル関係は見ていました。あれは僕にとって特別でした。緊迫した感じでした。自分の心の中に、何かが涌き起こっていました」との澤村のコメントを伝えつつ、「サワムラは週毎に良くなっており、コーラ監督のブルペンでの序列を上げ続けている」と右腕を評価した。

ヤンキース戦で好投を見せた澤村

また、記事によるとベテラン右腕のアダム・オッタビーノは澤村の適応能力を高く評価しており、メジャー1年目の日本人チームメイトについて、「彼はここへの移行、そして快適にプレーする上で本当に良くやっている」とコメント。

そして、彼は間違いなくブルペンの主要選手の1人だ、彼のピッチングは、これまで全体的にとても良いと思う。彼はえげつない球を持っているし、速い球を投げるし、彼のスプリットは恐らくリーグで最も速いと思う。彼は興味深い投手であり、間違いなく彼の全盛期はこれからやってくると思う」と述べたとのこと。

一方、地元紙『ボストングローブ』は現地金曜の試合後に電子版に「サワムラが自信を増しソックスのブルペンで信頼を得ている」と題した記事を掲載。

こちらも澤村の速球とスプリットに注目しており、「サワムラのフォーシームは平均95.7マイル（154キロ）でスプリットは91.5マイル（147キロ）」とした上で、「金曜はこの（2球種の）差異で、ヤンキースを切り刻んだのだ」と伝えた。

今季、澤村のスプリットに対する相手打者の空振り率は46％に達しており、記事ではこの決め球を「プレート上で落ちる効果的なスプリットはチェンジアップのように機能する」と表現。

チームのレジェンドの1人を引き合いに「これはコウジ・ウエハラがレッドソックスのクローザーとして活躍した時期に、圧倒的な効率性を発揮した投球」とした。

また、こちらの記事でも、「このスプリットは右打者と左打者の両方に対して素晴らしいんだ。これは素晴らしい変化球だ。と言うのも、これにより特定の対戦で固定観念が生じないから。これは誰に対しても効果的な投球なんだ」という、澤村のスプリットに対するオッタビーノの評を引用し、その威力の凄まじさを伝えている。

上原、田澤から澤村へ。レッドソックスのブルペンに日本人の好投手あり、という比較的新しい伝統が引き継がれている。